5月10日(土)

 午後、横浜国際競技場で今季横浜戦3試合目。横浜Fマリノス 3−2 FC東京。試合後は七転八倒、はらわた煮えくり返りまくり、悔し涙が止まらず「俺はこのまま憤死するのではないか」と怖くなるくらい残念な試合だった(見た目は何とかクールを装ってましたが)。いくら好調マリノスとはいえ、相手に負ける以前に東京の方が自滅してしまったような試合だった。今の東京の悪いところが思いっきり出たというか。

 試合前、まずスタメンを見てズッコケた。「勝った時にチームをいじるな」というのは確かに鉄則であって、藤山をそのままCBに入れたのは間違いではないと思う。文丈選手もいいでしょう。問題は攻撃陣。ここ2試合で全然結果の出ていない阿部・アマ・戸田の併用をまだやるかねぇ。石川(と宮沢)のコンディションは先発出場に耐えられない(できれば使いたくない)ほどだったのだろうか?「こりゃサイドは厳しいな」と思っていたら、案の定ライン際の勝負は完敗。本職でない戸田と阿部はサイドアタッカーとしては機能せず(ペナルティエリア横からのクロスが何本あった?)、加地はドゥトラに遮られ奥に裏を突かれ、由紀彦はさほど後方の心配をすることもなくバンバン攻撃しまくり状態だった。由紀彦が怖いなんてのはもう分かりきったことなんだから、むしろ左サイドアタッカーを入れてヤツの後ろ、不調の波戸のところを攻めればいいと思っていたのだが…。東京の辞書に「スカウティング」の文字なし?原さんはノリオ(※追記)がお嫌いか?それともただサイドに置けば人はサイドアタッカーになるの?

 あと相変わらずというか、もういい加減にしてくれというか、また全部「いい時間帯」に点を取られてやんの。立ち上がりのふわふわした感じ、2点目を取られた後の浮き足立ちまくりの様子、いずれも昨年来全く進歩していない部分だよね。押されている状況で幸いにも前半残り5分で追いついたのだから、試合後のコメントで文丈も言っている通りそのままハーフタイムまでがっちり守りきらなきゃ。誰かに言われなくちゃ分からないのは、若さゆえと片づけてしまっていいのだろうか?「90分間攻撃サッカー」もいいけど、今後しばらくは最初と最後の5分は穴熊のように守りを固める作戦はどうだろう。いつまでたっても同じことを繰り返すのはただの馬鹿だぜ。

 先制された後、レフェリーの判定に苛ついて自らリズムを崩したのもいただけなかった。今日の西村主審は確かに正当と思われるチャージにも敏感に笛を鳴らすきらいがあったため東京には(ボール狩りの局面で)不利に働いた場面も多かった。でも、基準がそれほどバラバラだったようにも見えなかったし、マリノスのファウルもきちんととっていた(実際、波戸は退場になった)のだから合わせなくては。セルフジャッジでプレーを止めたり、判定に納得いかないというポーズとって切り替えが遅れたりするのって最低だ。

 で、終盤マリノスが10人になってからはそれなりに攻めたてたのだが、ここでも各自がてんでバラバラ、組織としての攻撃はあまりできていなかった。ケリーはひたすら球離れが遅くアマラオのことしか信頼してないし、石川はシュート病が再発しちゃったし、前が開けてもみんな自分で持ち上がらずケリーに渡しちゃう(ケリーもボールもらいにのこのこ下がってくる)し、パワープレイになってんのに宮沢はアーリークロス上げやすい位置に動かないし。みんな、サッカーは選手各々が責任を引き受けつつ、11人でやるもんだろう。選手交代も、自陣に引きこもった相手を攻めるのに横からクロス上げられる加地を下げちゃうのが意味不明だった。

 ゴール裏(この日はバックスタンド1階だけど)のサポーターもみっともなかった。1−3で負けている状況で「負け犬由紀彦!」コールって……負け犬は俺たちの方じゃないか。やけくそ気味の「コロセ!」コールと併せて、あまりにも惨めだ。しまいにゃ上機嫌の横浜サポーターに「俺たち〜の〜ユキヒコ〜!」歌われてるし。

