J1リーグ第12節 vs大宮アルディージャ 2006.5.6 味の素スタジアム

 

 

 結局、02年第2ステージ以来の3連勝はならず。東京らしいと言えばらしいが…今季に限らず、東京が長年抱えている問題をまたも見せつけられた印象。結構高い授業料を払わされてしまったかな、と。

 

 今日は立ち上がりから動きは軽快とは行かなかったし、大宮の小林慶を中心とする中盤守備もユルくはなかったものの、それでも前半途中までは悪い出来ではなかった。ルーカスや梶山の持ち出し、そして左右に揺さぶるパス回し。8分にはルーカスのPKで先制し、その後もカウンターから規郎の決定的なシュート(GKセーブ)に至る場面があった。ここ2試合結果が出ていることで選手たちも自信を持ってやっている様子。

 前半中頃からは大宮が押し込んできたが、まだまだ余裕はあるように見えた。パスを回せる時には回し、相手のDFラインが押し上げてきたら長めのパスを放り込む。かなりダラけた展開ではあったが、キツいスケジュールと試合当初の気温の高さを考えれば仕方がないように思えた。34分に茂庭が負傷退場しても、「グラウをジャーンがつかまえてればまあ何とかなるだろ」という感じ。

 後半、大宮が桜井を入れアタッカーを増やす策に出て試合の様相が変わる。東京もハーフタイムのお馴染み「ガーロ喝」のせいか前半よりも前目からボールを奪いに出るのだが、大宮の勢いが完全に上回っていた。DFラインはベタ引きになり、クリアしたボールを拾われては右から左から波状攻撃が延々と続く。なんか、「これほど長い時間やられっぱなしなのはいつ以来か」というくらいの一方的展開だった。

 ガーロ監督は大宮の高いDFの裏を突こうとリチェーリ投入、さらに伊野波を入れて中盤守備の立て直しを図る。意図は明確だし、おそらく正しい交代策だったと思う。だが、劣勢ははね返せなかった。リチェーリはロングボールへの競りかけもドリブル勝負も中途半端で攻撃を活性化できず、後ろの選手も悪い判断のプレーを連発。味方のMFが自陣で持ち上がろうとしているのに今野がパスコースを作らず次の守備に備えている姿や、後ろに誰もいない状況で規郎が自陣からドリブルを仕掛けてモロにカウンターをくらう姿には憤慨。

 そんなこんなで32分には混戦から冨田に押し込まれ、同点。慌ててスイッチを切り替えて(もう少し早くやっておきなさいよ!)梶山や徳永のドリブルを武器に幾度かセットプレーのチャンスを得るも勝ち越し点は奪えず(梶山のボヨヨンFKには萎えた)。逆にロスタイム、ペナルティボックス手前のFKを小林大伍に見事決められてサヨナラ負け。あ〜あ。「この内容で授業料が勝点2ならまあ仕方がないか」と思っていたのだが、勝点3はさすがにちょっと重い…ガックリ来た。

 結局、甲府戦の時も書いたように、流れを読んでプレーできる選手が少なく、ハーフタイムの指示か、もしくは偶然の得点でもない限り試合中の修正ができない点が相変わらず問題なんだろう。解決策として文丈の起用を希望する人が多そうだが、彼は確かに判断力はあるけれども(川口や金沢と同様に)リーダーとまでは言い難い。この試合のような教訓を積み重ねて個々の判断力が向上するのを待つか、それともてっとり早く中盤にその手の選手を連れてくるか。ジュビロ磐田は、後者のアプローチから前者へ移行した成功例だが…。

 


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