12月20日(月)

 朝起きてみて、未だ胃腸の具合は悪し。午後2時間ほど仕事場に出て最低限の打ち合わせだけ済まし、とっとと帰宅して寝る。ものが食えないのは辛い。ウイダーインゼリーとつれの作ってくれた鮭雑炊で何とかしのぐ。

 

 WOWOWの録画でリーガ第16節。ラシン 2−3 レアル・マドリー。常に先行される苦しい展開のゲーム、ロスタイムの決勝点でマドリーが勝点3をゲット。さすがにマドリーも尻に火がついてきたというか、シーズン序盤にはまだ余裕かまして(しょぼい試合をして)いた才能軍団が、なりふり構わず攻めにかかる姿はなかなかに楽しい。組織の力では明らかにバルサが上、でもスーパーな(攻撃陣の)個々の力をフル稼働して何とかマドリーがついていく。これは面白いことになってきた。

 

 昨日、スコンスコン抜かれまくる急造左SBに頭を抱えた東京サポーターは数千人に上ったと思われるが、さっそく補強された様子。さすが東京、わかりやすいというか抜け目がないというか…。彼がフィットするようなら、金沢をボランチとして使うオプションもできるかもね。


12月19日(日)

 本日はさいたま遠征。四谷で乗り換えて南北線→埼玉高速鉄道で浦和美園へ。

 電車の中では『SPORTS Yeah!』を読む。藤島大さんによる加地インタビュー。藤島さん、最近『Number』に書かないからJSPORTSの解説以外何やってるんだろうと思ってたら、こっちに来てましたか。他のライターのメンツを見ると定期購読する気にはならんが、しかし毎号チェックしなければならない雑誌が増えてしまった。「ぎこちなさが、かえって修羅をくぐる起爆装置と化す」というのはこの上なく的確かつ好意的な加地評だと思う。

 駅からスタジアムへの道すがら、「屋台村」ってことで飲食店のワゴン車がずらっと並び、それぞれに行列ができていた。小腹が空いていたので、「タイラーメン」にナンプラーをたっぷり入れて立ったまますする。これは美味い。寒空の下での温かい麺ものというのは、冬のスポーツ観戦の醍醐味である。

 

 で、さいたまスタジアムで天皇杯準々決。浦和レッズ 2−1 FC東京。負けたのは悔しい。得点と試合終了の瞬間オオオオオーッ!と揺れたあの赤い大観衆を沈黙させてやりたかったし、あともう少しでそれができた(試合全体は浦和が優勢だったが、ケリーのシュートの直前まではある意味思う壺の展開)かもしれない、と考えるとやっぱり落ち込む。でも、東京はよく頑張った。よく戦った。シーズン最終戦にふさわしい、いい試合を観ることができたと思う。

 東京も浦和も多くの主力を欠いた中、立ち上がりから浦和の方がしっかりと防御・攻撃のラインを保つ。それに対して東京は選手と選手の間合いが悪く、DFラインにはしばしばギャップが発生。自然と浦和のボールキープ率が上がり、中盤以降で悠々と回されては1本の縦パスでチャンスを作られる。ボールをとってもなかなか展開できない東京は苦戦を強いられた。それでも守備陣が最後の最後で踏ん張り続け、0−0のまま後半半ばまで試合が進む。劣勢ながら東京の個々選手のプレーには素晴らしい気迫がこもっているように見えた。見ているこちらもヒートアップ。

 61分の先制点は東京。カウンターをしかけ、浦和陣でDFとほぼ同数のアタッカーが横に並んで攻め入るチャンス。ここで左サイドの阿部が機転を利かせ、中央のルーカスを飛ばす平行グラウンダーを逆サイドへ。あっという間に石川がフリーになり、狙いすましたシュートがゴール左隅に決まった。スタンドの一部から発せられた絶叫が場内をこだまする。しかしわずか2分後、左SB前田が永井にあっさりと抜かれ、クロスを田中達が決めて同点。今度はスタンドの大部分が沸き立つ。東京は70分にケリーを投入するも浦和の攻勢を止めきれず、土肥ちゃんのセーブでしのぐ場面が続く。

 83分、ケリーのキープから右サイド石川が快足を飛ばし、切り返しでDFを置き去りにしてグラウンダーのクロス。これをペナルティボックス内でDFを背負った阿部が受け、反転して中央へパス。そこにはケリーがどフリーで走り込んでいた。その瞬間、「これで勝った!」「ケリーが決めるなんて出来すぎなシナリオだ」「でも良かった…」「阿部ちゃんは天使みたいな男だ」などと様々な考えが頭をよぎった。…が、しかし。次の瞬間「カン!」という乾いた音とともボールはバーに当たり、ペナルティボックス内を転がっていった。頭を抱える東京サポーターたち。これが勝敗を分けたプレーだった。4分後、三都主のシュートがゴールネットを揺らしてジ・エンド。3分のロスタイムは、あっという間に過ぎ去った。

