7月10日(土)
夕方、ビール片手にプロ野球オールスター第1戦。全セ 4−8 全パ。松坂の156km剛速球に、城島らダイエー勢と中村ノリの豪快なホームラン。パ・リーグがその魅力をいかんなく発揮した試合であった。が、しかし…。今の形でのオールスターは、今年で最後になってしまうのだろう、このままだと。何とももったいない、というか悲しいことだよね。
考えてみよう。単なる「競技」と「興業」との違いは何か。それは様々な物語を生み、さらには世間に流通させるための「仕掛け」あるいは「舞台装置」の存在であり、野球で言えば日本シリーズとオールスター、つまりは2リーグ制こそがその最たるものだろう。それを(他の様々な歪みを正すこともなく)むざむざ捨ててしまうとは、僕には狂気の沙汰としか思えない。勝率1位と2位の日本シリーズ?東西対抗のオールスター?Jリーグの不合理さをさらに拡大したような制度になるのかな(笑)。
途中から2画面にして、J2を横目で。湘南 3−2 仙台。仙台の失点のうち、2点目と3点目。どうしてDFはあれほど集中力を欠いたプレーをしてしまったのだろうか。暑さのせいか?それとも、それぞれチャンスと得点の後だけに、気持ちの切り替えがきかなかったのか?こういう試合の落とし方をしていては、最後で帳尻が合わなくなるのが歴史の教訓。もっとクレバーに勝点を拾っていかないと…来年俺「閣」で牛タン食えないじゃーん(笑)。
ゲームセット後、酔いが回って爆睡。目が覚めると午前2時半頃で、TBSで『AKIRA』をやっていた。10年ぶりくらいに見直したのかな?やっぱり原作よりエグいというかグロいというか…。カオリって言ったっけ?あの女の子がグシャっと潰れちゃうシーン、あれは夜中に見るもんじゃないなあ。金田のアクティブさがよく表現されているのはいいと思ったけど。
7月9日(金)
夜、引っ越し(こちらも!)の準備で落ち着かない仕事場を飛び出し、日テレでキリンカップ。日本 3−1 スロヴァキア。戦術的にもメンバー的にも目新しさはなく、内容的にも「まあキリンカップだな」という感じの試合だったろうか(笑)。ゆったりしたパス回しから弓を射るように前線へパスを打ち込む攻撃はいつものジーコサッカーだが、今日は司令塔小野が不在で、おまけに加地とアレックスが全然上がらないもんだから俊輔に負担がかかりまくり。「俊輔ワンマンショー」と言えば聞こえはいいが、多彩な攻撃を期待している向き(僕のことだが)にはあまり面白みの感じられない試合だった。自作自演の大ピンチもあったしね。
柳沢が残り15分で出てきた時には「こんな使い方ならメッシーナ行かせてやれよ!」と思ったのだけれど、でも点が取れたのはよかったねえ。つーか、この得点で通算13点は、彼の才能を考えればどう考えても少なすぎる。彼ももう27歳だし、次のイタリア行きがおそらくラストチャンス。生ぬるいチャンスメーカーで終わるか、総合力の高いストライカーとして目覚めるか。手遅れでないことを祈りたい。とにかく早くメッシーナにGO!だ。
試合前のジーコのコメントは笑った。「中田・小野の不在は問題ない。誰が出ても強さを維持できるチームにしないと」(←細かい言い回しは忘れたが、だいたいこういう内容だった)って、あーた。じゃあ、あの「黄金の中盤」を中心とした海外組へのこだわりはなんだったのよ、というか。彼の脳味噌には独特の消去機能があるようである。小泉純一郎のように小ずるいのか、それとも単なるア○なのか(笑)。ま、好意的に取ればジーコも監督として着実に成長しているということなのだろうけど、でもなんで僕たちの日本代表が未熟な外国人監督の成長に貢献し、おつき合いせねばならないのかという疑問は残るな。
7月8日(木)
夜、西新宿の中華料理屋「富城屋」で飲み会。一応主賓は僕、なんだが、ビールに焼酎をガンガン飲まされて、もう9時頃から何が何だかよく覚えていない。気がついたら、帰りの丸ノ内線を2つほど乗り過ごして方南町にいた。で、歩いて帰ろうとして道に迷った。アカン。
7月7日(水)
午前中、中野区役所で諸手続。受付の職員さんたちは非常に親切で好印象だったが、しかし建物はちょっとボロいな。ロビーが薄暗い感じなのが特に良くないと思う。何とかならんものかなあ、ただでさえ役所ってイメージ悪いんだからさ(笑)。なんでも中野サンプラザを民間と共同で買う(今は国の独立行政法人の持ち物)という話があるそうだが、そんなところに金を使わないで区役所直したらいいんじゃないかと思うんだけど。今は役所の建物とかにお金かけると、無条件に怒られちゃうのかな?
