11月10日(水)

 松沢呉一著『60分ロマンス』(ポット出版)読了。あとがきにも書かれているように今回は「体験編」ということで、風俗業界の事情モノが中心だったこれまでの「風俗ゼミナール」シリーズとは違い、松沢さん自身の直接的な体験を描いたコラムを集めた形になっている。だからテーマも描写も具体的で基本的には楽しくスイスイ読めるんだけど、その一方で、親しい風俗嬢たちとの「お別れ」の話も多くなっている。何しろ風俗というのは、移動や出入りが激しいのである。人間関係というものについて考えさせられるというか、切ないというか。特に「風俗妻第一号」と「辞める季節」は涙なくしては読めない。


11月9日(火)

 安彦良和著(?)『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック』(角川書店)読む。安彦先生がペンを使わず筆1本でマンガ版を書いているという話にはいたく感心させられた。なるほど、あの独特のタッチはそうして生まれますか。

 ちなみに、ガンダムの試作1号機が「史上初のモビルスーツ同士の戦闘」をした、という記述は間違いですね。マンガ版ではその前にタンクとかキャノンとかいたわけだから。

 

 つれの買ってきたサッカーダイジェストを読む。今まで見てきたダイジェストの中で最高の表紙だ、今号は。これで今週一杯は幸せの余韻に浸れる。週末になったら、また次の栄光への挑戦が始まるんだけど。

 

 米軍のファルージャ総攻撃の愚かさについては明らか(どこかに「テロリストの本拠」があって、そこを制圧すれば「一掃」しうるなどという発想自体が馬鹿げている)だと思うが、その暴挙をあっさり全面支持しちゃうのが他ならぬ日本政府だという事実には(いつもの事とはいえ)怒りを通り越して情けなさを感じる。ファルージャ周辺で逃げまどっている人々、そしてサマワでじっと耐えている自衛隊員の皆さんには本当に申し訳ない。


11月8日(月)

 ユーロスペースで高橋洋監督『ソドムの市』観る。蕎麦屋の大殺戮(の反復)や新幹線脱線(ある意味タイムリー(笑))の場面には大ウケできたし、テレーズがソドム一味の車に飛びすがってからのドタバタは間違いなく今年度NO1シーン。見せ場は次々と訪れ、終盤の松村連行とB29の東京空襲・大暴動によるカタストロフまでは「傑作」の2文字が頭に浮かび続けたほどであった。でも、いかんせんラストがなあ…。「無限地獄」を表現したつもりなんだろうがそうは見えず(大勢で頑張って血糊を撒いてるだけだ)、まとめること自体を放棄した終わり方にはやや白け気味。残念だ。市とその他の男連中が皆死んで、仁王立ちのテレーズと起きあがるキャサリンが向かい合ったところで終わり、とかだったらとてつもなく感動したと思うのだが。結局、高橋さん自信が「映画秘宝」のインタビューで語っていたように、因果応報的プロットとマブゼ的アナーキズムを両立させるシメ方ができなかったということか。

 

 夕食は、渋谷麺喰王国の「[keiz]」で味玉らーめん。太めのストレート麺うますぎ。味玉もチャーシューもトロトロの柔らかさでグー。でもスープが、というより大量にのせてあってスープに混ざってしまうタマネギのみじん切りがミスマッチだった。普通のネギなら「スープが主、ネギが従」だけど、タマネギだと主張しすぎるんだよね。

 

 帰宅後、昨晩録画したテレ東のナビスコ決勝特番を観る。予想通り目頭を熱くさせる内容だったが、特に良かったのはクラブハウス(小平)の食堂のおばちゃんたち。テレビで応援していて「PKはGK(つまり土肥)次第」という話になって、(心配そうに)「だから可哀想なのよ」って…。東京の選手たちには帰るべき家があるんだな、と感動した。あと、藤山が「アマラオと一緒に取れれば良かった」と言ってくれたのは、お決まりの台詞とはいえやはり嬉しい。

 TOOさん、クライマックスでインタビュー受けておいしかったですな(笑)。


11月7日(日)

 午前中、起きてメールチェックしようとノートPCのスイッチを入れたら、「ピー」とかん高い音が鳴り続けて起動しない。あわわわわわわわわ、どうしよう。ムチャクチャ焦った。とりあえずスイッチ切ってもう一度やり直して…「ピー!」。ひえー!こいつは困った、何しろ今の家に引っ越してから、都合4ヶ月程度全くHDのハックアップをとっていないのである。

