1月15日(火)

 新宿で新年会。友人の意外な発表に驚く。まあ、それはいい判断だと思うよ。

 

 帰ってからビデオで鈴木清順監督『殺しの烙印』。殺し屋ナンバー1問題。生き残りを賭けた、プロフェッショナル同士の死闘。主人公は飯の炊ける匂いが大好きな変態(笑)。かっこいいんだか悪いんだかよくわからない映画だった。「そして誰もいなくなった」ラストはスッキリしていいと思うけど。


1月14日(月)

 「ブッシュ大統領失神」のニュース。「アメフトの試合を見ていてスナック菓子をのどにつまらせた」って、あんた、サザエさんか(笑)。んがんぐ。そのステレオタイプなお馬鹿ぶりがあまりにもブッシュらしく、思わず大笑いしてしまった。この事件を日本に置き換えると、「小泉純一郎が正月の餅をのどにつまらせて入院」とかなるのか。やっぱマヌケだ(笑)。

 

 夜、ビデオでスペインリーグ。レアル・マドリード 1−0 バレンシア。リーガの優勝争いを繰り広げる両チームらしく、観る者に息をつかせぬ激しいプレイの応酬。特に両ゴールキーパーは、神がかりというか、何かが取り憑いているとしか思えぬスパーセーブを連発。しまいにゃペナルティエリア内で勢い余ったモリエンテスとマケレレが味方同士でクラッシュ!倒れたモリエンテスが口から赤黒い血を吐き出すのが放送されてしまい、さらにその際バレンシア側がボールを出さなかったことを巡って両軍が大乱闘を繰り広げるという、高度なスーパープレイとキワモノ的映像が共に見られる一挙両得の試合であった。

 試合前にスタンドで無邪気にビデオカメラを除く日本人の姿が映し出され、それがどう見てもカズなんだけど、現地のアナウンサーは全然気づかず単に「はるばる日本からもお客さんが来てます」という紹介をしていたのがウケた。


1月13日(日)

 午後、Jスカイスポーツでラグビー全国社会人大会決勝神戸製鋼×サントリー。サントリーが神鋼戦初勝利で、ついに全国大会を制した(前の時は同点優勝だったから、実質的な初優勝)。神鋼が開始早々ラッシュして2トライを奪ったときには「さすが!」と唸らされ、その後も神鋼ペースで試合が進んでいったのだが、前半ロスタイムのトライ(WTB栗原)が何といっても大きかった。あれでサントリーは一気に勢いに乗った。後半はサントリーが一方的に圧力をかける展開で、神鋼もよく耐えていたがミラーのシン・ビン(一時退場)+CTB吉田の脳震盪退場を境にプッツン。最後は31−50までスコアが開いた。MVPを選ぶとすれば、攻守ともに抜群の強さと速さを見せたNO8斉藤だろう。サントリーは選手もまだ若く、戦術的にも(特に守備は)まだまだ熟成の余地がありそう。一方神鋼はメンバーの高齢化と大畑の伸び悩み(もっとプレーの幅を広げてほしい)が目立ってきてジリ貧の印象。「サントリー王朝」がやってくるのか。

 で、日本選手権1回戦の組み合わせは関東学院×クボタと早稲田×トヨタ。学生側にも多少は勝機があると思われかつ両方とも関東のチームである前者の試合が花園で行われるとは、一体どういうことなんだ。

 

 夜中、スカパーでプレミアリーグ2試合。サウサンプトン×マンチェスター・Uは、先制されながらもニステルローイ・ベッカム・スールシャールと、とるべき人が得点したマンチェスターが危なげなく勝利。怪我から復帰したギグスをどこに入れたらいいかで監督が迷うというのも贅沢極まりない話だ。アーセナル×リヴァプールはアーセナルが素晴らしいサッカーを展開…したものの今一歩詰めが甘く、一発カウンターで追いつかれて引き分け。不調の続くリヴァプールは病気療養中の監督が復帰しないと修正が効かない感じ。何だか、「終わってみればやっぱりマンチェスター」となりそうな雰囲気になってきた。

 それにしてもカメラワークの関係もあるのか、とにかくプレミアリーグはボールの動くのが速いこと速いこと、見ていて目が疲れてくるよ。


1月12日(土)