 浦和を見ていていつも抱く感想は、「このチームのキモは平川ではないか」ということである。最も地味な選手だが、的確なポジショニングと堅実なプレーぶりでチームを文字通り支えているイメージ。この試合でもイヤらしく東京の選手たちを牽制していた。単なるスターの寄せ集めに堕するかそれともハイクオリティなチームを維持できるかは、実はこういう選手を大事にできるかどうかにあるのだと思う。そういう意味では、東京にとっては金沢の欠場はいかにも痛かった。左ハーフが阿部だったこともあって、急造左SB前田は明らかなウイークポイントと化してしまい、試合全体の趨勢をも左右した。まあ、やり慣れないポジションで出た前田にはいかにも気の毒だった。

 試合終了後、選手たちには温かい拍手が送られていた。シーズン最後でもあるし、今日の気持ちの入ったプレーぶりを考えれば当然だろう。特にケリーは4年間ありがとう!敵としては会いたくないけど、どこかで幸せなサッカー人生を続けることを願う(とか言ってると来年は緑のユニフォームとか着てたりしてな)。

 さて、これで僕も(笑)ようやくオフだ。今はラグビーがつまらんから、映画でも観るかな。

 

 夕飯は、京王デパートで買ったサラダ類と、ベーコンとオリーブオイルとシラスをあえたスパゲッティ、サッポロ黒ラベル。それなりに美味かった…のだが、食っている途中で徐々に気分が悪くなり、吐き気と腹痛に襲われてダウン。結局、夜中まで恢復せず寝込むはめに。なぜだ?何かに当たったのか?それともインフルエンザか?浦和の呪いか(笑)?原因のわからない病気は薄気味が悪いっす。


12月18日(土)

 昼過ぎに起床。飲み会と仕事のつまった日々で体はボロボロである。酒はともかく、仕事はもう少し控えよう(って、逆か(笑))。 

 

 WOWOWの録画でゴア・ヴァービンスキー監督『パイレーツ・オブ・カリビアン』観る。これは楽しかった。港町・海原・洞窟を舞台に繰り広げられる数々のアクション。おぞましい海賊たちの呪い。ジョニー・デップが怪演する海賊ジャックの魅力。そしてクライマックス、呪いの解けるタイミングの妙。様々な娯楽的要素がバランスよく詰まっていて、安心して楽しめる良作である。ディズニーのアトラクションが原作だからって侮っちゃいかんな。ヒロイン役のキーラ・ナイトレイもグー。

 ただ1つ、残念だったのはラストの展開。あれほど「自由」がどうのこうの言ってて(「掟なんて心得程度のものに過ぎない」)、しかも騙し騙されの展開で、それなのに最後は「お父さんもフィアンセもわかってくれました」でメデタシメデタシ?それはないだろう。あそこはやっぱりターナー(オーランド・ブルーム)とジャックがエリザベスをさらってブラック・パール号で逃げ去っておしまい、にしてほしかった。その方が絶対にキモチいい余韻が残ったはずなのだ。残念。

 

 夜、JSPORTSでプレミアシップ。チェルシー 4−0 ノリッジ・シティ。引っ越してからプレミアシップは週に1試合しか観られなくなってしまい、好きなチェルシーやユナイテッドの放送がある時はもう待ち遠しくて仕方がないのだけれど、往々にして期待が膨らんだ時に限ってショボい試合だったりするものだ。が、しかし。今日に限っては全く文句のつけようがなし。両サイドの技巧もランパートの破壊力もテリーの豪快さもマウリーニョの鉄壁マネージメントも、全てを堪能。2点目(ランパート砲炸裂)と3点目(DFが止まって見えたワンタッチパスの連鎖)なんて、どちらもリーグの「今週のゴール」とかに選ばれそうなゴラッソーである。もうお腹いっぱいで食べられません。ノリッジの皆さんには悪いが、実にいい「ショー」を見せてもらった気分。


12月17日(金)

 夜、新宿西口のイタリアン「IL SACCOMANNO」で大恩ある先輩の結婚祝いパーティー。とてもお似合いのカップルの、とっても幸せそうな姿。こういうのは眺めるだけでこちらも幸せな気分になるものだ。僕なんかは自分がお祝いされる側になってもまあニコニコしているだけなのだが、今日の新郎ははしゃいで叫んでブッ飛んでましたな。美味しい料理(ハムと肉が特に)もワインで腹一杯。

 二次会は南口「歌広場」の大部屋で。持ち歌で笑いをとるというような芸当は僕にはとても無理なので、ひたすらビールをあおってシャンパンをすすり、ハシャぐ新郎の姿(PrincessPrincessの『DIAMONDS』を絶叫!)を笑って眺める。12時半頃まで大騒ぎしたか?

