9月14日(金)
自民党の山崎幹事長が「アメリカ支援のために憲法を改正すべき」とか何とか言ったとか。まあこの機に乗じて憲法改正だの軍備強化だのを主張する輩が保守系政治家の中から出てくるだろうとは思ったが、いきなり自民党のナンバー2がそれを打ち出したもんだからちょっと驚いた。僕にしても金科玉条のごとく憲法9条を崇め奉る護憲主義や紛争に対する臆病な不介入主義にはうんざりすることもあるのだが、それにしても山崎の発言はあまりにも性急というか、どさくさ紛れな感じが否めない。今の日本にだって、もっと色々と「やれること」が存在するはずで、それをやりきってから憲法問題に切り込んで行くべきだろう。例えば、一昨日の日記でも触れたことだが、今回の事件がテロリズムであることが確実になった時点ですぐに小泉首相が記者会見を開き、世界に対して反テロリズムを呼びかけることはできなかったのだろうか(そうすれば、夜が明けていきなり「報復支持」とかいうところまでジャンプすることもなかったかも)?また、復旧救出・治安維持にやっきで余裕のないアメリカの外交活動を補完し、さらにはできるだけ多くの国を反テロの大義名分に「乗せる」ために東アジア・環太平洋の国々と緊密な連絡をとり、彼らの立場を早急に確定させるとかいったこともやるべきではあるまいか(田中外相らにしても、結局アメリカの方角に直接注目するばかりで視野の狭さを露呈してるし)。国際貢献にある種のパワーが必要なことは確かだが、そもそも現代の世界政治においてはパワーそのものの構成において軍事力や物量に限られない「ソフト・パワー」の割合が増大していると考えられているのであって、山崎幹事長の発言はいかにも突飛な、もっと言えば時代錯誤なものにさえ感じられてしまうのだ。ハード・パワーとは、あくまで平時から用意しておくべき「最後の手段」ですぜ。
9月13日(木)
黒沢清著『回路』(徳間書店)読了。同題映画のノベライゼーションだが、様々なメディアの特徴を熟知している黒沢監督らしく映画とはかなり肌触りの異なる(あるいは補完的な)作品に仕上がっている。映画では大胆な省略を交えつつ「見ればわかる」恐怖表現が軸となっているが、小説版では尋常ならざる量の心理描写と丁寧なストーリーテリングが目立つ。その結果、映画では薄暗く恐ろしい場面が続いた後「気がつけば」世界が終わっていた、といった印象を受けるのに対し、小説ではよりきめ細かい異変描写により「刻々と」世界が終わり行く不気味さ・悲しさがじわじわと届いてくる。どちらにしても、最後に残るのが「感動」であることには違いないけれども。映画版の端的でインパクトの強いテーマ表出と小説版の物語性の強さはどちらも魅力的ではあるが、ラストシーンだけを比べれば、よりはっきりと希望と勇気の尊さを打ち出した小説の方が好みではあるな。
9月12日(水)
昨日興奮しすぎたためか、午前中は体調を崩して寝込む。
横になっていると、つけっぱなしのテレビから声明文を読み上げる小泉首相の声が聞こえてきた。昨日、確か発生後2時間あまりの時点でイギリスのブレア首相は演説し、犯人を「生命の尊さを知らぬ狂信者」として「全人類の敵」「みんなで戦おう」と呼びかけていた。フランスのシラク大統領もほぼ同じ行動をとった。もちろんブッシュ大統領も危険な状況下、人々に呼びかける演説(彼の場合ちょっとその内容・迫力で劣るのだが)を行った。しかるに、我らが小泉純一郎は今朝までいったい何をしていたのか?もちろん、首相官邸で対策を講じていたのは知っている。でも、仮にも日本の同盟国でかつ自由主義諸国のトップランナーたるアメリカが、陰惨かつ卑劣なテロ攻撃を受けたのだ。一国のリーダーとして、まずは人々の前に姿を現してその態度(すなわち国としての意志)をはっきりさせるべきだろう。小泉や田中外相本人も、彼らを賛美する人々も、何のために首相だの外務大臣だのという存在があるのか、今一度考えてみてはどうだろうか。ちゃんと仕事しろよ、仕事。
9月11日(火)
日本にも狂牛病か…。大学時代に「プリオン」の話を聞いて心底恐ろしい病気と思いながらも、「まあ人ごとだよな」などと思いこもうとしていたのを思い出す。感染ルートは全く分からない?潜伏期間2〜8年?それでいて「全国的な感染調査の予定はない」って、農水省諸君、そんなにパニックが怖いかね。そういう態度だと、逆にみんな牛食わなくなっちまうぞ。