7月6日(火)
引っ越し疲れ。ひたすら眠い。意識モーロウ。夜飲みに行ったような気もするが、もしかしたらホントに気のせいかもしれない。
7月5日(月)
日付が変わっても、東の空が明るくなり始めても、延々荷造りは続く。気がつくと徹夜していた。
欧州選手権決勝は、作業中にTBSの中継を流し見。ポルトガル 0−1 ギリシャ。 何なんだろう、あのギリシャの守備の堅さは。決勝トーナメントに入ってからの3試合、ついに最後の最後まで、1点の綻びも見せずにゴールを死守。組織力も集中力も文句なし。単なる「守備的」などという範疇を超えた、優勝に相応しい素晴らしいサッカーだったと思う。一方、そのギリシャを相手に散ったポルトガル。美しかった。ルイ・コスタの闘志も、フィーゴの超絶テクニックも、そしてクリスティアーノ・ロナウドの瞳からとめどなく溢れる涙も。残念ながら1点をもぎ取ることはできなかったけれども、「らしさ」は存分に見せてくれたと思う。敗れたからといって全く恥じる必要のない戦いぶりだった。
しかし、国内リーグが繁栄したいわゆる「強豪国」が決勝に残ることができなかったという今回の結果は、やっぱり欧州CLの流れがそのまま続いているということを意味しているのだろうか。これをまた変な方向へ解釈(「やっぱり個人でなく組織だ」とか)する向きが出てきそうなのがイヤな感じではある。「組織力」の高さと「個人能力」の高さ、追い求めるべきはどちらかではなく、あくまで両方なのである。もっと正確に言うと、「個の良さを最大限に生かす組織」が理想ということかな。
ま、それにしても今回のEUROは、引っ越しのゴタゴタもあって数試合を観たにすぎないけれども、それでも欧州サッカーのレベルの高さと国別対抗戦独特の熱気の一端くらいは感じ取ることができたような気がする。欧州の人は羨ましい、とも思うのだけれど、今のEUROの熱戦があるのはやっぱり彼らがこの大会を重視し、大切にしてきたからに違いない。ひるがえってアジアカップは…できるだけ真面目に観ようっと(笑)。
朝になり、引っ越し。26年間済んだ南青山を離れて、今度の住まいは中野区某所(って、過去の日記を見たらバレバレなんだが)である。中野に済んでいるのに『高樹町日記』はおかしいのではないかとも思ったのだけれど、しかし今さらサイトのコーナーを変更するのもめんどくさいので、とりあえずこのまま続けることにします。今後ともよろしく。
というわけで、夜中まで延々荷ほどき。にもかかわらず、未だ部屋の中は段ボール箱だらけ。頭の中は収納のことで一杯。
昼頃、NHK−BSでシドニー五輪のサッカー日本×アメリカ戦のダイジェストをやっていて、ちょっと見入ってしまった。あの頃はトルシエ・ジャパンが軌道にのってきた頃で、選手の動きもよくトレーニングされたものだし、メンバーもかなり豪華(今そのままのメンツが代表のスタメンになってもおかしくない)だし、非常に面白い。後半ロスタイムに酒井が与えたPK、あれは未だに痛恨だよなあ。サッカー観ていて心底「時計の針を巻き戻したい」って思ったのは、ドーハの時とこの試合の2つだ。ああ、ホント、メダルを獲る絶好のチャンスだったのに…。
