プレシーズンマッチ vs川崎フロンターレ 2005.2.27 味の素スタジアム

 

 

 いやはや何とも…シーズン開幕前に景気づけ、とは行かずイマイチ(イマニ、かな)の内容だった。

 

 試合前、味スタの大型ビジョンに例の「Hop-Step-Champ.」のアニメーション(?)が流れた。いい意味でも悪い意味でもノーテンキ(笑)な感じで、笑えるっちゃ笑えるのだが、しかし出す時と場所には気をつけた方が良さそうである。

 

 キックオフ。東京は噂の「1ボランチ」「3トップ気味(石川はFW登録)」フォーメーションでスタート。実際に見てみると、今野がアンカーというより、ダニーロ・栗澤・今野の3人がFWの後方で流動的に入れ替わりながらパスを回し、ボールを前に進めようとするシステムのようであった。傾向としてはダニーロが前に張り気味、今野は守備時真っ先に戻る役、栗澤は両者の間を縦横無尽、というイメージか。いきなり2分、ダニーロとルーカスと戸田(?)が1タッチパスの連鎖で川崎陣に攻め込み、スタンドからどよめきと歓声が上がる。その後も前半の途中までは栗澤を中心に東京がボールを支配。7分には速攻にジャーンのオーバーラップも加わって石川のシュートへ持ち込み、8分・12分には栗原がペナルティボックス正面からシュート(ともにGK下川セーブ)、さらに18分にもセンターサークル付近から長駆した石川がペナルティボックスへ突入(シュートは枠外)。攻撃に人数をかける意識の甲斐あってか、パスもよくつながり、悪くない立ち上がりに見えた。

  しかし23分、川崎は左サイドへ展開、MF中村のクロスがDFに当たり、セカンドボールを拾ったMFジュニーニョのシュートがDFに当たってゴール左隅へ。川崎先制。それまでボールを持てず外国人の単発カウンターに頼っていた川崎だったが、これで前へ出る圧力が強まり、広い展開も出るようになった。逆に東京のアタッカーはマークを外せなくなってトーンダウン。26分、FW我那覇の鋭いミドルシュートがゴールマウスを襲い、土肥が片手で弾き出す。35分、ペナルティボックス正面のFK、FWマルクスの強烈なシュートがゴール右上を襲い、土肥ちゃん横っ跳びセーブ。東京も42分にペナルティボックス横のFKをダニーロが直接狙うが、下川セーブ。ロスタイムには左サイドからの平行パスを受けた加地が強烈なグラウンダーのシュートを放ち、下川の手も届かない…が、ポストわずか左に外れる。1点ビハインドのままハーフタイムへ。

 後半は立ち上がりから、やや川崎優勢の展開となった。いきなりFWマルクスとのワンツーでジュニーニョがペナルティボックスへ突入するが、あわやというところでジャーンがカット。4分、MF長橋が右サイドを抜け、戻る東京DFの逆をつくクロスを入れたがマルクス空振り。9分には加地が右サイド馬力でDFを振りきりクロス、ファーにいたダニーロが頭で折り返し、ニアに走り込んだルーカスが押し込みかけるも、DFに体を寄せられミートできず。

 10分、東京は藤山OUT金髪(またまた目立とうとしちゃって〜。いいぞ(笑))の茂庭IN、戸田OUT文丈IN。去年までに近いイメージ(4−2−3−1?)の布陣に変更する。しかし、これはこれで今のメンバーでは慣れないのか、微妙にアタッカーのコンビネーションが合わない場面が目立つ。それでも17分、右サイドから石川が左足でクロスを入れ、DFに当たってこぼれたボールを拾った栗澤がGKをかわしながらシュート!これは一瞬決まったかと思ったが、ゴール寸前でカバーリングに入ったDFがブロック。最大のチャンスを逃した東京はさらにトーンダウン。攻撃にあたってはマークを外す動きやフォローが極端に減り、各アタッカーが孤立。敵にボールを奪われるとDF・ボランチがベタ引きになって攻撃どころではなくなってきた。