ビデオでリーガ・エスパニョーラFCバルセロナ×ラージョ。リバウドを欠き、オーフェルマウスも不在、さらにはグアルディオラもいないとあってはさすがのバルサも選手が小粒。先制されても攻撃の迫力に欠け、1点とって引き分けに持ち込むのがやっと。一番面白かったのは、バルサの選手がミスしたりチャンスを逃したりするたびにスタンドのバルサ会長の顔が映されたこと。ポーズ・リアクションにいちいち気を使ってるのがわかって笑えた。
先日の仙台×大分での恩氏主審御乱行事件について川淵「ファシスト」チェアマンは「審判の技術ではなく、そういう下でやっているということを監督や選手は認識し、(判定に)忠実にやらないとファンの減少につながる」との訳のわからんコメント。ふーん、どんなに審判が下手でも監督・選手は我慢せいと。でも、監督・選手と同じくらいかそれ以上に審判の下手さにイラついているのは誰あろう観客なんですけどね。仮に明白な誤審があったとして、それに対して監督・選手が全く抗議も何もせず「仕方がないな」などと流してしまったらファンとしてはやりきれないし、応援する気なんてなくすでしょ。何度も言っていることだが、審判問題ではまず「誤審というものはある」という前提から出発し、その上で行きすぎた抗議で試合の進行を妨げれば警告なり退場なり処分なりを下せばよい。審判が「自らの目で見たジャッジを信じ、それを選手たちに徹底させる」ことと「事後も含めて誤審の存在を否定する」こと、「コミニュケーションを図る選手をとりつくしまもなくはねつける」ことと「試合をコントロールする」ことはそれぞれ違うことなのだ。それを理解せずにまず「神聖不可侵な審判」ありき、ではお話にならない。
夕方、台風一過の東の空に虹がかかっていた。
で、夜、この日記も書き終わった頃、テレビの音を小さくしてチャンネルを『ニュースステーション』に合わせ、寝っ転がって本を読んでいた。妙にうわずりつっかえがちな渡辺真理の声がかすかに聞こえて異変に気づき、顔を上げて画面を見ると、煙を上げている世界貿易センタービルのライブ映像が。不自然な燃え方に「テロか?」と思い見ていると、「民間機が衝突」との情報。「ああ、事故なのか。それにしても凄いところに落ちたものだ」と再び本に目を落としかけたところで2機目が衝突する映像が流れ、驚いた。続いて煙を上げるペンタゴンの映像まで。「これは、紛れもない、テロだ。それも、自爆テロ。だとするとイスラム・ゲリラか」などと考えながら慄然とし、一方で怒りと興奮が沸き上がってくるのを感じた。その後はもう、テレビに釘付け。日本のテレビ局(特にTBS)は役に立たないので、NHKBSでABCを中心にチェックする。ハイジャックされた4機目が墜落、貿易センタービルは2棟とも崩落し、さらに「全部でハイジャック機は11機」「キャンプデービットにも突入」「国務省・連邦議会周辺でも爆発」などの誤報まで入り、夜中の2時過ぎにようやく落ち着く(新しい情報がほとんど入らなくなる)までまじろぎもせずに見てしまった。
今回の事件が第三世界発のテロリズムであるという仮定で考えると、まあアメリカが押し進めるグローバリズム(その象徴が世界貿易センタービルだろう)への反発は相当なものであろうし、ブッシュ政権になってから特に顕在化している利己主義的(外交)政策がこの事態を招いたのではないかという気もする。が、しかし、それが乗っ取った旅客機による民間商用施設への体当たり攻撃という卑劣極まりない蛮行を正当化する根拠にならないのは言うまでもない。ハイジャックにより密室状態のまま死を待ち受けることしかできなかった旅客機の乗客たち、何も知らず通勤して火に焼かれあるいは破片で切り刻まれた金融街の人々、そして怪我人を救うべくビルの中に突入して押しつぶされた救急隊や警官たち。彼らのどこに、その命を奪われるべき落ち度があったというのだろうか?罪のない多くの人々を犠牲にしてまで実現すべき目的とか大義とか理屈とかってのに一体どんな価値があるというのだろうか?僕は、この行為を絶対に許さない。どこの誰がやったのかはまだ分からない。もしかしたら分からないまま終わるのかもしれない。だが、どんな神が、どこの誰が許そうとも、この僕は絶対に犯人とその支持者たちを許すことはないだろう。
