当然、ひどい二日酔い。
DVDでスパイク・ジョーンズ監督『マルコビッチの穴』。思っていたほど心楽しい映画ではなかったし、アイデアはともかくストーリーはイマイチだと思う。コメディーとしてもシリアス・ドラマとしても中途半端な印象。しかし、独特の「奇妙な味」については、確かになかなかのものではあった。評価が難しい映画だ。チャーリー・シーンの使い方(7年後のハゲた姿とか)は最高だし、こんな映画に堂々と出演したマルコビッチには頭が下がるのだが。
あと、異様に力の入ったオマケ映像(劇中に出てくる、マルコビッチのドキュメンタリー等)は、本編を見た後だとすげえ笑える。
2月27日(水)
夜、千歳烏山の「やど」で飲み会。疲れとストレスと飲みすぎでもうベロンベロン、前後不覚に。2軒目は「ビッグエコー」だったの?よく覚えてないなあ。よく家までたどり着けたものだ。皆様、どうもご迷惑をおかけしました。
2月26日(火)
ビデオでリーガ・エスパニョーラ。レアル・マドリー 3−1 アラベス。時折派手な大勝を織り交ぜつつも、ここのところ冴えないゲームの多いマドリー。この日も前半は動きの鈍いDF陣がチンチンにやられてリードされる展開に。結局、後半途中から投入されたラウールが1得点1PK獲得の大活躍でゲームをものにはしたのだが、しかし「これだけの金かけて選手集めるのなら」もう少し美しいサッカーを見せてくれてもいいと思うのだが。バロン・ドールを3人も揃えてるんだから、ただ優勝するだけじゃもはや元をとれないっしょ。他のチームじゃ絶対にたどり着けない高みに到達するポテンシャルを秘めているチームだけに。
『ラグビーマガジン』4月号見る。「読者が選んだベスト・フィフティーン」と先日発表された日本代表メンバーが非常に近いものになっているのが、興味深い。読者が代表メンバーに引きづられたのか、セレクターがファンの共感度を重視したのか、観客の「目利き度」が上がったのか、それとも「観る者」と「選び、その駒で戦う者」の異なる観点からの選考がたまたま一致したのか。最後のケースだとしたら、何とも幸福なことには違いない。
2月25日(月)
昼間、TVでソルトレイクシティー・オリンピック閉会式をダラダラと見る。かの国では2度と五輪を開催してほしくないと、切に願う。開会式から「U・S・A万歳!」的愛国演出を丸出しにし、競技の方ではアメリカ有利の判定が連発。そして他国の怒りをそっちのけに、無邪気にはしゃぐアメリカ人。昨年9月11日の事件でちったあ懲りるかと思ったら、タリバンとの戦争に勝って調子に乗ったということか、アメリカの独善・無神経はかえってひどくなったようにさえ思える。また近いうちにやられちゃうよ、そんなことじゃ。
一日中家。
午後、ビデオで昨晩のプレミアリーグ、マンチェスター・U×アストン・ビラ。ベッカム不調・ギグス欠場のマンチェスターはサイド攻撃を失い、縦の長いボールを放り込むばかりで退屈なサッカー。相手の覇気に欠けるプレーとファン・ニステルローイの回転シュートに救われて勝つには勝ったが、「強いマンチェスター」のオーラはどこかにけし飛んでしまったようだ。ちょっと煮詰まっている印象もあり、ファーガソン監督の続投決定も手放しでは喜べないのではないだろうか。
夕食後、ビデオでピーター・ジャクソン監督『バッド・テイスト』観る。えー、何と言ったらいいのか、とにかく映画について小難しく考える人やモラルに厳しい人、血を見るのがキライな人は絶対に見ない方がいいな、こりゃ(笑)。ボカンボカンと人間(に化けた宇宙人)の体が次々と砕けていく様は度を越しており、もう笑うしかないのだが、これは80年代スプラッターのある種のパロディなのだろうか?前半部のテンポの悪さや役者の冴えなさはいかにも素人くさいのだが、後半部の銃撃戦や屋敷型宇宙船が離陸するシーンなどはとても自主制作映画とは思えない出来。脚本・演出から特殊効果まで、ほとんどジャクソン一人でやったんだって?オタク趣味と映画愛と友情と家族愛と不屈の魂の結晶としての、血糊内臓映画(笑)。
寝る前にもいっちょプレミアリーグ。リヴァプール 1−1 エバートン。伝統の「マージーサイド・ダービー」。この手の試合にありがちなことであるが前半は両チームの闘志が空回りし、攻守がめまぐるしく変わるもののボールの動きは単調。後半は両チームともサイドを意識的に使っていい形を作り、押し込むリヴァプール、カウンターを狙うエバートンという展開になってぐっと面白くなった。結果は引き分けに終わったが、ゴール前にDFをずらりと並べた相手に対しきちんとサイドチェンジ等で左右に揺さぶって崩しにかかるリヴァプールは、さすが一流チームではあった。