 昼から、国立競技場でラグビー大学選手権決勝関東学院大学×早稲田大学。戦前は関東学院優位と言われていたこの試合、覚醒した早稲田の健闘によってもつれにもつれた。延々とタイトなディフェンス合戦が続き、プレッシャーから両チームにミスも続出。それでも、集中した選手たちの熱気と勝ちたい気持ちがスタンドまでビシビシ伝わってきて、全く飽きることはなかった。結果は、1トライ差で関東学院の勝ち。混沌を極める「団子ラック」からたまたま勝利のボールがこぼれた側が関東学院、という感じの試合であった。試合後、号泣する関東SH春口翼(春口監督の息子)の姿にはじーんときたね。

 試合の内容以外の部分で印象に残ったのは、前半関東学院がPGで着々と加点するのにしびれをきらした早稲田ファンからブーイングが聞こえ、さらに「外せ!!」コールが起こりかけたのに、スタンドの別のところから「やめろやめろ!」とそれを制する声が聞こえたこと。あれがなくなったら、ラグビーも終わりなんじゃないかな。良かった。

 観戦記は、こちらに

 

 夕方、渋東シネタワーで『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』。『ガメラ3』の焼き直しをゴジラでやってみました、ってな映画でしたな。ゴジラがガメラの軍門に下った、というか、東宝は特撮映画会社としての魂を売り渡していいのか。

 この映画は「ゴジラは太平洋戦争の戦死者の残留思念」で「バラゴン・モスラ・キングギドラはやまとの国を守る護国聖獣」という、過去のゴジラ映画とは全く違った切り口で勝負している。それはそれで構わないと思うのだが、それならば「50年前の初代ゴジラの来襲は歴史的事実」という設定は採用するべきではなかったし、もっと人間の対応の無力さを強調するべきではなかったか。「太平洋で散った者たちの怨念が〜」なんていう予言者的ジジイの言葉と、「原爆の申し子」としてのゴジラの描写(清水市を焼き払った時に立ち上るキノコ雲とか、残留放射能が危惧されることとか)がちぐはぐな印象を与えてしまっているし、精神的存在ならば防衛軍が体内からミサイル打ち込むくらいで死んじゃおかしいんでないかい?

 あと、せっかくゴジラ以外の怪獣を3匹も出しているのに、彼らが物語の中で充分生かされていないのも残念。小さい体で健気に戦うバラゴンはあっという間にやられちゃうし(しかも映画のタイトルにすら載っていない。不憫だ(笑))、モスラも見せ場はギドラの盾になって放射能火炎を受けるところくらいだし、ギドラは「千年竜王」とかたいそうな名前をつけられて何回も覚醒する割に激弱だし。90分の映画に収めるのに無理があったか?つーか、あそこまで行ったなら相撃ちでもいいからギドラがゴジラを倒さなければいかんだろう。突然一部の人にしかわからない話を持ち出して悪いが、子供の頃「キン肉マン」(笑)を読んでいて一番燃えたのは、バッファローマンがキン肉マンを串刺しにしようと右の角を突き立てた時、実はその角は前の戦いでウォーズマンに折られていてキン肉マン命拾い、というシーンだった。前の戦いで散った味方の奮闘が主人公の命を救った、というエピソード。その手の、「いい奴の犠牲がちゃんと最終的な解決の伏線になっている」物語だったら、3怪獣を出した意味もあったのだろうが……ゴジラは宇崎隊長の特攻なんかでやられちゃうんだもんなあ。最後に敬礼されるくらいじゃあ彼らは報われないだろうよー。

 まあ僕が愛してやまない『ガメラ3』もチグハグな映画ではあったけれど、ガメラのキャラクターがしっかりしていたのと、あの燃える(画面も、見ている側の心も)ラストで全てが許されたのであった。今回は登場人物に魅力もなく(新山千春演じる馬鹿レポーターなんて、ゴジラに焼き殺されてしまえ!と思ったぞ)、かわいいバラゴン・殺されそうになった犬を助けたモスラが全然活躍しないことで感情移入も拒否された。結局、金子修介のひとりよがり映画じゃないか、これ。どうせゴジラでやるなら、伝奇モノの『ガメラ3』じゃなくて戦争シミュレーションの『ガメラ2』ならよかったのに。