9月10日(月)
土砂崩れ・洪水の危険などでシャレにならない状況もあるのは承知ではあるが、しかしそれほど被害を心配せずにすむ人間にとって、「台風接近」というのはワクワクする出来事であるのも事実だ。などと思いながら台風情報をニュースで見ていたら、相米慎二監督死去のニュースが流れた。
夜、夕飯を食いながらペルー小池応援のためスカパーでJ2川崎×水戸。激しい雨がふりつけるひどいコンディションの中ほとんどサッカーらしいサッカーは見られず、さすがに前半だけでギブアップ。
スカパーで録画しておいたプレミアリーグマンチェスター・U×エバートンを見る。W杯予選の疲労を考慮してかマンチェスターがベッカム・ギグス・スコールズ・ファンニステルローイを温存した1.5軍構成で試合に臨んだのは、さすが王者の貫禄と言うべきか。ドイツ戦圧勝の影響で全体の雰囲気は前節とうってかわって良好そのもので、おまけにいつもは控えのメンツがやる気満々、見事なパスワークからスピード感満点のイケイケ攻撃サッカーを展開。あっという間に過ぎた前半は2−0、後半直後に3点目を入れてからさすがに息切れしたものの、最後は顔見せ出場のベッカムが決めて4−1の快勝。ベーロンもようやくチームにフィットしてきたようで、電光石火のワンツーから決めた先制点のあと彼を囲んでできた祝福の輪にはちょっとジーンとさせられたりも。これで中盤はキーンとベーロンで大丈夫。ギグスとベッカムが両翼を固め、スコールズがトップ下から飛び出せば無敵の攻撃陣が出来上がるだろう。あとはセンターバックの問題を解決して余ったFWの起用法さえ間違えなければ、やっぱりプレミアではダントツだろうか。昨日見たセリエとはサッカーの次元が違うようにさえ思える。
一方、前に「マンチェスターより上に行くかも」と言ってたリバプールは早くも2敗目。どうしたんだ。
1年前、ショートカット別冊『sportsmix』に書いたスポーツ中継に関する文章をこのサイトにもUP。こちら。状況がますます悪化しているのが憂鬱だ。
9月9日(日)
水曜に審判問題について書いたばかりだが、昨日のJ2仙台×大分で退場者4人のJワースト記録が生まれたとか。実際試合を見てないので何とも言えないのだが(とか言いつつ言ってしまうのだが)、どうも危険なファウルが見逃され続けスタジアム全体がピリピリした中、レフェリーが神経質にカードを乱発したらしい。恩氏とかいう審判はこれまでにもたびたび訳の分からぬジャッジやレッド・イエロー乱発で顰蹙をかっているとのことだが、昇格争いもヒートアップしているこの時期に、何でそんな奴にこんなカードの笛を吹かせるかね。つーか、そもそも何でそんな「問題審判」がJリーグの主審なんてやれるのかね。いくら熱心な仙台のお客さんだって、もう見に来る気なくすよ。totoの公正さを保つために今年からJクラブは総額10億円以上のお金を負担しているそうだが、八百長とか何とか以前のレベルで公正さが保たれていなければお話にならないのでは。
と、いくら我々が言ってもどうせ今のファシストチェアマンは「リーグのレベルが低いから」とか「選手の抗議に問題がある」とか何とか言って聞く耳持たないのだろう。それどころか仙台サポーターの抗議(ペットボトル投げつけ)の方だけが問題にされそうな気さえするな。「たかが一試合」ではあるが、選手はそこに自分の生活がかかってるし、ファンは高いお金を払って時間を割いて見に来ているのだ。そういう人たちにとって何が本当に大事なのか、Jリーグを運営する人たち(チェアマン除く)はいい加減真剣に考えた方がいいだろう。バッジオやらエムボマやら呼んだりするのだけがファンサービスではないはずだ。
夜、スカパーでセリエAパルマ×インテル。サイドの弱さと攻撃陣のコンビネーション不足により苦戦のパルマだったが、後半40分、幸運にもCKをインテルGKトルドがかぶって同点に追いつき、何とか勝点1をゲット。中田は前半いいところなしで、後半サイドにより攻撃的な選手が入ってからはマークが分散してそこそこ攻撃に絡めるようになった。まあ、「そこそこ絡める」程度じゃとてもパルマサポーターは納得しないだろうが。
