11月30日(土)

 結局、最終戦もはるばる鹿島まで出かけてしまった。

 上野駅から特急「スーパーひたち」で1時間、水戸から鹿島臨海鉄道に乗り換えて70分。昨年よりもずっと暖かい鹿島スタジアムにはキックオフ1時間半前に到着した。さっそくコンコースに散らばる売店を巡り、もつ煮・鮎の塩焼き・はまぐりカレーをゲット。どれもうまい。売店にはしっかり生ビールがあり、大は800円するがお姉ちゃんがこぼれんばかりになみなみと注いでくれるので問題なし!スタンドはサッカー専用だけに非常に見やすく、これも全く問題なし!!ここの問題は交通アクセスとホームチームかな(笑)。

 

 肝心の試合の方は、鹿島アントラーズ 2−1 FC東京。またしても10人になった相手に対して攻めきれず、終了間際に息切れしたところで決勝点を奪われるお馴染みのパターン。主力3人を欠く状況で「よくやった」という言い方もできるだろうし、実際選手たちは頑張っていたと思う。でも、勝てば3位だったのだと思うと、「この恨み、どこで晴らしてやろうか」という感じだろう(選手もファン・サポーターも)。今季はもう天皇杯しかないぞ。

 試合展開は、どちらかと言えば東京の流れになっていたと言えるだろう。ジャーン・加地・アマを欠く中心配していたセットプレーで秋田の弾丸ヘッドをくらい先制されるも、その後は互角に試合を進め、鮮やかなカウンターから石川が右足で叩き込んで同点。終了間際の土肥の美技と柳沢のへなちょこプレーもあって、1−1のままハーフタイム。後半には互いにチャンスを作りながら決定機まで至らず時間が進み、東京の細かいパス交換による正面突破への対応に苦慮した鹿島側に警告が出始め、ついにファビアーノが退場。鹿島は柳沢・本山を下げて池内を入れ、長谷川とエウレルの逆襲に頼らざるを得なくなった。さあ、これでカウンターにだけ気をつけてさえいれば何とかなるか……と思いきや、いつもの通りなかなか点が入らない。優勢の状況になかなか動かず我慢した東京ベンチも、36分に馬場OUT鈴木IN、40分には福田OUT由紀彦INでたたみかけようとする。で、延長も見えてきたロスタイム、東京陣左サイドで藤山が鹿島の選手2人に囲まれてボールを奪われ、名良橋のグラウンダークロスをエウレルがきっちり決めてジ・エンド。スタンドで観ている僕たちとしては、期待が高まったところで落とされた感じで、「あ〜あ」とへたり込むしかなかった。

 それにしても、鹿島は選手もスタンドも必死だった。イエローカード7枚。最終戦とはいえちょっと異常な枚数だ。前半は中央でアタッカーがボールを持つといいタイミングでサイドに選手が走り込み、高めのクロスで背丈の低い選手の並ぶ東京DFを攻略する意図がはまりかけていた。しかし追加点が奪えぬうちに東京の逆襲が決まり、一気に余裕がなくなったような感じだった。後半は汚いプレーのオンパレード。守備時に手を使いまくるのはまだいいとして(いや、よくないけど(笑))、何だ、あのボールの返し方は。鹿島の選手が倒れて東京がボールを出した場合でも、必ずスローインにしてしまい、フリーでボールを持たせる状況には戻さない。ウズベキスタンか、キミたちは。実力あるチームがそういうことをするのが一番嫌いだ。「王者」の看板はどこへ行った?あと、柳沢は多分もう駄目だね。前半終わり、DFラインの裏にスッと抜けて「やられた!」と思ったのにそこからヒールパスで戻すって、いったい何を考えていたのだろう?あの場面でシュートうたなくていいんだったら、FWなんていらないよ。

 僕はバックスタンドに座っていたので周りの鹿島ファンの様子を伺ってみると、昨年に比べても東京を現実的な脅威ととらえるようになっているのがよくわかった。昨年は「何やってんだ、こんな相手に。早くしとめろ!」という感じだったのに、今年は「怖い」くらいの印象は持っていたようである。これを来年は「東京強ええ」、再来年は「かなわねえ」にしていかなければなるまい。

 東京は、ちょっと選手交代が失敗だったかもしれない。帰り道、外のトイレで「原采配おかしーよ!おせーよ動くのが!!」と怒っていた人がいたけれども、まあ後半はこちらの流れだったのだから時間切れになりかけるまで選手交代の必要を感じなかったというのがベンチの実感だろうし、僕も同様に感じていた。で、時間がなくなってきて馬場に代えて鈴木投入。これはいいでしょう。ただ、次の福田→由紀彦はどうだったろう。由紀彦が不調だったというのもあるけど、福田を外したせいで攻撃の目標点みたいなものがなくなって、アタッカー陣の意図が全然噛み合わなくなってしまったように見えた。鈴木は1トップやるようなタイプには思えないし。さらに鈴木ではなくもうバテバテだった石川が左に回ったことで、名良橋のオーバーラップに対するたがも外れてしまったような。代えるなら福田じゃなくて石川だったんじゃないかなあ。