 あえていいところを挙げるとすれば、クライマックス、掘削ミサイル攻撃で体に穴のあいたゴジラが放射能火炎を吐こうとするのだが穴から火が全部漏れてしまうというギャグとかかな(笑)。

 

 夜、赤坂の「つぼ八」で飲み会。映画のことを愚痴ろうとしたが、うまく話を切り出せなかった。というか、ゴジラの話なんぞ真面目に聞いてくれそうな人はあまりいない。くそー。


1月11日(金)

 風邪気味なのをおして仕事に集中していたら、昼間の記憶の一部が欠落している。その間何があったのか、とても不安だ。


1月10日(木)

 町山智浩著『アメリカ横断TVガイド』(洋泉社)読了。確かに日本のTVなんて、おバカ度一つとってもまだまだではあるのだろう。早く「100チャンネル当たり前!」の時代が来ないものだろうかねえ。

 夜、ビデオで『CURE』再見。ようやくラストシーンの(ファミレス店員の動きの)意味が理解できた。


1月9日(水)

 夜、千歳烏山駅前の焼鳥屋「亀屋」で一杯ひっかける。馬刺を注文したら、「競馬やる人なのに?」とか「日頃の恨みを晴らす気か」(笑)とか色々と言われる。僕は確かに競馬もやるけれど、馬肉を食うのはまた話が別だと思っている。が、気にする人もけっこういるのだろうか。むしろ最近は「食べなきゃ失礼」くらいにさえ思うようになったのだが。


1月8日(火)

 『中央公論』1月号。山形浩生、P・クルーグマン、神野直彦、高橋伸彰あたりを熱心に読む。小泉改革に対する批判の具体論はここら辺にほとんど詰まっているからいいとして、僕は一言だけ小泉政権にフィーバー(笑)する人々に言いたいね。「みんな、ホントにそれでいいの?」。彼らは、自分たちがいくつかの道の中から一つを「選択」をしているのだとちゃんと自覚しているのだろうか(多分していないのだろう、これまでも日本人の多くが一貫してそうであったように)?後になって失望して、自分たちのミーハーぶりを棚に上げつつ「やっぱり誰がやっても同じなんだよな」などと言うようなのは許されんぞ。考え直すなら、今のうちだぜ。

 あと、チョン・モンジュン(韓国サッカー協会会長)のインタビューは当然無視

 

 ついに出た新型iMAC。機能的には素晴らしいものがありそうだが、デザインははっきり言ってダサい(特に、大福のような本体部分が)。


1月7日(月)

 高校ラグビーの決勝、ビデオ取り忘れたと思ったら、夜にJスカイスポーツで再放送をやっていた(しかも、TBSより上質の実況と解説で)。さすがはスカパー、頼りになるわな。

 で、結果は啓光学院 50−17 東福岡。序盤こそ東福岡が粘り強く辛抱していたが、前半半ばあたりから啓光の統制のとれた動きが目立つようになり、一気にトライの山を築いてハーフタイムまでに33−0。早くも勝負はついてしまった。個々の能力はそれほど違わなかったと思うのだが、パスによる展開の速さ・ポイントでのフォローの早さと勢いで啓光が上回り、一度ボールが大きく動き出すともう東福岡はついて行けなかった。チームとしての力の差を見せつけた印象であり、文句なしのチャンピオンと言えるだろう。おめでとう。

 テレビで見ていると、東福岡側のスタンドに村田亙・月田の日本代表SHコンビが顔を揃え、やたら豪華だったのが面白かった。「スクラムハーフ生産工場」だとか。

 

 ビデオでリーガエスパニョーラ首位攻防戦。レアル・マドリー 3−1 デポルティーボ・ラコルーニャ。デポルGKモリーナの奮闘も空しく、レアルが危なげなく勝って首位奪取。レアルはダブルボランチシステムに戻してから完全に軌道に乗った感じ。ジダンもすっかりフィット。創造性あふれる攻撃を毎度毎度見られて、遠い国のファンとしてこんな幸せなことはないわな。でも、そういえば、レアルの主力メンバーのいるスペイン・ブラジル・ポルトガル・フランスって全部W杯では韓国会場じゃん!やっぱ日本はハメられたんでないかい?