9月8日(土)
午前中から、大リーグマリナーズ×オリオールズ。第1打席三遊間の内野安打で出塁したイチロー、第2打席では守備が一二塁間を広く空けたと見るや思い切り引っ張ってライト前、バッテリーが球を外角に集めてきた第3打席では今度は二遊間を抜いて猛打賞の大当たり。相手にとっては「お手上げ」とはまさにこのことだろう。
この試合、今季限りで引退するカル・リプケンが最初の打席に立つとシアトルホームにもかかわらず観客から大きな拍手が。シアトルにおいては、いまだ「古き良きアメリカ」は健在であるらしい。
NHKBSでJ1札幌×福岡。「いよいよ1部残留へ向けて生き残りゲームが始まった」という感じで非常に熱かったこの試合、厚別の大観衆を前に優位に試合を進めていたはずの札幌が悪夢の逆転負け。ウィル・播戸の2トップを軸とする速攻で前半に2点を先行した時には札幌の圧勝かとも思えたのだが、後半突入と同時に札幌DFラインはズルズル後退、足も止まって一方的に福岡が押し込むことに。まずスペースと時間を存分にもらったバデアがミドルシュートを決めて2−1。一度は播戸がスピードを生かして得たPKで3−1と離れるも、福岡は35分にビアージョのヘッドで食い下がり、ロスタイムには一か八かのクロスに呂比須が頭で合わせて同点。さらに延長前半、何ということもない普通のクロスを再び呂比須が押し込んでVゴール。とにかく、どちらにとっても大きな勝点2だったことだろう。
札幌は攻撃はともかく、名塚抜きのDFが心身ともにへなちょこ過ぎ。「待ちに待ったスタメン」だったはずの森川なんて、ポジショニングが悪すぎて失点シーンではことごとく相手の重要なアタッカーをフリーにしていた。追いつかれた瞬間にDFの連中はがっくり崩れ落ちていたのだが、思わずテレビの前で「馬鹿!まだ終わってねえぞ!!」と叫んでしまいましたよ。播戸もいきがって前田にくってかかるくらいなら黙ってゴール決めろっての(イラつく播戸をなんとあのウィル様がなだめていたのはお宝映像だとは思ったが)。札幌は瀬戸際で踏ん張りきった経験がないだけに、降格争いに顔を出してしまうとズルズル崩れていきそう。ヤバい。
それに比べて福岡の選手たちはたくましかった。何年も降格の危機を切り抜けてきた生え抜きに外部のベテランを加えたメンツは不利な状況にも最後まであきらめず、貴重な貴重な勝ち点2をゲットした。前田もバデアも内藤も呂比須もノも頬が薄黒くやつれた(良く言えば精悍な)感じで、ツラの迫力で既に札幌の若造連中を圧倒していた。膝を痛めた中払がテーピングでガチガチに固めて強行出場した場面も凄絶で、終わってみれば勝つべくして勝ったような印象すら沸いてくる不思議なチームだ。何だかんだ言って、結局は今年も残留するんじゃないだろうか。
夜、NHKBSで清水×横浜を前半だけ。今夏の異様な暑さで芝も枯れたか、土むき出しの最悪のピッチコンディション。昨年5月に日本平に行ったときは、芝の素晴らしさに感嘆したものだが。パスワークもくそもなく、おまけに中村君不調で、あまり楽しめなかった。清水の先制点を見届けてからとっとと出かける。
赤坂の『和民』で1杯(失礼、4杯)ひっかけてから帰宅し、NHKBSで本日のメインゲームG大阪×FC東京。前半にケリーの個人技で先制、後半DFの連携ミスから同点にされたものの、加賀見投入の大熊采配が大当たり(これほどきれいに交代がはまったのはいつ以来だろう)。ケリーのクロス→アマがヘッドで折り返し→2列目から飛び込んだ加賀見が押し込む、という絵に描いたようなゴールで勝ち越し。残り10分ほどはいつも通り自陣に引いてひたすら攻撃をはね返す「ヤドカリサッカー」でリードを守りきり、めでたくガンバ戦初勝利をあげた。
新加入の福田君は左サイドハーフで出場。切り込んでシュートを放つなど自分の色を少しは出せたかな?でも、やっぱりゴール前で勝負してなんぼの選手だと思うので、ちょっとかわいそうではある。まさかアマラオははずせないしなー。呂比須(や内藤や前田)みたいなことにはなってほしくない。
後半ロスタイム、ペナルティエリアすぐ外で由紀彦が相手アタッカーに後ろからザックリ突き刺さったファウル、あれ一発退場でもおかしくないぞ。すでに一枚イエローもらってたわけだし、だいいち時間帯と場所も悪すぎるだろう。誰か試合後にちゃんと説教の一つでもかましただろうか。