 24分、東京はすっかり消えていたダニーロに代えて祐介を投入。再び最前線タイプの選手を増やす。が、相変わらずフリーランニングは質・量とも不足。パス能力の高い選手が減ったこともあり、単調な縦パスをはね返されるシーンが目につく。正直な感想として、「こりゃひどい」と思った。一方、川崎の方もアタッカーの個人能力に頼った雑な攻めが多く、ちょっとアクビがこぼれそうな時間帯が続いた。パスコースを見つけられない東京のDFラインが延々パス回しを続け、スタンドの不興を買う(川崎側からは「ホームだろ!」の野次)場面も。

 30分を過ぎると川崎はMFアウグストと我那覇を下げてMFフッキ・MF木村を入れる。フレッシュな選手を入れた川崎はやや持ち直し、39分にはCKをDF寺田(?)がダイレクトボレーで狙って枠をかすめる。その他にもマルクスがオーバーヘッドシュート(当たり悪し)を見せたり、フッキが大げさなまたぎフェイントで勝負したり(加地にあっさりはね返されたが(笑))、川崎サポーターはそれなりに喜んでいた様子であった。ちょっとうらやましかった(笑)。ロスタイム、東京は今野の浮き球スルーパスで石川が意地の突破、はずむボールを強引にボレーでゴール前へ入れるが、祐介のダイビングヘッドはポスト右に外れた。結局、0−1のままタイムアップ。穴沢レフリーが終了の笛を鳴らすと、東京サポーターからはブーイングも飛んだ。うーむ、ブーイングか…。そりゃ「おいおい」と言いたい気持ちはあるのだろうが、まだプレシーズンマッチ(顔見せ)だから選手には気の毒だよな。

 

 試合後の原監督挨拶。予想通りと言おうか、「今日はすみませんでした!」「(川崎に)少し花を持たせすぎてしまいました!」「フロンターレも頑張って下さい!応援しています!」「ブーイングじゃなくて応援してもらえるように頑張ります!!」とたたみかけるように喋り、スタンド(川崎側も含めて)大ウケ。まあしかし、結局このヒロミ・トークに騙されちゃってるような気がするんだよなあ。「ヒロミ=ジゴロ」か(笑)。いや、そういう私も腹を抱えて大笑いしてたんだけど。

 てなわけで、正直なところ開幕戦は心配だ(笑)。新フォーメーション自体については1試合見ただけでは何とも言えないが、最初の15分くらいはともかく、それ以後FWと中盤3人とSBが分離してしまい、噛み合って動く場面が少なかったのが気になる。サイドチェンジ等の広い展開もほとんど無かった。栗・ダニ・今ちゃんの3人の動きと周りとの絡みは、今のところ即興的要素が強いようである。それは単にシステムの未成熟によるものなのか、それとも原さんが目指すサッカー自体が即興性の高いものなのか。アタッカーを増やすのは、前方でのパスコースや各人の動きあるいはコンビネーションのパターンを増やすことにより、「攻め手」を増やすためのはず。「人が増えても攻め手は増えず」では何の意味もない。そこら辺、仮にモノになるのだとしても、どれくらい時間がかかるものだろうか。序盤戦で足踏みしないといいのだけれども。

 ポジティブな材料としては、栗澤や石川、加地、ジャーンあたりのコンディションが良さそうなことと、あとこの試合のようなまとまりのないサッカーではブロフェッサー反町も対策の立てようがないだろう(笑)、ということか。まあ、本番じゃないから、まだ。これまでの数年間を思い出しても、PSMの内容が抜群だったことなんてないし。気にしすぎないようにしよう

 

[追記]
 前半の終わり頃(?)、ルーカスがペナルティボックス内で倒されて、しかしPKをとってもらえなかった場面。つれと2人で「なんかアマに似てきたね。両手バンザイ、わざとらしい倒れ方が」「きっと「アー」とか「イテ!」とか言っちゃったんだろ、日本語で」などと話していたのだが、同じような感想を抱いた人は大勢いたらしい。

 


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