 横浜の方は、前半安永が絶好機に空振りしたり(でも見事な2点目があったから収支トントンか)後半キレた選手が数人いたりして(笑)、決して大満足のゲームというわけではないだろうが、ボールを奪ってからの攻守の切り替えの早さ、サイドも生かしたスピーディーな逆襲、そして的確な交代。なんつーか、どうしてこんな差がついちゃったかねえ、というか。点差以上に実力が離れているのだと思う。相手を変にけなす前に彼我の差を素直に認め、早くあの背中を捕まえなければならないだろう。ちっくしょー。

 というわけでこのゲーム、良かったのはバックスタンド2階のビール売りのおねいちゃんが短髪にミニスカにルーズソックスでサイコーだったことくらいかな(笑)。

 

[※追記]
 後で掲示板の方で教えてもらったのだけれど、規郎君ケガだそうで。つーことは、東京サイドアタッカーって石川しかいないじゃん。サイドの層が薄すぎるんじゃないですか、「スペイン流サッカー」をやりたい割には。

 

 試合終了後、速攻でスタジアムを出て中華街の「東光飯店」でやけ酒ディナー。いや、この店高くないのにすげーうまいわ。6時半にはすでに行列ができていたのも頷ける。ここでメシを食うために横浜まで来たんだ、と思いこんで自分を慰めることにしよう(笑)。

 ちなみに、隣の席ではベイスターズファンの皆さんが反省会をしておりました。「弱いよなぁ……」だって(笑)。しばし遅れて(『六甲おろし』歌ってたんだな)中華街に現れた明るい表情のトラ軍団(笑)。

 東京へ帰還してから、赤坂の「笑笑」でちょっと飲む。つーか、これが飲まずにいられるか。


5月9日(金)

 夜、西新宿の「旅籠」で飲む。稲庭うどんはうまかったが、ちょっと全体的に値段が高すぎるかな。食材よりも内装にコストがかかっていそう。


5月8日(木)

 神野直彦著『人間回復の経済学』(岩波新書)読了。うーん。「経済のための人間か、人間のための経済か」という問題設定とか新自由主義的主張の根拠のなさを弾劾する姿勢とか、基本のところは間違っていないし大いに共感できるのだけど…。どうも話が図式的になりすぎるんだよなあ。「テイラー主義による人間性喪失」とか「社会・経済・政治の3つのサブシステムが社会総体を構成して」云々のあたり、もう少し具体例に則して語ってくれないと雲の上の話にすぎないというか。スウェーデンを持ち上げるのも別にいいんだけど、その良さがイマイチ文章から伝わってこないし。もったいない感じである。


5月7日(水)

 朝、久しぶりに朝の丸の内線に乗って母校の大学へ。数年前に毎朝通ってた頃は車内のポマード臭さ(霞ヶ関あたりでピークに)がたまらなくイヤだったのだけど、今日は何とも感じなかった。サラリーマンのポマード率が低下したのか、それとも僕がオッサン臭くなっただけなのか。

 数年ぶりに入ってみた大学の図書館は、ほとんど変わらぬ雰囲気だった。学生さんたちは真面目にやってるねえ。よしよし。変わったところは「トイレがウォシュレットになった」「休憩室の衛星放送でCNN・BBCの他に中国のCCTVが見れるようになった」「パソコンのOSがWindows3.1ではなくなった」(笑)ぐらいかな。


5月6日(火)

 水口幸広著『カオスだもんね!』(アスキー)9巻読了。今回面白かったのは『トゥルーラブストリー3』『ガリガリ君』『蕎麦づくり体験』、あとは性病のレポートかな(こうして書いてみるとホントに手広いね、このマンガは)。風俗ネタについては、ちょっと腰が引けてるのではないかと思う(笑)。

 さすがの僕も、あのタマちゃんの充血した目を見てしまうと「可哀想」という気持ちが起こらないでもない。というか、別に海には帰さんでいいと思うがあれだけはとってやってくれ、って誰に頼めばいいんだろうな。あれは別に電磁波のせいじゃねえしな(笑)。


5月5日(月)

 気合いで起きる。

 

