日本平の借りは返した!東京、破竹の4連勝!!

 

 今回、この暑さの中さすがに丸亀までは遠征する気になれなかったので、テレビ観戦で済ませました。したがって、ほとんど感想のみ。

 

 30℃を超える暑さの中キックオフ。前半、「ホーム」の東京はしっかり守りを固めて2トップ+由紀彦のカウンターという理想的な試合運び。ピンチには全員が自陣に戻る分厚いディフェンスで清水の攻撃にリズムを与えず、21分には小池の「幸運な」(小池をナメたのか、森岡がブロックを足一本、つま先だけでやろうとした)ロングシュートで先制。一方清水は大半の時間ボールを支配していたものの東京の強固な守りをなかなか突破できない。ファビーニョが1開始早々アクシデントで退場してしまったこともあって中央からの突破に乏しく、左から度々アレックスがクロスを上げるも読み切ったサンドロ・小峯の餌食に。前半半ばからは東京が消耗を避ける意図からか明らかにダラダラとしたプレーに終始、清水はどうすることもできず東京陣ペナルティエリアの周りをうろうろするばかりで、そのまま1−0で前半終了。

 後半頭から焦れた清水がバランスを崩してまで前線重視の陣形をとって試合を動かそうとすると、東京は「よしきた!」とばかりに喜名を投入して貯め込んでいた力を解放。前掛かりになった相手攻撃陣の背後にできたスペースを利用してチャンスを量産し、ゴールこそなかなか奪えなかったものの相手DFに攻撃への余裕を持たせない。後方から良い球がフィードされないために清水の4トップも機能せず、結局後半25分に好調の喜名が彼らしからぬ(だからこそ有効だった)右サイドでの縦突進から低く素晴らしい弾道のセンタリングを上げてアマラオの足にピタリ。2−0。その後清水は最終ラインに大榎を組み込んだり平松を投入したりと中盤省略型サッカーでつじつまを合わせようとするが、結局機能しないまま試合終了。FC東京の完勝であった。

 

 東京の勝因は、終始自分に有利なペースで試合運びができたことに尽きるだろう。相手が不調だったとはいえ、一本調子ではなく試合の展開・状況・相手の作戦に応じたペース配分ができたことはまことに喜ばしい。また、2トップ+ウィング以外の小池がまたもゴールを奪った(しかも30メートルはあろうかというロングシュートで!!)ことといい、相手が中盤を省略してくるやそこの陣形の乱れを喜名投入で突いた大熊采配といい、1stステージの教訓はしっかりチームに刻み込まれているようで、1stステージを上回る4連勝を記録したのも決して偶然ではない。ナビスコカップat江戸川のような攻撃の偏りも今回は見られなかった。これから京都・広島・ガンバと続く3連戦を2勝以上で乗り切れば、冗談抜きで優勝争いも見えてくる。大いに期待が持てそうだ。

 選手では、ツゥットが「ボールが足につかない」という感じでミスを連発、アマラオもポストでは水準以上の動きを見せていたがフィニッシュに問題があり(いつものことだが)、チャンスは大変多かったが2点しかとれなかった。久々先発の由紀彦はいかにも気合いが入っている風で、プレーも2ndステージでは最も良く、右サイドから斜めに切れ込んではしばしば清水DFの脅威となっていた。リベンジ達成だよ、おめでとう!東京サッカーの要である中盤の底は浅利の復帰で安定。小池と喜名は片方しか出場できないのが惜しいほどチームに貢献していた。まあ、守備的な場面では運動量の小池、攻撃的な場面では組み立ての喜名、という使い方は本人達に自分の役割をはっきり自覚させる意味でも有効なのだろう。守備陣では小峯の健闘が光った。アレックスからのクロスをダイビングヘッドで何度となくはね返す姿は小気味よく、かつ安心させてくれた。ほんと、相手FWの前へ出るポジショニング・ダッシュ力は天下一品だ。

 清水はこれで2ndステージ1勝3敗。絶不調。とにかく攻撃に迫力がない。沢登はコンディション不調のせいか球さばきにキレがなく、久保山・安永は全くDFの裏に出ることができない(なぜなのか、はTVではよくわからなかった)。伊東も運動量は多く球を奪うのだがそこからの展開力がイマイチ。DFも森岡が攻守に渡って活躍している一方で、斉藤あたりが裏をとられまくってしまい、安定感には乏しい。真田の好セーブがなければ、失点はこんなものではなかったはずだ。後半開始早々から4トップにしてきたペリマン采配も良く意味が分からなかった。持ち駒が少ないために選択肢が限られてしまうということなのかもしれないが、でも、サントスを前線に上げるとはいえ、久保山・安永がFWなのに放り込み戦法というのはいくらなんでも小峯と藤山をなめすぎだろう。はっきり言ってこの敗戦で優勝は苦しくなった。今はアジアスーパーカップに向けて無理をせず、じっくりと立て直していく時期なのかもしれない。クラブの経営が再び苦しくなったともいわれる中、頑張って欲しいチームであるし、調子が戻ればこんなもんではないとは思うのだが…。

 

2000年7月15日 香川県立丸亀競技場

Jリーグセカンドステージ第4節

 

   FC東京 2−0 清水エスパルス

 


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