 結局何度も何度もスイッチオンし直して、その上キーボードやらなんやら手当たり次第に触りまくってたら、十何回目かでようやく起動した。…でももう一回シャットダウンしたらもはや二度と起動しないかもしれない…慌てて外付けHDにバックアップ開始。USB1.0接続なので、4時間以上かかるのだが。

 

 というわけで、今非常にPCが不安定な状況で更新中。明日からしばらくこの日記が更新されなかったりしたら、まあそういうことだと思って下さい。…いかんなあ、よりによってこのくそ忙しくて金かかりまくりな時に。


11月6日(土)

 味スタでJ第12節。FC東京 1−1 大分トリニータ。暖かい秋の日差し、どこかのどかさの漂うスタンド、懸命に戦う選手たち。ピッチ上の顔ぶれには世間的な「スター」が少なく、試合は膠着して…ちょっと誇張して言うならば、J2時代を思い出させるような試合だった。大分にはサンドロとか高嵜とかいるし。

 前半の前半、茂庭もジャーンも石川もケリーも文丈もルーカスもいない布陣で戦う東京が優勢に試合を進めるのを見て、本当に感心した。「層が厚くなる」(紛れもない原さんの仕事だ)とはこういうことか、と。ただ、ボールはけっこう支配しているのに決定機はなかなかつかめず、微妙に停滞した雰囲気で0−0のまま前半終了。攻撃のセンターラインが祐介−憂太−宮沢だと、楔のボールを力ずくで処理しようとする祐介とテクニシャン憂太の折り合いが悪く(しかも憂太は出来そのものが悪かった)、その後ろの宮沢は成功パスが左右への散らしばかりになってしまい、サイドアタッカーが一対一で抜かないとチャンスに至らない感じであった。飛び道具の戸田も今日は不発。

 一方、守備の方は藤山・増嶋コンビが真ん中を固めたわけだが、気合が空回りしがちな増嶋に対し、藤山は的確なポジショニングと読みで好プレイを連発、先日の試合に引き続きスタンドの喝采を浴びていた。その姿はさながら「藤山先生」という感じであったが、増嶋君はちゃんとフジの背中から学んでいるだろうか?頑張れ。

 後半、祐介→ルーカス、宮沢→梶山、さらに憂太→阿部と10分おきに交代。あまり機能していなかった選手を代えていく正攻法の采配によりゲームが動き出す。ルーカスは抜群のテクニックにより前線でためを作り(ただしシュートの局面では宇宙開発)、梶山は思わずため息が漏れるような優雅な切り返しを連発して大分DFを翻弄(だけどその後のパスが…)。阿部の投入で得点の匂いが強まり、そして残り10分を切ったところで阿部がサイド突破から低い弾道の素晴らしいクロス!それにルーカスがうまく合わせて東京先制!!「主力を温存して若手に経験を積ませ、最後ちょい出しして勝つ」という思い通りの展開だと思えたのだが…。

 さすがに120分余の激闘の後中2日は辛かった。終盤は加地・金沢がほとんど動けなくなり、サイドの守備は弱体化。で、残り4分で右からのクロスを高松が素晴らしいシュートでゴール右隅に決め、1−1。そのまま試合終了。終わってみれば、いつも通りの東京だった(笑)。まあ、お疲れさんということで。

 

 試合前、新潟地震への義援金テントがメインとバックに設けられていたが、さすがに石川・茂庭が揃ったバック側の方がすごい行列だった。

 同じく試合前、土肥ちゃんのJ1連続試合出場記念の花束贈呈役は堀池だった。「粋な計らい」とはこういうことだね。新旧守護神。

 ナビスコ優勝記念のポスターと写真集が早くも販売されていたのには驚いた(負けたらどうするつもりだったんだ(笑))が、もちろん速攻で購入。

 ナビスコ決勝当日のトーチュウ特別版と翌日のトーチュウをくれたぶらっくばす氏、どうもありがとうね。

 スタンドでおがんさんを見かけたので軽くご挨拶。「好青年」とか書かれてますけど、それはきっと何かの見間違いでしょう(笑)。

 

 夜、銀座のオシャレなレストランで佐々木尊雪老師はじめ友人たちにお祝い(何のお祝いかはもうちょっとナイショ)をしてもらう。皆で昔の写真とか「東すか」とか見ながらワイワイガヤガヤ、美味しい料理で赤ワインをガブガブ。「そろそろ白目むく頃か?」「オヤジはすぐ寝るからなあ」などとからかわれる。うるせー(笑)。