 午後、味の素スタジアムで「FC東京こどもの日」。FC東京 1−0 ガンバ大阪あつかった……いや、試合がではなく気温が(笑)。日に照らされて(今日ばかりはスタンドの後ろの方が良かった)じっと観ているだけの我々でも相当つらかったのだから、選手たちの体感温度は相当なものだったに違いない。前半途中からガクッと動きが落ちたのもむべなるかな。

 内容的な見所は、相手の足下からちょっとでも離れたボールを素早くかっさらう藤山の牛若丸(というにはベテランすぎるか(笑))DFと、右に左に前に後ろに顔を出す文丈の神出鬼没プレーだったろうか。ガンバの側には見るべきところはなし。東京の攻撃も強引な個人技に頼ったものが多く、中でもケリーの球離れの悪さは相当なひどさだった。ガキんちょもいっぱい、2万7千もお客さんが入ったので、もう少しいい試合を見せてあげたかったような気もする。それでも勝点3とれたんだから贅沢は言えないかもしれんけど。

 なんか、五輪予選を経て、石川に対するスタンドの期待度がまた一層高まっているように感じられたんだけど、気のせいか?石川が勘違いしてまた切り込みシュート一辺倒になったらどうしようかと思ったが、しかし縦に抜けてクロスを上げたりちゃんとオーバーラップした加地を使ったりと、むしろ前よりいい感じであった。こういう「ちゃんとわきまえてるよん」というプレーは見ていて嬉しくなる。

 観戦記はこちら


5月4日(日)

 昼間は、買い物したり某所のエクセルシオールカフェでちょっと勉強したりとかでウロウロ。

 夕方から後輩の手伝いで、封筒を数えたり束にして縛ったり封筒の山の中から特定の郵便番号のものを探したりしていたのだが、気がつくと時計は午前1時半を指していた。飲まず食わずで7時間半か…。2時ごろ帰宅して風呂に入ってメシの仕度して、3時半頃からビールとワインを飲みながらヤンキースの試合を観ていたら、あっという間にへべれけになってしまいましたとさ。5時前に就寝。


5月3日(土)

 昼間は黙々と勉強。

 

 夕方、日本テレビでアテネ五輪2次予選を観る。日本 5−0 ミャンマービルマ。本当なら相手のホームゲームのはずなのに、「両国の協議の結果」とやらで味の素スタジアムで開催。なんか途中から可哀想になってきちゃったよね、ミャンマービルマの選手たちが。まだ10代の彼らが、慣れない地で一生懸命やってて、でも声援も実力も圧倒的に不利で、思わずやっちゃったファウルには容赦なくカードが出されて、最後には9人になっちゃった。そういう状況下での日本の5得点は微妙なところだけど(田中のゴールはお見事!)、でもこのチームには個性豊かなアタッカー陣を束ねる存在(それこそ「司令塔」だな)が必要だということは再認識させられた。

 この試合、先制点はCKからなんと茂庭のヘディングシュートによるもの。思いっきりはしゃいでいた様子だった。まあここのところいつも代表に呼ばれはするんだけど使われないことが多かったので、こういう形で世間にアピールできたのは本人にとってはそりゃうれしかっただろう。夜のNHKの全国ニュースでも茂庭が大きく取り上げられてたもんなあ。これが最後にならないようにがんばれよ(笑)!試合後の会見で思いきりふいていたらしい(「これで俺が手放せなくなったでしょう」とか(笑))けど、それもお調子者キャラとしてはまあむしろ当然かと。でかいこと言うと、ヘタなことした時に風当たりが強くなることくらいは本人だってわかってるだろう。

 

 夜は赤坂の「つぼ八」で飲み会。周りの若者たち(笑)が「ビールがぬるい」「つまみが気合い入ってない」などと文句をブーブーたれるので、「お前ら単価200円や300円の食い物に文句つけるな!」と言っておく。ビールだって、キンキンに冷えたものが常に最高にうまいとも限らんだろう。とにかく安いんだから味に文句をつけるものではなかろう。味のことを言うなら、ぜめて「魚民」に行け(って、レベル低いなあ)。


5月2日(金)