昼すぎから出かけ、まずはampmで『FC東京 FanBook 2002』購入。京王線の中で一気に読む。綴込み付録は、「アマラオお面」(笑)。こんなものを真面目につける奴がこの世に存在するのだろうか。構成は昨年と同様。原監督のインタビュー記事はサポーター・ファン必見だ。今年のテーマである攻撃サッカーを熱心に語りつつ、一方で「今までの良さを残しながら」と繰り返すことも忘れないのが好印象。確かに、ひたむきに立ち向かう「FC東京らしさ」は忘れちゃいかんよね。
15時から、開幕前最後の練習試合を東京スタジアムにて観る。FC東京 3−1 仁川ハレルヤ。開放されたメインスタンド1階部がほとんど埋まっていたのには驚かされた。わずか3ヶ月足らずのオフとはいえ、みんな待ちわびてるんだねえ。
試合中は、実力的に差がある様子だったのでひたすら東京の戦術・選手を観察。キックオフ直後からスタンドの一部がざわついた通り、浅いDFラインで押し上げガンガン攻め込んでいく。今までよりは明らかに、ボール獲得の想定ゾーンが前になっているようだ。良きにつけ悪しきにつけスリリングなサッカーになるのは間違いないだろう。言うなれば、「イケイケサッカー」。勝つための手段として機能するまでには時間がかかるかもしれないが、楽しみだ。
個々の選手では、右SB小林稔がオーバーラップしまくりクロス上げまくりの大活躍。由紀彦はキックが絶不調で、攻撃時の動きにも迷いが見られるような。小林成はゴール前への飛び出しに積極的で、2点をゲット。ジャーンは屈強な体を生かして確かに強いんだが、パスミスがやたら目立った(小峯の方がうまいくらい。慣れのせいかな)。ケリーは抜群のキープ力で攻撃の核だが、とりあえず彼に預けることが常態化してしまうとアウミール化、もしくは「ケリー大作戦」になってしまうので気をつけなければ。福田は判定に怒りつつゴールゲッターの役割に徹し、きっちり1得点。今年はやりそうだ。馬場やチャンも途中出場し、なかなかの動き。馬場はシーズン中にも意外と早く姿が見られるかもしれん。楽しみにしていた茂庭や加地は出場せず。
ハレルヤはハーフタイムに突然選手がスタンドに向かって並んで踊りだしたり(ファンサービスなんだろうけど、その間くらい休んだほうが良いのでは)、PKで1点返した瞬間に選手全員が膝を曲げてお祈りしたり(キリスト教徒らしい)、何とまあユニークなチームだった。試合終了後はメインスタンドに丁寧にお辞儀し、大いに拍手を浴びていた。日韓友好だぜ。
後半には福田がバーに当てたりケリーが1対1を外す場面もあり、できればもう2点くらいはほしかったような気もするが、まあ練習としてはこんなもんでしょ。それより、サポーターのコールもなく「とにかく勝たなければ」という殺気立った雰囲気もない牧歌的なスタンドは最近ではまれな光景で、「たまにはこういうのもいいかな」。
あと、ちょっと気になったのは、周りの家族連れや子供たちが東京のことを「エフシー」と呼んでいたこと。このまま定着してしまうのだろうか。「東京」やろ、「東京」。
夜、赤坂の「村さ来」で飲み会。先に店に入ってイーグサと2人でぐいぐい行ってたら、皆が来る頃にはもうへべれけ。自分でも何言ってるかわかりましぇーん!帰り、酔いをさますために表参道から遠回りし、3kmほど歩いてから帰宅。
夜、渋谷TSUTAYAの前を通りがかると、店内はXbox一色に染まっていた。いかにもクールだったPS2やいかにも玩具的だったゲームキューブに比べると、どぎつい色遣い・デザインやボリュームたっぷりの外形がいかにも「アメリカ的」だなあと思う(中身については、あまりゲームをやらないのでよくわからん)。第一印象は、はっきり言って「気持ち悪い」。しかしそんな僕でもあのWindowsXPのデスクトップデザインにわずか数日で慣れてしまったことを考えると、本当はそんなことはどーでもいいことなのかもしれないが。
サッカーダイジェストのJ1選手名鑑掲載号を購入。東京の選手だけがそろって満面の笑み。一通りめくってみると、今年J1で最も注目すべきチームはやはりヴィッセル神戸であろうと思われる(理由は……見てみればわかる)。あと、横浜と磐田のユニフォーム、あれってサポーターから文句が出ないのだろうか?