午後、秩父宮ラグビー場でテストマッチ。日本 19−32 イタリア。世界ランク11位のチームだけあって、イタリアの防御はなかなか強力だった。バックスの脚力にも唸らされるものがあった。ただ、彼我で明確な差を感じたのは、判断力と、あとチームとしてのフレキシビリティーの部分だったと思う。前半キックを多用して相手を走らせようというプランがうまく行かず、逆にカウンターをくらって劣勢に立たされた状況で、ハーフタイムまでに修正は効かなかったものか(修正以前にチーム戦略としてどうだったのか、という問題はあるが)?イタリアの方は、セットで優位だとわかるやゴリゴリプレッシャーをかけてきて、日本の大外防御が弱いと判明するとキックを蹴り返さずにカウンターを徹底した。大畑の信じがたいインゴール・ノックオンも、ゴールラインへ向かってダイブしたこと自体はあまり責めたくない(その方が雰囲気は盛り上がるのだろうから)が、それよりも位置が外寄りだったのだから、中央へ回り込もうとしなければならない場面だったと思う。前半終わり頃、PGなりDGなりで差を詰めておけばいいものを無理にトライ取りに行ってボールを失ったり、終盤6点差まで追い上げた時も平尾が訳のわからんタッチキックで相手にボール渡しちゃうし…。あれでは勝てない。
萩本ジャパンの試合は初めて生で観たのだが、チームの状態はあまり良くないように見えた。試合中、全然声が出ていない。だからチームとしての意思統一もできていない。それが上で書いたような判断ミスにもつながっているのだろう。伊藤剛臣が「みんな、もっと周りの声を聞け!」とか怒鳴っていたけど、彼一人で頑張っているような感じなんだよね。他の大物、箕内とか元木とかは「プレーで示す」タイプなのも辛い。キックフォーメーションなのにFWがモールでゴリゴリ押して行っちゃって、ついて行けないバックが慌ててキックミス、なんていうみっともない場面まであった。やはりスタンド観戦していた森末さんによれば「最初のセットがうまく行かなくて、萎縮した感じ」であったけど、そのセットプレーの時もプレーが開始する前にボールに集中できてない選手が多くて…。「早く、相手より先にセットして、仕掛ける」のは日本ラグビーの生命線のはずなんだけどね。とにかく、ちょっとチームが締まっていない印象だった。
期待のSO森田は、キックにバラつきがあって思うようにプレーできず、2戦目で軽く洗礼を浴びた形に。彼はロングキックだけでなく速く正確なパスという武器も持っているので、もっとそちらを生かすプレーを見たかった。つまらないキックマシーンにだけはなってほしくない。まあ、この選手に関しては長い目で見ましょう。いいものを持っているのは確かなのだから。
試合中、スタンドからは「勝てない相手じゃないよ!」という声も飛んでいた。僕もそう思った。実力上位の相手でも、ホームの利というのは確かにあるはずなのだ。でも、こんな下手くそな試合運びでは、勝てるものも勝てないとも思った。いつまで続くか、日本ラグビーファンの忍耐。
夕飯後一旦爆睡し、夜中に起き出して、M・シューマッハーの快走を横目で見ながら引っ越しの荷造り。
7月3日(土)
一日、新居で家具の搬入・組み立て。いや〜、お金を
ケチって節約して自分で組み立てる事にしたんだけど、ちょっとナメてましたな。「10個くらいパーツがあって、それをチャッチャと組めばいいんだろ」と考えてたら、とんでもなかった。とにかく部品点数の多いこと!ガンプラに喩えれば、HGじゃなくてMGだった(そしてモノによってはPGだった)、みたいな。特にセシールの棚類は難しすぎ。ただ、無印良品のブナ材デスクは組み立ても結構簡単で作りもしっかりしていて、さすがという感じではあった。