 渋谷東映会館で平山秀幸監督『魔界転生』観る。これは良かった。面白かった!極力無駄を省いてテンポよく話が進んでいき、2時間弱全く飽きることがなかった。戦闘場面もチャンチャンバラバラしつこくやるのではなく両者が短時間に力を集中させ、最後は「キン!、ガシッ!、ズバッ!!」と決着がつくので非常に格好良い。柳生十兵衛に佐藤浩市・天草四郎に窪塚洋介と聞いてキャストには不安を抱いていたのだが、「剣豪だが無敵ではない」(実際、宮本武蔵には勝てない)位置づけの十兵衛に佐藤さんはぴったり、窪塚君も抑えの効いた演技で違和感はなかった。あと、麻生久美子ちゃんのクララお品は素晴らしすぎますな。

 この作品の弱点を探すとすれば、プロットにやや難があるかなと思う。陰謀により乱世をもたらしたいんだったら、最初に荒木又右衛門を転生させて柳生の里を襲わせ、わざわざ十兵衛を引きずり出すことはなかったんじゃないか。それと、家光を殺そうとするのにわざわざ○○(ネタばれにつき名は伏す)を転生させる理由もよくわからない(弱かったし(笑))。まあ、ここら辺は間延びした映画だったら気になるところだろうが、何しろ今回はテンポがいいので大丈夫。

 ラストについては色々深読みできそうだ。四郎の最期の言葉は「この世に怒りがある限り闇の勢力は絶えることがない」という意味にとれるし、十兵衛が刀を取り直すところで終わるのは「一度闘争の表舞台に立った者は、ひたすら戦い続けるしかない」という宿命を暗示しているように見える。また、四郎を葬り去った十兵衛が唐突に笑うあたり、「超越的な力を持つ者を倒すことで次の者がそれにとって代わる」という構造を読みとれぬこともない。

 ま、何にしても、こういう上質の映画はもっと金かけてきちんと宣伝して大々的に公開してほしいものだと思うけれど。

 入場前、まだ前の回が終わっていないのに小学生のグループが扉を開けて中を覗いていたので、「まだやぞ。終わってないうちに開けたら、光がバーッと差し込んで中の人が迷惑やろ」と注意する。僕もオヤジになったもんだと思うが、しかし素直に聞いてくれたのでよかった。礼儀正しい子供は好き(笑)。

 

 休日ではないにせよGW中の金曜日に試合をしないセ・リーグって、ちょっと客をなめているというか殿様商売の香りがするような。

 日立台のゴール裏にこういうシーンがあるとはとても思えないんだが(笑)。


5月1日(木)

 夜、TBSでアテネ五輪2次予選を観る。日本 3−0 ミャンマービルマ。初戦でこのスコアなら好発進の部類だと思うのだけれど、しかし世間一般(というより大マスコミ)の感覚はそうではないらしく、TBSのアナウンサーなどは「戦前大勝が予想されたこの試合ですが」「うかない表情の日本!」などと連呼していた。あのなあ。アジア相手だろうが何だろうが、さすがに国際試合で守りに入られたらそう易々とは点とれないだろう(よほど強力なFWとかいれば話は別かもしれないが)。その上、視察した山本監督が試合前に「ディフェンスは侮れない」とコメントしているのである。僕なんかはむしろ、わけのわからないオフサイド判定で得点を取り消されたりしながらもきっちり3点目を取り直したあたりを褒めてあげるべきだと思ったのだが。おまけにそのTBSアナ、「この試合に勝てなければ最終予選進出が難しくなります」って、このウソつきめ

 しかしミャンマービルマは、10代の選手ばかりなのに守りはきっちりこなしていたなあ。「なかなかやるじゃないか」と感心しながら見ていた。特にGKは背が173cmしかないのに、抜群の瞬発力と安定した判断で優れたゴールキーピングを見せてくれた。あの健闘にコメントしない神経って、いったいどうなっているんだろう。自チームを応援しながらも盲目的にならず、相手の良いところは認めてあげる。それが大人の態度だろうと僕は思う。

 日本の方は、大久保・田中・前田・松井と前線近くに個性的なアタッカーが揃っており、さらにスピード抜群の石川・柔らかいクロスを上げられる根本がサイドに控えている。それに比べると中盤・最終ラインの配球がちと弱い感じがするね。森崎・鈴木・阿部がもうちょっとがんばらないと。あるいは本番はオーバーエイジで服部あたりを入れておくのがいいかもしれない。


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