ナビスコカップ第5節 vs浦和レッズ 2006.5.17 味の素スタジアム

 

 

 試合後は、「大嫌いな」レッズをあと一歩まで追い詰めながら勝てなかった悔しさと、しかし福岡戦とはうって変わって勝利への意志を体現してくれた選手たちへの満足感とが入り交じる、ちょっと複雑な心境だった。そして進歩と悩みの両方が見える内容に、あと一歩突き抜けきれない結果。ある意味、今季ここまでの戦いぶりを象徴する試合だったかもしれない。

以下、感想を箇条書き。

 

【良かった点】

○ 勝利への意志を表現できる選手を揃えた妥当なスタメン
○ 試合が進むにつれて、中盤のつなぎに工夫が見られるようになった
○ 金沢が左SBに入ったことにより、守備とパス回しの安定感17倍UP
○ 信男アニキの炎のスライディングタックル
○ 中盤のつなぎ役として活躍、ゴールへ向かう意欲も見せた小澤
○ 今野と伊野波が互いを見て動くことで、攻守のバランスも改善
○ 敵ながらその強さは天晴れなワシントン
○ 茂庭はやっぱりW杯メンバーに相応しい男だ

【良くなかった点】

○ 徳永はサボり気味なのかコンディションが悪いのか
○ 「相手の臓腑をえぐる」ラストパスはほとんど皆無(憂太…)
○ この試合こそ、ガンガンFWを投入してとどめを刺してほしかった(ササ…)
○ 信男サン、2回の決定機のどちらかは決めてほしかった
○ 群れた赤い人々はやっぱり生理的に受けつけない
○ 調子下降気味のレッズにホームで勝てないでどうする
○ ホント、勝ってあの真っ赤なスタンドに向かって「見たか!!」と叫びたかったぜ

 

 まあ、福岡戦の後のどうしようもない落ち込み加減に比べれば、2ヶ月に渡る中断前最後のホームゲームで「行け!頑張れ!」と素直に応援したくなる熱い戦いぶりを見ることができて、とにもかくにもホッとしたというのが一番正直な気持ちだろうか。もし浦和にボッコボコにやられていたら……とてもW杯どころじゃなかっただろうな、マジで(笑)。

 一番感心したのは、やっぱり磐田出身の2人のベテランの活躍だろうか。川口と金沢。彼らは磐田でスタメンに定着することはできなかったかもしれないが、それでもチャンピオンチームのサッカーを身をもって体験している貴重な存在である。この2人が青赤のユニフォームを着て、勝利へのこだわりと大人の判断力を兼ね備えたプレーを見せてくれているのは、僕たちにとって、そして彼らから学ぶ事のできる若い選手たちにとって幸運と言えるだろう。規郎や梶山はしっかり見ていただろうか?

 さて。開幕してから中断までの2ヶ月余り。なかなか結果は出なかったものの、それでもリーグ戦は五分の星を残すことができたし、マンマーク守備やら中盤でのポゼッションやら3人一挙交代やらハーフタイムの熱い檄やら3バックやら3ボランチやらダイヤモンド型の中盤やらボックス型の中盤やら4トップやら、とにかくチームが様々な経験を積む事ができたのは確かである。これを2年ばっかしやったら、ジーコ・ジャパンどころじゃなくちょっとやそっとじゃビクともしないチームが出来上がるかもしれないぞ(笑)。

 とにかく、この貴重な、せっかくの濃ゆい経験を無駄にしないように、2ヶ月の間で怪我人を復帰させながらチームをもう1回しっかりと作って、後半戦はより力強い戦いぶりで上位争いをしてもらいたいものである。選手たちの吹っ切れてチャレンジする姿がもっと見たいし、ガーロ監督の勝負師としての顔ももっと見てみたいと思う。がんばろう!!

 

[追記]
 「まだナビスコ最終節があるのに、なんで総括みたいな事書いてんねん?!」というツッコミは、他人にされる前に自分でしておこう(笑)。だって、福岡までは行けない(行く金がない)し、テレビ放送もないから観られないんだもーん。


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