1月6日(日)

 昼飯を東急文化会館の寿司屋でとる。中国系らしき店員があまりに無愛想で、思わず笑いそうになる。

 秩父宮でラグビー全国社会人大会準決勝サントリー×クボタ。何つーか、もうレベルが完全に違った感じ。見た目クボタのFWの体のでかさが目立つのだけれど、そんなのもう全然関係なし。運動量、ユニットの連携度、プレーの精度、ムーヴの多彩さ、判断力、全てサントリーが上回った。FW・バックスの混じったオープン攻撃からラックを作りすぐにFWがオーバーして継続、というパターンは昨年と同様だが、きちんと攻撃を「組み立てて」相手の弱点に強い選手をぶつけているところが進化点か。結果、栗原・小野澤・斉藤らが抜けまくり、104−12の快勝。あまりの力の差にクボタが可哀想に思えるほどだが、彼らは来年に向け、この大敗を教訓としてどう生かしてくるのだろう。

 帰ってからビデオでもう一つの準決勝を観る。神戸製鋼 34−33 トヨタ。トヨタが下馬評を覆す大健闘。個々のディフェンダーがひたすら強いタックルを繰り返し、神鋼に思うような展開をさせなかった。あとは後半ロスタイムに広瀬が難しい角度のPGを決めて逆転した時、キックオフから落ち着いてマイボールをキープできていれば…。だけど、そこですかさずラッシュしてペナルティをとってしまうところが神鋼の勝負強さなんだよね。ミラーのPGで逆転サヨナラ勝ち。マスメディアでは最後の劇的さばかりが強調されるかもしれないが、しかし全体的に引き締まったいいゲームだったと思う。

 夕飯を食いながら、NHKハイビジョンで大河ドラマ『利家とまつ』第1回を見る。出演が唐沢とか反町とか竹ノ内とか松嶋とか、何か民放の若者受け路線狙いすぎじゃないっすか、NHKさん(ちょっと2〜3年ズレているような気もするが)?あと、俺なら松嶋よりのりピーとるよな、ってそんな問題じゃないか。

 日本ラグビー狂会編・著『ラグビー構造改革』(双葉社)読了。マイナースポーツであるラグビーへの愛情というただそれだけに支えられ、頑張っている記者・ライターらの本である。本文中にジャパンや学生の選手について「健気」「真面目」「律儀」という言葉がやたら出てくるが、それらの形容詞はこの本を作っている人々にも当てはまるのではないだろうか。日本代表については、さすがに追いかけてる人々にも焦りの色が濃くなってきている感じではある(僕はもう少し長い目で見てあげたいのだけれど)。あと、代表関係への応援・批判が中心になりつつも、それだけにとどまらず多様なテーマを扱っているのも「狂会本」のいいところ。カメルーンのラグビー事情とか、他では絶対に読めないもんね。我らが水原恵理アナも女子ラグビーについて書いてます。中竹竜二には、いっそ一冊本を書いてほしいと思う。


1月5日(土)

 午前中、NHK−BSでNBAワシントン・ウィザーズ×シカゴ・ブルズ。前半は通算3万得点をあげるなどジョーダンが古巣相手に大活躍で、ウィザーズ大幅リード。しかし第4クォーターに入るとDFを立て直したブルズが盛り返す。ジョーダンもきついマンマークに苦しみ、フィールドゴールを7本連続で外す「らしくない」プレーが続く。30点近くあった差は見る見るうちに5点まで縮まり、そして残り20秒でブルズはジョーダンのシュートをブロック、逆襲で射程圏内にとらえるシュートが決まる……かに思えたその時、信じられない光景が。ブルズのアタッカーが何の障害もなくゴール板下でボールを放り投げた瞬間、テレビ画面の外から弾丸の様な勢いでジョーダンが飛び込んできたのだ。彼はシューターの手を離れたボールを空中で両手キャッチ、そのままであればコートの外にすっ飛ぶところ、持っているボールをゴール板にぶつけて体にブレーキをかけ、見事なボディバランスで着地してボール確保に成功した。シュートブロックならぬシュートキャッチ。こんな場面、プロバスケで見たことがない。今年最初の、「この世のものとは思えない」光景だった。神様は、人にはできないことをするから神様なんだ。