 選手では、馬場がだいぶフィットしてきた感じ。鈴木・由紀彦は時間が少なすぎた。福田はヘディングであっさり競り負ける場面が減っており、ボールの収まりも悪くなかった。石川はシュートもドリブルもトラップも素晴らしすぎ。いくら出してもいいから、是非とも残っていただきたい。宮沢は中盤のチェックで真っ直ぐ入ってかわされる、相変わらずの諸刃の剣ぶり。その代わり、浅利の守備隊長ぶりは光った。彼がいなければDFラインは穴だらけになっていたかもしれない。DFラインは呉・小峯・藤山とちびっこ軍団がならび、ヘディングクリアがなかなか前に飛んでいかない状況に苦しんだが(笑)、土肥の奮闘もあって何とか崩壊は免れた。藤山は得意のインターセプトを何度も見せたし、呉は攻撃時の引き出しがとても多そう。小峯にはもうちょっと頑張ってもらいたかったかな。茂庭はもう中心選手だ。

 結局東京の2ndステージ順位は5位。過去最高には違いないが、しかし7敗中6敗が1点差負けで、しかも同じようなやられ方を繰り返す姿が目立った。「もうちょっとやれたのでは…」という空腹感が皆に残ったのも確か。この物足りない思いは天皇杯で、あるいは来年のリーグ戦ではらすしかない!見方を変えれば、今の悪いパターンを克服することさえできれば一気に勝率を上げるのだって可能だろうし。というわけで、次の目標は「タイトル獲得」。いよいよもうこれしかない。

 

 帰りは再び鹿島臨海鉄道で水戸へ出て、「スーパーひたち」で上野へ。水戸の駅ビルで夕飯を食べたのだが、水戸くらいの都市になると東京近郊の大きな街(柏とか大宮とか)とあまり駅前の風景は変わらないね。そういえば仙台もそんな感じだった。均一化ってのも、どうなんだろう。

 赤坂まで戻って「魚民」で飲む。教育の話で激論。「人には各々の道がある」ってのは言うのは簡単だし、わかる人(頭が良かったり色んな体験をしていたり)にはわかるんだけど、わからない人にわからせるのは至難の業なんだよなあ、というあたりで一致。でも、そういう人たちにもわからせる(あるいは、邪魔をさせない)ことが今必要なんだ。


11月29日(金)

 今日はちょっとだけ早く帰った。最近、踏ん張りがきかないんだよな、踏ん張りが。

 

 ビデオで、佐藤肇監督『吸血鬼ゴケミドロ』観る。これは凄い。SFでいうところの「侵略テーマ」「終末テーマ」というのは話の規模が壮大になりやすく、事件全体の発端から結末までの過程を描いていくのは困難を極める。少なくとも日本映画ではとても無理、せいぜい「日本の終末」が精一杯といったところだろう。だけど、この作品のように社会の片隅で起こった異変について延々ドラマを描いていって、最後のところで「実はその頃世界全体も…」という形ならばやれる。鮮やかに「全ての終わり」を表わすことができる。映画表現の特質を最大限生かした傑作だ。

 

 続いてビデオで、ヤン・シュワンクマイエルの短編集『シュワンクマイエルの不思議な世界』観る。人形アニメを多用した奇怪な映像、シュールでブラックなストーリー。収録されている作品はどれも強烈な印象を残すものだが、僕が特に気に入ったのは2つ目の『部屋』だな。訳もわからず、ドリフのコントみたいな奇妙な仕掛け(スープ飲もうとしたらスプーンが穴だらけだったりドアを開けたらただの壁だったり…)に満ちた部屋に閉じこめられた男の話。男が四苦八苦する様に最初のうちは笑えるのだが、しかし「そこまでやるか」という仕掛けが延々と続いて続いて続いて続いて…結局男の運命がどうなるかわからないまま唐突に終わってしまう。気味の悪さと「もうお手上げ」というスッキリ感が同時に残る変な感じだった。


11月28日(木)