夜中、DVDで『アンブレイカブル』。過剰なまでに押さえた演出が良く、なかなか引きつけられた。問題はオチをどう解釈・評価するかだな。ラストから逆算して一言で言ってしまうと、(以下ネタバレのためフォント色変更)小さい頃から体の弱さに悩むマンガおたく(サミュエル・L・ジャクソン)がオウム真理教ばりの自作自演テロを繰り返した末、ついに本物の超人(ブルース・ウィリス)を見つけ彼の能力を引き出す、というストーリーなのだが、果たしてこれは「どんでん返し」もしくは「挫折」の話なのか、それとも「ヒーロー誕生」の話なのか。前者だとすれば「なーんだ」だし、後者とすれば仮面ライダーばりのダーク・ヒーロー物語の序章ということになる。ちょっと困惑。それと、途中でだれる時間帯があるのも辛かったかな。発想は非常に面白いだけに、いくつかの難点の存在がいささか惜しまれるところだ。
夜、DVDでジョン・ウォータース監督『セシル・B ザ・シネマ・ウォーズ』を見る。気違い映画監督(自称)のセシル・Bが洗脳済みのスタッフ=信者を率い、腐りきったハリウッド支配に戦いを挑む!!そこで彼らがやることはといえば、落ち目のハリウッド女優の誘拐・映画出資者(田舎者)のパーティー襲撃・シネコン(ショボい)の破壊・「フォレスト・ガンプ」の続編(笑)の現場乗っ取り等々……って、大したダメージを与えていないような気もしたが、しかしそんなことはどうでもいい!スタッフの腕に彫られたカルト映画監督たちの名と、撮影中の徹底した禁欲(薬・酒はOK。終了した瞬間に乱交に突入)、カンフー映画館やポルノ映画館のファン仲間の助けを得て窮地を挽回、といった彼らの姿勢そのものがメッセージなのだ。これは、紛れもなく政治だ!ラストで一味は壊滅状態に陥り、セシルも炎の中に消える。しかし、撮影済みのフィルムが生き残りメンバーによって運び去られた場面と逮捕されたメラニー・グリフィスの笑顔を見れば、「戦争」に誰が勝利したのかは火を見るより明らかだろう。ディメンティッド・フォーエバー!!
2月20日(水)
『映画秘宝』28号読む。今月から月刊化。ムチャだ。『自殺サークル』は面白そうだけど、記事を読む限りではかなり「痛い」場面があるようなので、映画館まで行く気になるかどうか。そういえば、園子温って昔ショートカットに書いてなかったっけか?あれはどういうつながりだったんだろう。あと、ピーター・ジャクソンの『バッド・テイスト』制作話は現代のおとぎ話のよう。ただし『ロード・オブ・ザ・リング』はあまりにも雄大すぎて、原作を読んでないと敷居が高そうだなあ。
2月19日(火)
『Number』543号読む。今回は「救世主たち」というテーマで、色々なスポーツチームの再建・改革を取り上げている。本来スポーツ総合誌としてのナンバーの持ち味はこうした種目横断的な特集にあるのであって、最近はやけに特定種目(特にサッカー)のみの特集が多かっただけに、これは良い傾向だと思う。藤島大の文の締めは相変わらず素晴らしい。
コラムを1本UP。昔の『Number』の記事を紹介しただけのものだが、上記最新号に平尾プロジェクトのその後も宿沢×川淵対談も載っているし、ちょうどいいかな、と。
夜、ビデオでジョン・ウォータース監督『I LOVE ペッカー』見る。軽快な音楽にのって主人公(エドワード・ファーロング)がボルチモアの街を駆け抜け、ちょっとおかしな友人たちと遭遇するオープニングはテンポも良くてとても楽しい。が、しかし、ひたすらそのままのノリで90分間ラストまで走ってしまうのにはちょっとうんざりさせられた。予定調和のストーリー展開もいささか退屈で、まあ個人的にハッピーエンドは嫌いじゃないから何とか見られるかな。
2月17日(日)
昼飯は昨日に続いて自家製カレーライス。ご飯にのせる目玉焼きは、佐藤君のアドバイスにしたがってたっぷり蒸らしたら上手にできました。