 同じく銀座のバーで二次会やって、0時頃に有楽町の交差点のところで散会。横須賀や湘南地方に住んでる連中はそんな時間から帰宅することが可能なんだろうか、とも思ったのだが、こちらも既にだいぶ酔っぱらっていたので余裕なし。家へ直行。

 帰宅して、寝る前にWEBを見ていてうっかりコップを倒してしまい、キーボードに水がかかった。さほど大量ではなかったので「乾かせばいいか」とそのままシャットダウンして布団に入ったのだが…。


11月5日(金)

 夕食は、近所のスーパーで買った鯖の揚げ物・ポテトコロッケ、鰹の叩き、自作のピータン豆腐、山口宇部空港で買った巨大明太子。

 食事をとりながらTBSで日米野球を観る。シーズンオフで客層も普段の興業と違うだろうから仕方ないのかもしれないが、場内の雰囲気に元気が感じられず、寂しいとさえ思わせるほどであった。アナの必死こいた興奮実況と画面・場内音声から伝わる空気の間にギャップがあったような。

 

 町山智浩著『底抜け合衆国 アメリカが最もバカだった4年間』(洋泉社)読了。1週間ほど前から読み始めて、ちょうど佳境(ハワード・スターンやマイケル・ムーアの闘い…)に差しかかったところでブッシュ再選、すなわちアメリカが最強バカである時代があと4年も続くことが決定。読み終えて残ったのは虚しさと悲しさである。日本でも「共和党が勝ったのは日本の国益にかなう」「テロに屈しないブッシュの再選はいいことだ」などと言っている人がいるようだが、そういう人達は人類全体の環境(エコロジーに限らず「平和と安全」の問題等も含めて)の悪化についてどう考えているのだろう。既に気候は狂い、世界の多くの地域がテロの危険にさらされるようになった。南極の氷が溶け始めた時、後悔してももう遅いかもしれんのだぞ。

 そして、今の日本はひたすらそんなアメリカの後押しをし続けているのである。悔しいことに。


11月4日(木)

 昨晩のいい気分から一転、朝一番で「ブッシュ再選」のニュース。……今のアメリカ人って本当に馬鹿たれが多いんだな。日本人に言えた義理ではないかもしれんが。町山さんの冷たい怒りに深く共感する。

 朝方ダービー君とつれと散歩していて、家の裏に並んでいた木が一列きれいになぎ倒されているのを見て愕然とした。他にも山肌がえぐれていたり谷が崩れていたり…もうとにかくあちこちに疵痕が。東京の真中にいてはわからない台風の威力。

 

 午前中、NHK−BSでNBA。サンズ 112−82 ホークス。田臥は終盤に出場して7得点1アシスト。バスケは最近あまり観てないので何とも評価ができないのだが、このゲームの中で見る限り、ストロークの短く鋭いパスは通用するものがありそう。素晴らしいタッチの3ポイントシュートも決まったし(場内大喝采!)、試合後の厳しいコメントとは裏腹に本人は自信を得たのではないだろうか。

 

 昼前にダービー君を洗う。毛の根元まで濡らされるのがいやなのか、逃げること逃げること。最後は胴輪をかけてがっちり押さえ込んでがしがしやってしまいました。で、嫌われちゃうかと思いきや、散歩に連れて行くとすぐにご機嫌になってにぱっと笑うのだが。まあかわいいわな。

 夕方の飛行機で東京へ帰還。夕食は、空港で買った焼き鯖寿司と焼き秋刀魚寿司、茸と豆腐と長ネギの味噌汁、ホウレン草の煮物。

 

 夜、ビデオで昨日の試合の復習。後半半ばまで東京が一方的な攻勢を受けることなく試合を進められたのは、浦和側が冷静さを欠いていた(判定にいちいちヒステリックに反応しすぎだよ君たち)ことに加え、両サイドに戸田・石川を揃えて逆襲のプレッシャーをかけ続けたこと、そしてジャーンの退場に対して文丈→藤山の交代でバランスをとった巧みな選手交代も大きかった。後半の憂太・梶山の投入も、各自の消耗度と残す武器のバリエーションを考えたら妥当な選択だろう。原博実は、古巣浦和に対して、この上ない舞台で見事復讐を果たしたのだ