Jリーグオールスターは、夕飯を食った中野新橋のラーメン屋と自宅のテレビで流し見。花試合ということで馬鹿にする向きもあるだろうが、これはこれでなかなか楽しいものであった。石川直宏が前半2点に絡む大活躍で、見事MVPを獲得。久しぶりの出場ということで非常にノビノビ楽しそうにやっていたし(サッカー小僧だもんね!)、先制ゴールは左からのクロスに対して交差するように飛び込む新境地。リーグでもあの動きができれば、由紀彦みたいに得点でもいい仕事をできるようになるだろう。2ndステージ、期待してます。
しかし、実況の角澤、下手くそなのはまあ置いておくとして、あまりにも「アテネ世代」を連呼するんでやっぱりうんざりさせられた。五輪に向けて盛り上げたいっていう意図はわからなくはないんだけど、でも今日は「Jリーグオールスター」でしょ。「アテネ代表の石川、田中達也」じゃなくて「FC東京の石川」「浦和レッズの田中」なんじゃないのかね、まずは。
7月2日(金)
おとつい電話予約した東京×ローマ戦のチケットを買おうとampmでCNプレイガイドにかけるも、全然つながらず断念。しかしこのハイテクの世の中に、スゴイシステムがあったもんである。何が悲しゅうて、電話をつなげるのに二回も苦労せにゃならんのか
7月1日(木)
近鉄の球団社長がライブドアの買収オファーを無視し、「もう終わった話」などとコメントしているのを見て、何だか物悲しくなってきた。そりゃライブドアってのはあまり信用のない会社かもしれんけど、それにしてもファンへの説明も何も済んでないのに、「もう終わった」ですか。なんつーか、世界(視野)の狭い人たちだよね。
うん、そう。今回の、というよりプロ野球を巡る最大の問題は、「視野の狭さ」だと思うのだ。「1リーグ10球団にすれば試合の質も上がって、ファンは喜ぶ」という理屈は、人によっては一理あると思うかもしれないけど、でも日本最大のスポーツとしてはチンケな話だよね(笑)。そもそも、「試合の質が上がればファンは喜び、その数も増える」なんて想定自体がもはや成り立たないのではなかろうか。今の時代に「箱庭思想」は通用しないと思うぞ。衛星放送だって、インターネットだってできちゃったんだし。たかだか選手の質が1.2倍になったくらいで、本当に大リーグや他のスポーツに対して優位を維持できると思う?それよりも、ファンの「俺のチーム」に対する愛着や誇りを大事にするべきではないのかな。サッカーで言えば、浦和レッズは、質のいいサッカーをしてきたからあれほどの人気球団になった、というわけでは決してない。アルビレックス新潟も、ベガルタ仙台も、FC東京だってそうだ。野球でも福岡ダイエーといういい例があるじゃないか。
ナベツネをはじめとする球界のお偉方の理屈は、21世紀日本ではなく、高度成長期(「巨人、大鵬、卵焼き」ってか)かせいぜいバブル崩壊前の時代にフィットしたものなんだと思う。日本人の多くが同じ価値観を共有し同じ夢を追うことが可能、という幻想が流通していた頃の。だけど、今の時代は全体として集中から分散へ、単一から多様へと向かっている。そして今のプロ野球が向かっている方向は、明らかにそれに逆行したものだ。
もちろん、Jリーグが地域密着・身の丈経営を指向して安定してきたからといって、野球がそれに倣う必要はない。僕は別の論理・別の価値観を歓迎したい。とはいえ、客商売であり、それこそ「公共のもの」であるのならば、ファンという存在を軽視したらオシマイというのも確かだろう。時間は限られているかもしれないが、とにかくチームを愛してくれている人々の言葉に、もう一度耳を傾けてはもらえないだろうか。