3月31日(水)

 この3日間、仕事場の片づけで目が回りそうな毎日。何とか八分程度まで片づけて机を空ける。2年間が長いかどうかは人によって異なるだろうが、僕はそれくらい時間がたつと人にも場所にも物にもけっこう愛着が沸いてしまうので、ここを去るのは正直寂しい気持ちである。まあ、渡り鳥の宿命なんだが。

 夜、新宿ワシントンホテル1Fの「爽季」で宴会。人がメシ食ってるのに大声で汚い話をふってくる馬鹿親父と対決。挑発とからかいの言葉を浴びせかけ続け、相当に表情が硬くなってましたな。おーこわ(自分で仕掛けといて何だが)。

 

 中継は見られなかったが、日本代表はまた冷や汗ものの勝利だったらしい。「冷や汗」なんつってるうちはまだいい。それはそれで楽しめているわけだし。でも、悪運もいつかは尽きるのだから、やはりその前に、できるだけ早く手を打たなくてはならないだろう。


3月30日(火)

 DVDで、ゲオルギー・タネリヤ監督『不思議惑星キン・ザ・ザ』。この映画にはクライマックスの類は存在しない。テンションの上下動は小さく(音楽の使い方も控え目)、微妙な間抜けさと微妙な物悲しさをたたえながら淡々と物語は進んでいく。なのに2時間15分の間画面に惹き付けられ、全く飽きることがなかったのはどうした訳か。物語はよく作り込まれているし、笑えるし、考え込めるし、主人公たちには素直に感情移入できるし、しかも最後はちょっとしんみり。そうした様々な要素が化学変化を起こして一つの「作品」となっているのだから、これはある意味映画の王道を行っていると言ってもいいのではないだろうか。終盤、主人公たちの選択には心うたれるものがあった。クー。

 不平等と人種差別と腐敗と環境破壊がはびこるキン・ザ・ザはどう考えても「ソビエト連邦」のアナロジーなんだけど、よくこんなもんソ連時代に作れたなと思ったら、製作は1986年か。ペレストロイカの偉大さまで実感させてくれる傑作なのであった。


3月29日(月)

 東京オフィシャルサイトのヘッドラインにFC東京を愛するすべてのファンのみなさまへ」なんつーリキの入った記事が載っかっていたので何事かと思ったら、要するにこういうことでした。まあ、東京とサポーターとの関係ということで言えばこれでいいかなとも思うんだけど、一方で柏サポーターとか他のファンに与える印象その他諸々の要素を考えると、あえてここで「解除」なんつー言葉を持ち出して「お墨付き」を与えるのが賢明な判断なのかどうか。もちろん、前提としてクラブとサポーターはいくら密接な関係であっても他者は他者であって、サポーターの行為について最終的にクラブが「責任をとる」あるいは「預かる」ってのはおかしいと思う(よく言われる勝点剥奪とかってのは、責任云々よりもペナルティによる抑止が主眼なわけでしょう)けど、だからこそ「自主的」謹慎というのならばその解除もあくまで「自主的」であるべきではなかったか。実際、謹慎たって、あれからまだほんの数試合しかやってないだろうに。今のタイミングでこれを出す意味がよくわからない。


3月28日(日)

 昼間、東京体育館で水泳しようと家から45分かけて歩いていったら、水球大会を開催していて泳げなかった。しょーがないので、代々木まで歩いて渋谷まで電車に乗ってそこでうろうろと買い物してまた歩いて帰ったんだが、かえっていい運動になったかもしれん。

 

 夜、スカパーでプレミアシップ。アーセナル 1−1 マンチェスター・U。前半から「余裕を持ってトドメをさしにかかるアーセナル」「チームの充実度で劣りながらも必死でくらいつくユナイテッド」の構図ですごいハイテンションの試合になった。アンリの先制ゴールで決まったかと思えたが、土壇場で同点。追いついたのはユナイテッドの意地としか言いようがないだろう。

 それでも、アーセナルはこれでリーグ戦30試合負けなしの新記録。最近のプレミアは1年ごとに2強の力関係が入れ替わっているが、それにしても今年のアーセナルの波は高い。このままだとチャンピオンズ・リーグ制覇も相当現実味を帯びてくる。シーズン当初はユナイテッドの方がいいサッカーをしていたくらいなのだが…。そういえば去年は逆のパターンでユナイテッドが逆転優勝したし、おととしはその逆にアーセナルが逆転優勝したのだった。興味深い。