 午後は部屋の掃除をしながらTBSで高校ラグビー。

 

 第1試合は啓光学園 27−24 大阪工大高。息詰まるシーソーゲーム、素晴らしい熱戦。両校のDFの集中力が切れない中、試合を決めたのは啓光WTB小笠原のライン際でとことん勝負に出る姿勢だった。試合後、涙を流しながら抱き合う両フィフティーンの姿は、ラグビーの価値をそのまま体現していたように思う。

 第2試合は東福岡 44−24 仙台育英。仙台育英は小気味のよい攻撃が売り物で、平均体重で7kg劣るFWが堅いパックでモールを押しこんでトライをとるなど魅力的なラグビー。しかし、大事なところで取りきれず、バックスが単独で防御ラインに突っ込んでボールをとられるなど判断の悪い場面もあり、自分たちの長所を徹底しきれなかったように見えた。東福岡は、強力な個人の力によって決勝で啓光学園の強力DFを破れるかどうか。

 

 夜、赤坂の「村さ来」で第1回新年会。米倉涼子ってそんなにいいか?、とか。

 その後、酔っぱらって夜中にのっぽさんを家に呼び出し、一緒にビールを飲んでいるうちに自分が寝てしまう大粗相。いったいこれで何回目になるだろう(笑)。


1月4日(金)

 経済危機で政権交代が相次ぐなど混乱の続くアルゼンチンで、ついにリラ建て国債がデフォルト(債務不履行)に陥った。アルゼンチンと言えば南米の中では比較的裕福なイメージがあったし、時たま訪れる金融危機もリラをドルと1対1で固定する独自の通貨制度で乗り切ってきたのだが、とうとう一国の政府が借金を踏み倒す事態になりそうな気配だ。日本への影響は限定的なものになりそうではあるが、しかし他人事と笑ってばかりもいられない。日本政府の債務残高もウン百億円に上ることを考えれば、「明日は我が身」であることは間違いない。


1月3日(木)

 午後、NHKでアメリカンフットボール日本選手権ライスボウル。前半のパントフェイク成功をきっかけに勢いに乗った関西学院大がアサヒ飲料を下し、6年ぶりに学生勝利の快挙。格下チームが金星を得るには@ひたすら守ってロースコアゲームに持ち込む(サッカーで言えば1−0、とか)A立ち上がりに奇策などでガツンと点差をつけて逃げ切るB相手エースの故障など幸運を待つ、といったパターンがあるが、見事Aがはまった格好になった。ラグビーほどには学生と社会人の間に差がなく、若いだけに一旦調子づくと手がつけられない。特にQBの尾崎は素晴らしかった。非常に前がよく見えており、冷静沈着、パスは正確、ランのコースどりも的確。MVPは至極当然だと思う。アサヒ飲料の方は戦力的に上回りながら、前半逆転されたところでファンブル・キャッチミスがいくつも出て自滅してしまった。慌てずやれば何の問題もなく勝ったと思うのだが、もう時計の針は戻せない。

 夕方の新幹線に乗り、東京へ。日本ラグビー狂会の本を読んだり爆睡したり。途中で窓から見えた名古屋は、雪で真っ白だった。


1月2日(水)

 午前中は箱根駅伝往路を見る。学生ナンバーワンランナーとの声もあった法政の徳本が故障・棄権していたが、ああいう優れた選手に限って故障・体調不良などで大ブレーキになることが多いものだ。一般車よりF1マシンの方が壊れやすいのと同じなんだろうか。

 

 午後はラグビー大学選手権準決勝2試合。

 第1試合の早稲田×慶応は、36−7で早稲田が再び完勝。立ち上がりから圧倒された早慶戦の反省からか、序盤は非常にディフェンシブに耐え続けた慶応だったが、前半半ばからミスが続出。タックルも甘く、復帰したCTB山下らにまたしてもゲインラインを破られ続けて失点を重ねた。プレーの精度やら集中力やらでここまで差がつくと、もう修正とかそういう問題ではなく、慶応は自らの実力不足を率直に認めなければなるまい。対する早稲田は怪我人が徐々に戻ってきて、決勝も自分たちの良さを出すことに専心すれば面白くなりそうだ。