 丸ノ内線の終電を逃してしまい、とりあえず中央線で中野まで出てそこからタクシー…と思ったのだが、ちょっとだけ寝過ごして高円寺まで行ってしまった。悔しいので(笑)中野まで歩いてラーメン食ってからタクシーで帰宅。


12月16日(木)

 最近仕事がたて込んできたというのに飲んでばっかいるので、そろそろ本当にヤバくなってきた。だので、今日は朝一番から23時頃まで延々地味な仕事に打ち込む。忘年会シーズンだけに、ウチの仕事場の連中もいつになく帰るのが早い。人気のない12月のオフィス。まあ寂しいくらいの環境の方が仕事は進むのでいいんだけど。

 ということで、録画予約を忘れたこともあって、日本×ドイツのフレンドリー・マッチは結局観ずじまい。ネットで見た試合経過から察するに、とにかく完敗だったようである。まあ向こうはシーズン半ばでまだバリバリ行ける状況。それに対して日本の方は長いシーズンの終わり近くで体のコンディションもモチベーションも最悪の時期。元々の実力も合わせて考えれば、0−3というスコアは「そんなもんなんじゃないの?」という感じではある。とにかく条件が悪すぎたのだ。つーか、この試合の内容よりも問題なのは、W杯最終予選の初戦が2月頭になってしまったので、国内組の代表主力は冬の休養がじっくり取れない(もしくは2月までにコンディションを上げられない)のではないかということ。マコちゃんや茶野には悪いが、中澤が辞退してくれて本当に良かったわな。

 

 さて、日曜日は天皇杯準々決。それにしても、まあ今年は本当に多いな怪我人が(宮沢も太もも痛めてるらしいし)。ただでさえまたまた浦和と試合せねばならん(しかも埼玉の奥地で)状況でうんざり気味だというのに。この期に及んで「新鮮なメンバー構成が楽しみ」などということは全くなく、はっきり言って憂鬱だ。「ケリー最後の大爆発」とか見られるだろうか?


12月15日(水)

 夜、仕事で恵比寿に行ったついでにガーデンプレイスのビヤステーションで飲み会。ここの「デュンケル」というオリジナルビールがなかなかイケるのである。ソーセージ盛り合わせにタコの揚げ物にアイスバインにピザと「これでもか」というほどのビール向けつまみが揃い、ビーラーな僕にとっては幸せな時間だった。大ジョッキ3杯で寝ちゃったけど。

 家に帰ったら、あっと驚く天皇杯ザスパ勝利(横浜敗退)のニュース。小島さんに山口と好きな選手の揃っているチームだけに、これはもう嬉しいニュース…なんだが、マリノスには決勝でリーグ戦2敗のリベンジをしたかったのでちと残念な気も。


12月14日(火)

 夜、忘年会第一弾(いや、実はもう三弾目くらいのような気も…)。西新宿の沖縄料理居酒屋「一」で「満足・納得コース」。確かに「満足・納得」であった。特に量が。刺身と珍味盛と大皿サラダと揚げ物と鍋でもう満腹になりかけたところ、ゴーヤチャンプルーにラフテーで追い討ちされ、最後の沖縄そばでノックアウト。冗談抜きで喉から食い物が溢れそうな(ちょっと汚い表現だな)。参りました。


12月13日(月)

 WOWOWの録画でリーガ。アルバセーテ 1−2 バルセロナ。怪我人も多いせいか、バルサお得意の個人技連鎖攻撃はあまり見られず。それでもシャビの決勝ゴールは目の覚めるような(というか実際に居眠りしかけていた僕を叩き起こした)一撃!「ここしかない」時間帯で「これしかない」ボレーで放った「ここしかない」コースへのシュート。今のバルサは何らかの大きな流れに乗っている。そんな感じを受けた、苦戦の末の勝点3ゲットだった。


12月12日(日)

 目が覚めたら昼の12時。本当に休日は短い。

 