午後、Jスカイスポーツで6ヶ国対抗ラグビー。イングランド 45−11 アイルランド。イングランドがボールキープ力の違い(すなわちFWの走力・腕力・巧さの違い)を見せつけ、前半だけで30得点。これはワンサイドゲームになるかと思いきや、攻め疲れが出たのか後半はアイルランドが意地の反撃。しかしチャンスでのミスが相次ぎ、結局1トライを返しただけでノーサイド。両チームともにハンドリング・エラーが多く、何だかすっきりしない試合。SOウィルキンソンの存在感は確かに凄いが、だからといってイングランドが来年の夏まで磐石かというとどうもそうではなさそうだ。
フェブラリーS(G1)は、ウイングアローからワイドで流して討ち死に。「この人気のなさは何事だ」と喜んで買ったのだが、やっぱり体調が良くなかったんだろうか。つーか、馬連で軸にする自信のない場合はワイドにしてもたいていは駄目、ということだな。優勝したアグネスデジタルや3位のノボトゥルー・4位のトゥザヴィクトリーは持ち味を十分出したレースで着順は順当だと思うが、2位のトーシンブリザードが予想外に(「どうせ大井限定だろう」と馬鹿にしてた)強かったので驚いた。
夜、GAORAでフィテッセ×フェイエノールトを前半だけ。小野がここ数試合より前目で活発に動き回り、チャンスを演出。26分には左足でミドルを決めて先制点をゲットした。いやー、やった!フェイエノールトは強い選手も速い選手も巧い選手もよく練られた戦術もそろっているのだけれど、ファンタジーがちと足りないんだよなあ、伸二を除いて。だから彼が前でボールに絡むのは大正解!……などとはしゃいでいたら、あとでニュースを見たら結果は逆転負けでした(笑)。
寝る前にちょっとだけセリエAパルマ×トリノを。後半途中から中田が出てきたのだが、ボールを持っていないときの動きがいまいちで、信頼感も不足しているのかなかなかパスをもらえない。で、たまにパスを受けると力んでミスしちゃったり。試合もセットプレーから終了間際に失点して負け。もう最悪、ですな。
ビデオで『ビヨンド・ザ・マット』見る。「あ、プロレスのことよくわかってんじゃん、コイツ」という感じのナレーションで始まるこの映画は、アメリカンプロレスラーたちの素顔を追ったドキュメント。引退の迫る英雄、消えたスター、華やかなリングを夢見る若者、実は家族思いの「乱暴者」といった様々なレスラーたちの織り成す人間模様を複合的に組み合わせた構成が素晴らしい。やっぱレスラーってのは、ガチンコであろうとなかろうと闘っていることには違いないんだよな。そこを無視してプロレスを語ることは許されまい。
「ソルトレイク五輪、フィギュアスケートの採点で不正」だとか。ありそうなことではある。そもそもフィギュアの場合体操等よりも主観による評価の占める割合が大きい(「表現点」とか)し、制度的にも「完全に公正な」採点がなされることを期待するのは無理だろう。個人的にはそういう競技をスポーツと呼んでいいのかどうか、それさえも疑問に思うのだが、どうだろう。
夜、またまたつぼ八で飲み会。まあ、何でもいいんですけどね。
帰宅してしばらくコタツで寝てから、早朝にJスカイでリーガ・エスパニョーラ。アスレチック・ビルバオ 2−1 レアル・マドリー。前節超大勝のマドリーはその反動が出たか、前半ビルバオの早め早めの防御に自分たちのサッカーが全くできず、2失点。後半は反撃に出たものの、あと一本がどうしても決まらずに首位から転落した。今のマドリーはホームでは無敵だが、アウェイではとたんに勝ちみが遅くなる。かつてない「ドリームチーム」なんだからいつでもどこでも強さを発揮してほしいところだが…点取り屋が足りないかな。
その後ソルトレイク五輪スピードスケート男子500m。高速リンクだから500m得意の選手が有利(後半スピードが落ちない)かなと思っていたら、ぜんぜんそんなことはなかったみたい。清水が出ていてもおそらく駄目だっただろう。