 そして、超結果論だが、ジャーン退場で守備の中心が茂庭・藤山・今野の3人になったのは怪我の功名、かえって良かったのかもしれない。今野は周知の通りJ屈指の守備的MFだが、東京においては時々マークの受け渡しで躊躇したり、攻守の案配が中途半端になって活躍しきれないことがある。だから、もう守りきるしかなくDFラインの前のスイープ役を1人でこなさねばならない、という状況は実は今野にぴったりだったのではなかろうか。また、藤山+茂庭のコンビは普通の相手ならばジャーン+フジやジャーン+モニに比べてバランスの悪い組み合わせだが、昨日は浦和が相手、セットプレーの危険は棚に上げてもボールの動きに対する読みやカバーリングの能力がより重要な試合であった。そういう意味では、正面勝負には強いがややスピードに乏しいジャーンよりもフジの方が適任だったのではないだろうか。さらに、「元ガスの検針員がリーグカップを掲げる」という藤山のストーリーも、ファンの涙腺を刺激しまくっているに違いない。ジャーンにはこれからまた活躍してもらうとして、昨日に限っては藤山が出られてよかったのだと思う。

 ま、とにかく、これで1部昇格以来のタイトルを獲得したということで、チーム・選手のあり方も、サポーターの意識もこれから大きく変わるのだろう。もちろんできるだけポジティブな方向へ行ってほしいし、そのためには僕たちだって自分なりにできることをやらなくてはならないのだろう。とりあえず原さんとのつき合いはまだまだ続きそうで、安堵したよ。

 村林さん、泣いたんだろうなあ。こういう泣ける文章も書かれてるし。

 東すか3号で「守れ!東京!!」なんて特集をやっておいたのも、今にしてみれば当たりだったかもしれんね(笑)。


11月3日(水)

 午前中から叔父の葬儀。お偉いさんがズラリと並んだ列席者を横目に、またしても読経の間は冷静にやり過ごす。ちょっとグッと来たのはやはり出棺の時。もはや二度とこの目でこの姿を見ることができなくなるのだ、と考えるのはやはり辛い。

 で、バスに乗って火葬場に行って2時間ほどかけて葬ってお骨を拾って、またバスに乗って帰ってきたら、時計は3時を大きく回っていた。慌ててBSフジにスイッチ・オン。ナビスコ杯決勝は、後半20分を過ぎたところだった。

 

 FC東京 0−0(PK4−2) 浦和レッズ。決戦。そして、勝ったのだ僕たちは。

 後半半ばを過ぎて、人数で劣る東京の選手たちの動きが落ち始める。次々と打ち寄せる赤い波。懸命にはね返し続ける、青き衣をまとった男たち。絶体絶命のピンチが幾度か訪れたが、ある時ははるか敵陣から長髪のサイドアタッカーが駆け戻り、ある時は髭の坊主が低い姿勢で敵に食らいつき、またある時は小柄なCBが鋭い読みで最後の一線を守り通す。動きは鈍っても、決して足が止まることはなかった。そればかりか、彼らは、動かない足を引きずりながらも、自らの手で勝利をたぐり寄せようと遠い遠い敵陣目指して駆け上がろうとするのだ。普段から走りまくる選手も、いつもは「軽い」などと批判を受けがちな選手も、若いのも、ベテランも、大きいのも、小さいのも関係なかった。皆が120分、そしてその後も集中力を保ち、闘い続けた。そんな男たちに対して幸運も味方し、PK戦の末、日本代表右SBのシュートがゴールネットに吸い込まれる。瞬間、国立競技場に歓喜が弾けた。両手を挙げて飛び上がる青い1万数千人、沈黙する3万数千人。ついにやってきた、FC東京初タイトル獲得の時が。

 とにかく、ひたむきで泥臭い、東京らしさ満点の試合で栄冠を手にできたのが最高である。ちょっと陳腐な言い方かもしれないけれども、これは部活サッカーの勝利だ。みんなよく守った。頑張った。土肥ちゃんも、茂庭も、藤山も、今野も、金沢も、加地も、文丈も、梶山も、憂太も、戸田も、石川も、ケリーも、ルーカスも、ジャーンも、阿部も、塩田も、そしてスタンドのサポーターも(いつも通りのノリの応援だったのが嬉しかった)。 

 原監督、泣いてたね。 勝った瞬間、今日はピョンピョンでもジャンピングガッツポーズでもなく、「らしくない」猛ダッシュを披露。ヒロミにタイトルをプレゼントできて、本当によかった。素晴らしい勝利だ。 

 そう。FC東京は、今日、誰よりも強かった。

 