 まだ忙しさは続く。11時半頃まで仕事してから、西新宿の某居酒屋で飲み。タクシー代もバカにはならんて。

 内田樹著『寝ながら学べる構造主義』(文春文庫)読了。最近の拉致家族報道なんかを見て「北朝鮮はなんとひどい国だ」「拉致されていた人々の、そして北朝鮮国民の洗脳を早く解かねば」といきり立ち、自分たちの考え(や日本のマスコミ・政治家の発言)の「正常さ」を自明なことだと思いこんでいる人たちは、こういう本でも読んで頭を冷やしたらどうだろうか。我々は自分の思考の相対性について自覚的であるべきだし、発言や行動の客観性・中立性についても立ち止まり疑いを交えつつ進んでいくべきなのだ。この本で紹介されている思想家たちは、自信満々に語る「識者」の多くがいかにあてにならないものであるかよく教えてくれる。


11月27日(水)

 昼寝がしたい。昼寝が。

 ビデオで坂野義光監督『ゴジラ対ヘドラ』。「公害怪獣」ヘドラのアイデアは秀逸だし、サイケな画面作りと汚れた世界イメージの入り交じった演出は今でも充分(というより今観たらなおさら、か)鮮烈だ。でも、肝心のゴジラがなあ……。なんで中・後期の昭和ゴジラってあんなチャチく作っちゃうかねえ。「プァーッ、プァーッ」という緊張感皆無の音楽とともに現れ、「ギャッギャッ!」と叫ぶたびに両手で小さくバンザイしてやんの。あれでは、ヘドラの恐ろしさがまるで台無しではないか。


11月26日(火)

 DVDで、井筒和幸監督『ガキ帝国』。近頃テレビに出まくって何やかんやと人をけなしまくっている井筒のオッサン、「どうせ口ほどにもないのだろう」とたかをくくって観てみたのだが、意外とこれが面白い。目まぐるしく展開する活劇で、115分間飽きることがなかった。物語の構造的にはほろ苦い青春を描いた「ありがち」ものなのだが、その中にいかにもミナミという猥雑さとユーモアが詰まっているのが魅力的。ぐちゃぐちゃ偉そうに文句言っとらんと、早く映画とらんかい、オッサン!。

 とか思ってネットで検索してたら、井筒さん新作撮るらしいな。タイトルは『ゲロッパ!』だってさ(笑)。


11月25日(月)

 中村ノリの人としてのスタイルを否定し、消費者金融とはいえ上場もしている企業をスポンサーにした近鉄について「制裁」「懲罰」などという言葉を用いて追放を示唆し、1リーグ制導入という「脅し」を武器に利己的な選手獲得制度をエスカレートさせていくナベツネ。そんな人間が委員長を務めている横綱審議委員会とかいう組織が朝青龍の「品格」を問題にするんだから、もう笑うしかないだろう。世間一般では自分が何を言って何をしているか自分でよくわかっていない年寄りのことをボケ老人と呼ぶはずだが、ナベツネは当てはまらないのかな(笑)。


11月24日(日)

 今日も仕事。いやんなっちゃうね。サラリーマンなのに(笑)。

 

 午後、隙を見て仕事場を抜け出し、東京今季ホーム最終戦。FC東京 1−0(V) 浦和レッズ。序盤のチャンスをものにしていれば、とっとと勝てる試合ではあった。この1点でシーズン通しての歯がゆさが消えるわけではない。それでも、僕はあの宮沢の巧妙なFK→福田のVゴールゲット→福田の観客席ダイブの場面には燃えたし、感動さえ覚えたのだ。

 最終戦ご祝儀(笑)、甘甘の観戦記はこちら

 

 夜、10時半まで仕事してから帰ってまたサッカー(他に観るものないんか(笑))。パルマ 3−0 ローマ。パルマは攻守ともにだいぶ整備されてきた様子で、怪我人続出でメンバー落ちのローマを相手にせず。中田も右サイドで前を向いてプレーできる時間が増え、鋭いパスやドリブルを存分に生かせる場面がとても多くなってきた。ちょっと「ノッてきた」というか。対するローマは、カペッロがベンチでさじを投げた格好(両足を投げ出して野次(笑)を飛ばす)をしているのが笑えたが、しかしあれでは一生懸命やってる選手は浮かばれないような。


11月23日(土)

 午後、秩父宮ラグビー場で早慶戦。早稲田大学 74−5 慶應義塾。慶応に得点力がないのはこれまでの戦いぶりを見てわかっていたことで、むしろ勝負のポイントは慶応の防御と早稲田の攻撃の力関係にあるように思われた。おそらく慶応にしてみればとにかくキックで陣地を稼いでは厳しいタックルで早稲田バックスを前進させず、ロースコアゲームに持ち込んで相手のミスを待つ、というのがゲームプランだったのだろう。しかし、結果はこの大差。早稲田より先に慶応にミスが出たのと、密集でのボール獲得力に雲泥の差があったこと。この2つが全てだったように思う。