3月27日(土)

 午後、味の素スタジアムでナビスコカップ。FC東京 1−2 鹿島アントラーズ。うーむ、試合結果にはもちろん失望してるんだけど、しかし顔ぶれと垣間見せたポテンシャルを考えると今後が楽しみでしょうがないという、まことに微妙な気分だ。観戦記は、こちら

 今日は観戦していて非常に胸くそ悪かった。というのも、バックスタンド2階(U席)のゴール裏寄り前段最後列に黒い革ジャンを着た若い男2人組(酔っぱらって赤ら顔)が座っていて、一応東京ファンみたいなんだけど、すんごい場の空気を考えない事を大声で喋り続けてしかも東京の選手がシュート外すたびに「下手くそー!!」とか下品な声で野次るんだよね。しまいにゃゴール裏の「コーバ!コーバ!」コールに合わせて「死ーね!死ーね!」とか呟いてるし。とりあえず僕も含めて周りの人間がガンを飛ばしたんだが、酔っぱらいだけに全然こたえなかったみたい。試合後には、「日本のサッカーは負けても拍手するなんておかしいよな。浦和だったらブーイングだぜ」とか言っていたそうな(これについては伝聞情報。浦和のサッカーはグローバルスタンダードらしい(笑))。ならばとっとと浦和に行けよと言いたいところだが、本当にこの手の下劣な人間というのはいるものなんである。赤い顔でわめいているので「猿」という言葉が思い浮かんだが、あれほど知性の欠けた発言を繰り返す(そういえば石川について「何も仕事してない」という発言もあったが、前半のDFを置き去りにしてクロスを上げたプレーは彼らの濁った目には映らなかったのだろうか)連中を猿呼ばわりしたらお猿さんたちに失礼である。

 こないだの新潟戦でもうるさかったの多分あいつらだし、もしかしてソシオなのかなあ。しかしまあ、これが自由席だからいいようなものの(「おとなしいバックスタンドの客」たる僕としては、次から近くに座らないように気をつけるよ)、指定席で近くにいられたら目も当てられない。どーなのよ、FC東京フロントのチケット戦略的にその辺は。U席のゴール裏寄り前段の皆さん、革ジャンを着た若い男2人組(両方ともメガネ、1人はキャップに無精髭)にはご注意下さい(次は全然別の格好かもしれんけど(笑))。

 

 夜、赤坂の大昌園で焼肉。ここは「国産牛使用」と謳っているだけあって、米国牛のBSE騒動は関係ないようである(本当は豪州牛だったりして(笑))。いや、それにしても厚切りの牛タンはうまい!ねぎ塩カルビもハラミもテグタンスープもうまいうまいうまい!!。「四半期に1回は必ず焼肉を食おう」と心に誓う今日この頃である。

 武蔵と曙の試合は2ラウンド途中、曙の反則攻撃による中断から観た。武蔵が真っ直ぐ下がり続けて簡単にロープまで追いつめられちゃうもんだから「おいおい」って感じだったけど、武蔵の方にしてみればダメージも残っていただろうし、KOは諦めて反則による減点も考慮して、あえて試合を殺しに行ったのかもしれない。もしそうだとすると、それはそれで恐ろしい男だと思う。

 帰り際、赤坂見附駅前のつぼ八での飲み会に顔を出す。大ジョッキ2杯ちょっと。「○○先輩かっこい〜い!」と叫びながらその先輩の隣へ突撃していく元気な女の子(未成年)がいて、オジサン的にはちょっとビビった(笑)。


3月26日(金)

 夜、新宿南口の「ふる里の藏」で仕事の打ち上げ(またかよ)。刺身の盛り合わせにあんこうの煮こごり、厚揚げのネギ焼き、あとは…酔っぱらっちゃってよく覚えてないや(笑)。異動の決まったサラリーマン同士で飲んでるだけに、100%心晴れやかな会というわけにも行かなかったのも確か。


3月25日(木)

 夜、新大久保の韓国料理「梁の家」で仕事の打ち上げ。各種冷菜にカキの天ぷら、海鮮チヂミ、豚バラ肉焼、魚の煮物にサムゲタン等。うまかった。ただ、何人か遅れてくる連中を待っている間に冷たいビールを飲み過ぎたらしく、腹痛と闘いながらの宴会だったのはちょっと無念。

 

 帰り、駅の改札前で警備中の警官とすれ違う。何だかすんごいイヤ〜な目つきをしてたね。まあ時期柄場所柄しょうがないんだろうけど。


3月24日(水)