その後うとうとしていたら、スカパーでスペインリーグレアル・マドリード×マラガをやっていたのでつい見てしまう。1−1の引き分けで、マラガの選手たちはガッツポーズ。うなだれるレアル軍団。ジダンは未だフィットせず、まだまだ時間がかかりそうだ。
9月7日(金)
夕飯のチキンカツが非常に美味しく、食いすぎ。現在、妊娠3ヶ月です。
ビデオで今度はW杯南米予選アルゼンチン×ブラジルを観る。開始直後にラッキーなオウンゴールで先制したブラジルがアルゼンチンの猛攻を耐えに耐えたのだが、後半残り15分で力尽きて逆転負け。ブラジルもとにかく「これが本当にセレソンか?」と目を疑うくらい守備的(5バック2ボランチ)に戦ったのだが、結局は引き立て役にしかなれなかった。アルゼンチンは組織・コンビネーションがしっかりしており(ベーロンが抜けてもそれほど力が落ちない)それらの土台の上で個人技が発揮されている感じだが、ブラジルは特に攻撃面でリバウドの力量に頼るところがあまりにも大きい。力の差は歴然としていた。
9月6日(木)
夜、ビデオでW杯欧州予選イングランド×アルバニアを観る。4日前のドイツ戦圧勝の反動からかイングランドは全体的にはちぐはぐな感じで、後半には守備でヒヤリとする場面もあるなど苦戦。しかし、前後半の終了間際にオーウェンとファウラーがそれぞれ鮮やかな個人技を見せ、2−0で勝利した。まあエリクソン体制になってからそれほどゲームをこなしていない現在、必要なのはどんな形でも勝ち続けて自信と確信をつけていくことなわけで、このゲームも大きな一歩と言って良いのだろう。それにしてもオーウェンは凄い。相手陣でのドリブルはまさにカミソリのように鋭く、チャンスにおけるポジショニングも抜群。間違いなく、2002年W杯の得点王候補だと思う。
夜、スカパーでJ2ベガルタ仙台×京都パープルサンガ。昇格争いに燃える両チーム、平日夜にスタジアムに詰めかけた大観衆。舞台装置はいかにも好ゲームを期待させるものだったが、詰めが甘く雑なミスも多い両チームのプレーに加えて主審も最低で、割り切れぬ雰囲気のまま0−0で終了。ファンにしてみれば「金返せ」ってなもんだっただろう。他球場では大分が勝ったものの大宮がなんと甲府に敗れ、新潟も湘南に不覚。4チームの団子状態は変わらぬままだが、ふと気がつけば背後にはひたひたとあの山形が迫ってきているのであった。
それにしても、今日のレフェリーは酷かった。全然走れておらず、事が起こったとき全く良い位置で見ることができていない。ファウルの基準も曖昧で、試合後「審判くそったれ!」とコールしたベガルタサポーターに全面的に同意したくなる出来だった。レフェリー問題が問われるといつも「審判の質はリーグの質に比例する」とか訳のわからん逃げをうつ某ファシストチェアマンに聞きたいことが一つある。「Jリーグからも中田や小野、高原のような世界のトップチームで活躍できる選手が育つようになりました。では、その一方で、はたして世界の一線級で活躍しうるような能力を持つ日本人の審判が育っているのでしょうか?」。
時々チャンネルをかえ、パリーグ首位攻防戦西武×近鉄も見る。松坂は中3日の緊急登板にもかかわらず目の覚めるような剛速球連発で7回無失点。西武が完勝し、首位近鉄に肉薄する結果になった。勝負所で集中した時の松坂は相変わらず物凄い力を発揮する、まさにエースピッチャー。逆に言えばプレッシャーの薄い場面ではぼけてボロボロになることも多いのが残念なんだけど、まあ今日のところはいいでしょう。
9月4日(火)
黒沢清著『映画はおそろしい』(青土社)読了。黒沢監督という人、撮る映画はとてつもなく恐ろしいが、書く文章はこの上なくかっこいい。特に、ドラクエ2を題材にロールプレイングゲームの本質をズバリついたゲーム評論と、サンダンス・フィルム・インティテュート参加時の日記がかっこよすぎ。
調子に乗って、「あたぼー東京」のMakoPさんからもバナーをもらい、アレンジ(小バージョンもあり)。
9月3日(月)
朝、スカパーでビデオにとったW杯欧州予選2試合を見る。