 慶応はここ数年のスマートさがすっかり薄れ、良きにつけ悪しきにつけ泥臭い昔の「慶応ラグビー」に戻っていた。言葉は悪いが「タックル馬鹿」とでも呼びたくなるような。明治相手ならそれでも通用したのだろうが、しかし早稲田の組織力の高さを前にセットプレーでもキック処理や密集でも、はたまた必殺(のはずの)ムーヴでもミスを連発し、そのうち早稲田の早くて速いパス回しによりディフェンスも崩壊。まあ、完敗だった。それにしても点差が開きすぎという気もしないでもないが、これは攻撃有利の現代ラグビーの特質ゆえだろう。もうDF一本やりのチームというのは強いチーム相手にはこういう負け方をするしかないのかもしれない。また、学生日本一になった3年前のチームに比べると、このチームに最も欠けているのは才能や練習ではなく、相手に応じて戦う柔軟性ではないかとも思った(才能で劣るからそうなってしまうのかもしれないが…)。

 一方の早稲田については、大学2位だった昨年や開幕前のオックスフォード戦の時に比べてもプレーの精度が格段に向上している感じを受けた。密集へのFWの到着は常に慶応より一歩速く、球を出すやすかさず大外へ展開してDFラインを振り回す。技巧派インサイドCTB武川が卒業した分アウトサイドCTB山下が突破するシーンは減っているが、しかしその分より外で勝負しようという意識が強く、余ったWTBが駆け抜けてトライをとる(これもある意味では昔風の)攻撃がはまりまくっていた。体格やスピードでそれほど突出した選手がいるようにも見えないのだが、それも集団としての優秀さゆえか。この試合で一旦ピークにもってきたからには早明戦やはちょっと苦労するかもしれないが、それでも無敗のまま大学選手権準決勝以降まで駒を進める可能性は高い。普通にやれば優勝だろう。

 もう一つ書いておきたいのは、この試合のレフェリー相田真治さんについて。彼のレフェリングに対して帝京×早稲田戦では「ラフプレーに甘い」としてスタンドから不満の声も上がっていたようだが、この試合でもクイックリスタートを止められたことに不服でボールを叩きつけた慶応SHにイエローカードを提示せず、ゆっくり口頭で注意して引き続きプレーさせた。他の、例えば○○(名は伏しておこう)レフェリーだったら明らかにシンビンを宣告していた場面だった。こういうやり方については賛否両論あるだろうが、僕は基本的に評価したいと思う。そもそもレフェリーとは選手たちがフェアで安全でいい試合をするための手助けをする存在であって、絶対君主でも検察官でもないのである。判定し罰するばかりが審判の仕事ではない。日本ではラグビーでもサッカーでも、言葉で選手とコミニュケーションをとる審判が少なすぎ、カードを振りかざして教条的に振る舞うレフェリーが多すぎる。相田さんのような人は、まことに貴重な人材だと思う。

 

 夜、スカパーでプレミアリーグ。サウサンプトン 3−2 アーセナル。アーセナル楽勝ムードを、前半終了間際のビーティーの弾丸FKが突風のように吹き飛ばしてしまったゲーム。ま、このシュートは仕方ないにしても、シーマンはマスコミ・ファンが衰えを指摘して騒ぎ続けているうちに本当に黄昏が訪れてきたような。まだできると思うんだけどね。


11月22日(金)

 ビデオで、ジョン・カーペンター監督『要塞警察』。これは傑作。引っ越し中の警察署を襲った正体不明の武装集団に対して、たまたま中にいた警官と護送中の凶悪犯が協力して戦う、というシンプルなストーリー。しかし武装集団の人間離れした無表情・冷酷ぶり、サイレンサー銃による銃撃が四方八方から「静かに」室内を襲って着弾音のみが響きわたる演出、「魅力ある悪漢」ナポレオンの存在、そして粋なラストシーンなど、カーペンターの良いところが存分に詰まっている感じである。画質は東京12チャンネル風だけれども(笑)。


11月21日(木)

 死ぬほど忙しい。今日は午前2時に帰宅。

 高円宮殿下がお亡くなりになった。47歳とは、あまりに早すぎる、惜しすぎる死だ(よく、年老いた、生存していることさえ忘れていたような有名人が死んで「惜しい人を亡くした」とかニュースで言ってると「もう惜しくねえよ」とツッコミを入れたくなるが、この人の場合は本当に惜しい)。地元開催のW杯を開催することができたのがせめてもの救いか。日本サッカーにとてつもなく大きな貢献をしてくれた「僕たちの殿下」のご冥福を祈って、黙祷。

 高円宮サッカー場ってのは、悪くない考えだと思うのだけれど。


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