 第2試合の関東学院×法政も序盤はライバル同士の意地がぶつかって拮抗していたが、法政がペナルティを連発(ゲーム全体で実に30!)、次第に流れは関東側に傾いていった。後半になると関東学院のバックス展開力が炸裂して3トライ、38−23で4年連続決勝進出を決めた。関東学院はSO今村の復帰が大きい。今村自身のコンディションはイマイチな様子だったが、「前の見える」彼が入って的確に球をさばくことでライン全体の安定感・破壊力がまるで違ってくるのだ。また、両チームで最も差があったのは、やはり修正力だった。キックオフ直後は同じようなペースで反則をしていたのだが、関東学院側はレフェリングの特徴にうまく対応してPGでの失点を減らし、一方の法政は最後まで同じ反則を繰り返し続けた。簡単に言うと、関東学院の方が頭を使い、かつ場数を踏んだ「大人のチーム」だったということか。

 

 夕方、新年の買い物に出かける。バカでかい駐車場付のショッピングセンターはあるわ家族連れの買い物はもの凄いわで、まるでアメリカみたいだよな、田舎ってのは。

 帰ってから夕飯に鯛茶漬け。何杯でも行ける。

 夜中、テレビでとんねるず(とその他芸能人)がトップアスリートと対決する番組をやっていた。なかなか面白かったのだが、やはり最後のソープとの水泳対決、石橋がわざとフィンなしで泳いで逆転されたのはいただけなかったな。変則だろうと何だろうと決まったルールがあるからには、その上で全力を出して戦わないとせっかく超人的パフォーマンスを見せてくれている相手に失礼だよな。ソープ、ムッとしとったぞ。


1月1日(火)

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお付き合いください。

 今日は朝から新年会である。田舎に帰ると、つくづく「日本の正月」なんである。 おせち料理にはさらさら興味がないので、豚の角煮や牡蠣の炭火焼をつまみつつひたすらビール。

 午後、サッカー天皇杯決勝清水エスパルス×セレッソ大阪。開始からセレッソ攻勢 (しかしシュート決まらず)→三都主の個人技で清水先制→清水攻勢→後半中頃、清水「ダメ押し」的追加点→追い詰められたセレッソ猛反撃→森島の個人技など立て続けの2得点で同点→終了間際、一方的セレッソペース(しかしシュート決まらず)→ 延長に入って清水、鮮やかなカウンター一発でVゴール、というまさに「シーソーゲーム」。実に見ごたえのある試合だったが、最後はチャンスを確実に生かす力、というかshot on goalの確率の差が出た。清水は今まで勝ってないのが不思議なく らいの実力を持っているのだから、まあ納得できる結果でしょ。

 

 夜、テレビ山口で『スポーツマンNO1決定戦』を見る。けっこう好きなんである、この番組。トップアスリートたちが自分の専 門種目ではないにも関わらず、「目の前のハードルは越えずにいられない」「より速く 走りたい」「ライバルは必ず倒す」という競技者根性に火をつけられ真剣に取り組む姿を見られて嬉しい、というのが理由の一つ。あと、多様な種目の選手、それも莫大な年俸を稼ぐ大リーガーやプロ野球選手と、収入的には平均的サラリーマンと変わりないラグビー選手(大畑)や世間的に無名なアメフト選手(河口)が全く同じ土俵で戦えると いうのが嬉しいじゃないか。もちろん、あの素晴らしい運動能力と筋肉を見せられたら、ケインだって全然オーケー。これからも続けていって欲しい数少ない番組だね。

 ちなみに今回の優勝はハンマー投げの室伏。もう何年も前から、「本気でこの番組に取り組んだら、どう考えても室伏が優勝だろ」と思っていた。案の定、信じられな いパフォーマンスを連発。十種競技に出ても日本一にはなれるんじゃないかなあ。来年は、今回なぜかフルエントリーしなかった大畑とのガチンコ勝負が見たい。彼ら2人とケインの中で、採用種目次第で優勝者が変わってくるのかな。


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