まずドイツ×イングランドは、イングランドが5得点の猛攻でゲルマン守備陣を粉砕。先制したのはドイツだったのだが、グループ1位をとるために勝つことしか眼中にないイングランドの攻撃には勢いがあり、同点ゴールはドイツDFがラインを上げかけたところオンサイドの位置から一気にアタッカー3人が飛び出すというもの凄さだった。そしてオーウェンのハットトリック。ボールがスピーディかつオフェンシブに動くプレミアリーグの優位性がいかんなく発揮されたというか、チャンピオンズリーグ等でも見られる守備的戦術への反発・反動がここでも見られたというか、とにかく予選らしからぬ面白さだった。
アイルランド×オランダは、ホームのアイルランドがオランダの猛攻を耐えに耐えて1−0で勝利。オランダはW杯出場が絶望的になった。押して押して攻めて攻めて最後の詰めが甘く競り合いに負ける、というのはオランダのここ数年のパターンだが、この日も全くいつも通り。わざわざ海を渡って応援に出向いたサポーターはたまらんかったろうね。一方アイルランドは全員が体を張ってシュート・ドリブルをブロックしまくり、最後まで集中力を保ち続けた。その姿はまるでラグビーの愛代表を見ているようで、まさに魂のフットボール。グループ1位も納得のたくましさだった。それにしても、まさか2002年でオレンジ軍団、特に僕のお気に入りのオーフェルマウスを見られないとは…。
9月2日(日)
筒井康隆著『大魔神』(徳間書店)読了。怒りの大魔神が全く容赦ないのがいい。大悪党も小悪人も愚かな町人も乱暴な人足もまとめてみんなぺしゃんこ。神の怒りとはつまりそういうものだろう(平成ガメラと同じ)。
競馬の新潟3歳ステークス(G3)、直線力強い伸び足を見せるフサイチコンコルド産駒バランスオブゲームを見て5年前のダービーを思い出した。来年のダービー、ぜひダンスインザダーク産駒とフサイチコンコルド産駒の対決が見たい。今度勝つのはダンスの方だ!
夕方、テレビでJOMO杯。ジャパンドリームスに本職のサイドアタッカーがいれば、もう少し均衡した点の取り合いになったのではないだろうか。解説席に座っていたFC東京の14番がピッチにいれば。
夜中、F1ベルギーGP。シューマッハが通算最多勝利記録更新。この記録は確かに素晴らしいが、しかし見方を変えれば互角に戦いうるライバルが不在であったということでもある(ハッキネンとは格が違うだろう)。シュー自身も、自分の成長のために、より強いモチベーションと勝利の喜びのために、セナに生きていてほしかったんじゃないかな。
まつげさんがこのサイトのバナーを作ってくれたようですので、リンクを張ってくださっている方、よろしかったらどうぞ(大、小各バージョンあり)。
僕は歌舞伎町にはそれほど行かないのだが、一時通っていた「ロフトプラスワン」とかで同じような火事が起こっていたら…やっぱり焼け死んでいたんだろうな。
ビデオで『SF サムライ・フィクション』。ま、一言で言えば「ちょっと金をかけた『オールスター隠し芸大会』ドラマ」というところだろうか。人が斬られると画面が赤く染まってスローモーションになったり、わざとらしくハズシたギャグが続いたり、構図やアップがお決まりのものばかりであったりと、最初の30分くらいで観るのを挫折しそうになったが、緒川たまきのかわいさに支えられて何とかエンディングまで耐える。やっぱりMTV出身の監督だからこんな「軽い」映画になっちゃうのかね?物語の題材はそれなりに面白くなりそうなものだっただけに、もったいないと思う。ラストで主人公が水に飛び込んだ瞬間にモノクロの画面がパッとカラーに変わる演出(これもありがちではあるが)と、エンドロールの歌と月はかっこ良かった。
夜、テレビでWBAスーパーフライ級タイトルマッチセレス小林×ロハスを観る。小林の家族愛や葬儀社勤務とのユニークな兼業の紹介についてはまあ「ふーん」と聞けたのだが、肝心の小林個人の戦いぶりにはあまり魅力が感じられなかった。「苦労人」「努力の人」というキャラだから仕方ないか。もっと派手なキャラだったら、マッチメイクの記者会見の時にセレス社製の棺桶を引きずってきて相手を指さし、「貴様はノックアウトされた後、これに乗って帰りな!」とかパフォーマンスできるのに。あ、プロレスじゃないですか、これ。すいません。