 週刊サッカーマガジン967号読む。巻頭の山本監督手記はやはり興味深い。アウェイのUAE戦前後なんて、「壮絶」と表現すべき酷い状況だったんだね。あの涙の意味はそういうことだったのかと納得。バーレーン戦の大久保温存策については、大久保のキャラまでよーく計算していて、思わず笑ってしまった。「考え抜く」ということに関してはA代表の指揮官など足下に及ばない緻密さだわな。あとは「策士策にはまる」状態に陥らないことと、後藤健生さんも書いているように「勝負ができるか」どうかだろう。まあ、とにかく行けるところまで行ってほしいと思う。


3月23日(火

 団体行動において、「一糸乱れぬ」揃いぶりというのは確かに美しいのだろう。しかし、一切の例外を認めず監視さえ付けてガチガチに縛るというのはいかがなものだろう。いいじゃん、全体の1割2割「変な人」がいたって。周りに大きな迷惑かけなきゃ。どうして多数派の方が非寛容になってしまうのか。政治家やマスメディアが北朝鮮を非難し小馬鹿にするのを見るたびに、「日本だって大した違いはねえよ」と反論したくなるのは僕だけだろうか。

 

 夜、千歳烏山駅近くの居酒屋「きちんと」で飲み会。店内が騒がしすぎず、店員さんの対応もよく、料理も酒もフツーにうまい。こういう居酒屋は案外少ないのである。海老の揚げものに豚角煮、アサリの酒蒸しなど。楽しい数時間でした。


3月22日(月)

 DVDでスティーブン・スピルバーグ監督『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。デカプリオにトム・ハンクスというキャストから予想していたようなミーハー向け「大作」とはちょっと異なり、色々なものが詰まっている映画だった。地味だが出来は良く、かなり儲けた感じである。滑稽さも、痛快さも、怒りも、哀しみも、センチメンタリズムも全てが詰まっていて、スピルバーグらしいと言えばらしい。一番気になったのは、人を騙し続けつつも安息の地を求める主人公(デカプー)がニセ医者として看護婦と結婚直前まで行って、でも捜査官に追いつめられて嘘がばれちゃって全てご破算、という部分。……うーむ、何というか、身につまされる話でもあるなあ(笑)。別に僕も嘘ばっかついてるわけではないですが。あと、最後の展開は「めでたしめでたし」という感じですごくいいね。


3月21日(日)

 午後、国立競技場でラグビー日本選手権決勝。神戸製鋼 10−22 東芝府中。国内ラグビー改革元年の最後を飾るビッグマッチは、ここまで2位続きだった東芝が拮抗した戦いを制して優勝。今季の東芝のラグビーはボールを止めないスピード感のあるもので、志もエンターテイメント性も高かった。こういうチームがきっちりタイトルを取ってくれるのは非常に嬉しい。今日はトライラッシュまでは行かなかったものの、WTB森の快走ブッチ切りと松田の巧みなラストパス(98年のW杯予選を思い出した)で取った2トライは非常にスカッとするものだった。来季以降もこの方向性で突き詰めて、過去例のないそれこそ「スピード・アタック」とでも呼ぶべきものを見せてほしいと思う。

 神鋼の方は東芝のプレッシャーからか細かいミスが多く、SOミラーにもいまいちキレがなかった。斉藤祐也からのつなぎの精度の低さや大畑のノックオン連発にはけっこうがっかり。さほど層が厚くないメンバーが高齢化しつつあり、苦しい台所事情もあるのだろう(今村はどうした?)が、「この顔ぶれならもうちょっといいラグビーをしてほしい」と思うのは僕だけだろうか?

 これで国内ラグビーのシーズンは一応終了。色々問題もあるにせよ、「これほど良くなるとは」というのが今回の改革に対する正直な感想である。接戦は増え、再戦で勝敗がひっくり返るケースも度々。内容的にも、密度の濃く金を払うに足りるゲームの割合が多くなったように思う。課題は、メディアへの露出度を含めた人気向上へつなげていくことか。あまり毎年方式を変えるのも落ち着かないので、数年はこのやり方で続ける必要はあるだろう。少なくとも「3冠」方式を定着させ、各大会の権威を高めていくことが観戦ファンの固定・増加にもつながっていくのだと思う。変にミーハー受けを狙うのだけは避けなければならない。

 あとは、この改革が日本代表の強化にもつながっていってくれることを願う。


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