 午後、NHK−BSで天皇杯。FC東京 6−3 大宮アルディージャ。あははははは。いや楽しい試合だった、とは勝ったから言える台詞なんだが(笑)。どうしてもユルくなりがちな天皇杯にしてはしっかりと戦いきって(ナビスコ優勝の効果デスか?)、無事第2難関突破。正月へ向けて視界は良好……だよな多分。

 今日の東京は攻撃面で冴えを見せてくれた。6得点というスコアももちろん、「馬鹿の一つ覚え」ではなく、多彩な攻撃のオプションを披露できたのがよかった。石川・規郎(積極性がグッドだ)のサイド攻撃も効いたし、憂太や宮沢のミドル、セットプレーでのジャーンの一撃、そして阿部(切り札ぶりを発揮!)をアクセントとした前線のコンビプレー。実力の劣る相手との試合でこそ、こうしたものを出し切っておかなければならないのである。イヤな展開の試合だったにも関わらず、石川が終始笑顔でプレーしていたのが象徴的だった。

 守備の方は…サイド攻撃から逆サイドのスペースを狙われるパターンのピンチが多かった。両翼が石川・規郎の時にあれをやられるとキツい。戸田や茂庭がいればまた違うんだろうけども、中央でのプレスをかいくぐってサイドへ展開された時の対処法ってのは今後の大きな課題かもしれない。今野の埋められるスペースも無限じゃないからね。

 大宮は、個人能力の差を組織力でカバーするというコンセプト通り、良質なサッカーを展開してくれた。ただ、やはり東京のスピード等に慣れるのに時間がかかった(試合前の選手のコメントも「来季につながるよう…」なんて消極的なものが多かった。途中で火がついたみたいだけど)のと、トゥットの不在はけっこう痛かったのではなかろうか。攻め合いの末に息が先に上がってしまった感じ。まあ、今季は「J2を勝ち抜く」戦力しか整えていないのだから仕方がない。来年リーグ戦で当たる時にどう変わっているかが興味深い。

 

 夜、日テレで最後のトヨタカップ。FCポルト 0−0(PK8−7) オンセ・カルダス。よく面白半分に「この試合のMVPはゴールポスト」なんて言い方をするけど、この試合なんかもうそれ以上、「サッカーの神はゴールポストに宿った」とかそういうレベルかもしれない。ポストとバーが幾度となくポルトのシュートをはね返し、おまけにPK戦までポスト、ポストだもんね。まあ心情的にはどちらも勝たせてやりたいところだったけど、しかしこの結果は良かったのかもしれないと思う。監督が代わって選手も替わり、でも2004年はやっぱりポルトの年だったということで。


12月11日(土)

 目が覚めたら13時半だった。つくづく休日は短い。

 

 夜、実家で海鮮鍋をつつきながらJリーグCS。浦和 1−0(通算1−1、PK2−4)横浜。最後のチャンピオンシップは、日本を代表する2大ビッグクラブの意地と万力を込めたぶつかり合いに。実に見ごたえのある試合になった。

 皮肉でも何でもなく、浦和の選手たちはよく戦ったと思う。ナビスコ杯決勝やCS第1戦のようにイキりたつこともなく、冷静に、しかし勝利への執念はしっかり持って王者横浜を追い込んだ。頭を強打しながら歯を食いしばって戦った闘莉王、痛い足を引きづりながらゴールを狙い続けたエメルソン(最後の退場はちと気の毒)、素晴らしいコースのFKを叩きこんだ三都主。いずれも賞賛に値するだろう。

 でも、最後の最後、勝負を分けたのはやはり経験の差、「勝ち方」を知っているかどうかの差だった。岩のように動かずPK戦に「持ち込んだ」岡田監督の采配、中西のプロフェッショナル・ファウル、そしてPK戦での上野とドゥトラの落ち着き。特に、上野のキックには本当に驚かされた(あれ、山岸が飛ばなかったら終わりじゃん)。横浜の中心選手は浦和に比べてだいたい5歳くらい年上で、今がピーク。伸び盛りの浦和は挑戦し、はね返されたということか。

 考えてみれば、FC東京も浦和同様に若い構成のチーム。色々と考えさせられる結果ではある。来年は、ウチがこの2強に挑むことになるのだ。


昨日、泊めてくれた彼がパーティーに持ってきていた「本格焼酎 浦和の涙」(笑)。

 

 元ラグビー選手であるうちの父と、先日の「ジャパン恥さらし欧州遠征」の話なぞをする。父曰く、「十分な準備ができないのなら行くな。相手に対して本当に失礼だ」。全くその通り。さすが俺の親父である。


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