 試合後、何人もの方からお祝いのメールをいただく。どうもみなさんありがとう。周りにいた親戚からも「すごいのう!」とか言われることしきり。大会の知名度等に関わらず、やはり「優勝」という言葉の響きは、世の見る目を変えるのに大きな効果を持っているようである。今までサッカー以外の友人や仕事仲間と話していても「日本代表選手誰がいるの?」「まあ4位がいいとこだろ。よく頑張ったよな」などと半分小馬鹿にされるような事が多かったのだが、加地の代表スタメン化といい、どうも今年は大きな転機になりそうな雲行きである。

 夜は精進明けということもあって、色々なつまみを傍らに置いてひたすらビールをあおる。1人で大瓶5〜6本分は飲んだかな?うまかったなあ。この世にこんなにうまい酒があるのか、ってなくらいにうまかったよ。

 で、結局飲み過ぎて、やっぱり最後はよく覚えていない(笑)。

 とにかく悲しみと喜びとが交錯した、長い1日だった。


11月2日(火)

 昼前に家を出て、羽田から山口宇部へ飛ぶ。昼飯は羽田空港内の中華料理屋「彩鳳」で海鮮焼きそば。山口に着いたら明日の晩まであっさりしたものしか食べられないとわかっていたので、ややこってりしたものを食べてみた。現代都会人の精進意識なんてこんなものよ(笑)。

 夕方、小さい頃から世話になっていた叔父の通夜。もう癌で長くないということは知っていたので、正直動揺はあまりなし。弔問客の多さに感心しながらボーッとお経を聞き流す。畳座りには慣れていないので、とにかく足が痺れないか心配だった。

 とは言え、夜中に線香の番(火を絶やさないようにしないといけない)をしている時、ほぼサシの状況で遺体と向かい合うと、さすがに色々な思いがこみ上げてくる。とにかく癖のあるというか欠点の多い人だったが、一方で懐が深いところもあり、また僕にとっては時折見せる愛嬌が印象的であった。最後の方は僕のことを一個人として尊重してくれたしね。この人がいなくなったことで、確実に大きな穴の空いてしまった部分がある。

 夜、精進中なので、松茸を食う。何が精進やねん(笑)。かさのでかい、20cmくらいあるヤツ。突然変異っぽくてちょっと『マタンゴ』が頭をよぎった。が、焼いて食ったらやっぱり松茸だった(当たり前だ)。美味なり。

 

 で、結局楽天なのか。へー(アクセントなしの冷たい声で)。


11月1日(月)

 結局、11/3に東京にいないことが確定。というわけでナビスコ杯の決勝には行けまへん。血のつながった親戚が亡くなったというだけでもう相当に悲しいのに、ましてそれで晴れの決勝が観戦できないとは。残念にもほどがある。

 というわけでバタバタした1日だったが、夕飯くらいはゆっくり美味しいものを食べようと近所のイタリア料理屋へ。料理をオーダーした後で店員さんが「パスタは最後でなくていいですか?」と聞いてきたので「はて?」と思ったのだが、とりあえず「普通にお願いします」と答えておく。で、前菜とサラダを平らげ、魚介のリングイネをペロッといただき、メインの牛ソテールッコラのせを完食し、それでもちょっと足りなくてキノコのリゾットを追加注文したところで店員さんの質問の意味がわかった。要するに、パスタを「シメ」の料理とするかどうかを聞きたかったのだな。そういや僕たちは米とか麺とか小麦系の料理を「主食」とみなし、肉やら魚やら野菜やらを「おかず」と呼ぶわけだが、イタリアンのコースとかだと麺→肉・魚の順序になったりするんだよな。そこら辺の「順序の感覚」の差って、いつか調べてみたいところではある。

 

 夜中、WOWOWの録画でリーガ。ビルバオ 1−1 バルセロナ。バルサにしてみたら、この引き分けは納得のいく結果だろう。ビルバオはホームだとアウェイの3倍の力を発揮するから。ああいう地域的な熱狂の選手への伝染というのは日本人には理解不能なんだが、まあとにかく強い。ただ、その代わり、アウェイだとホームの3倍弱いとも言えるんだけどね(笑)。

 

 というわけで、明後日の決戦が観られない悲しみのあまり(嘘)、明日から3日ほど旅に出る予定。FC東京の選手、スタッフ、サポーター、その他諸々の関係者の皆さん、本当に頑張って下さい。当日ははるか西の彼方から霞ヶ丘目がけてグググーンと念波を送りますわ。で、三都主あたりが急に頭を押さえてうずくまって、ボカーンと頭が爆発……って『スキャナーズ』か(笑)。

 ま、冗談はともかく、今までの経験上こういう形勢不利っぽい時に限って案外勝つかも、とは思っているのだが。


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