6月10日(木)

 ついに30になってしまった…。ちょっとショックだ。いや、別に30代なるものがイヤというわけではなく、29歳という中途半端な年齢が心地よく感じられていただけなんだけどね。

 とかいいつつ、あちこちの知り合いに「やっべー!30になっちまったよ!!」などと相手が返答に困るようなメールを出しまくったりしちゃったわけですが。我ながらアホ。

 あ。ということは、浅利悟も30歳か。初めて彼のプレーを見た時は、まだ20代前半の若手だったわけだが(ということは、僕もそうだったということだな)。あれから色々な事があったし、同い年の選手(小峯、小池、加賀見…etc)が次々といなくなる中で、彼が健在でいてくれるのは本当に嬉しいことだ。お互いまだまだガクッと来ないようにしないといかんね(笑)。


6月9日(水)

 夜、鰻重を食いながら(←特に意味はない)NHK−BSでW杯1次予選。日本 7−0 インド。あわてず相手の出方をしっかり見ながらDFライン・ボランチでパスを回し、サイドハーフがある程度いい体勢になったところで展開、あるいは左右が空かなければ引いてきたFWに当ててから俊輔に持たせて展開orいきなりのラストパス。弱い相手に対するなりのサッカーの「型」ができていて、長い合宿とジーコ軟化(笑)の効果がきちんと出ていたように見えた。ただ、相手のプレッシャーが緩かった割には敵陣でのパス・連携の精度が低く、手放しで喜べるほどの内容でもなかったと思う。これがもうちょっと強い(個人の能力差で簡単には抜けない)相手になるとどうなるか、というのはアジアカップで見てみたいところである。

 前半の3点のうち最初の2点は、いずれも久保が持ち前の超人ぶりを発揮したもの。特に先制点は、こういうことが出来る男だとわかっていたつもりでも、思わず口をあんぐりと開けてしまうほどの凄さだった。なんつーか、もうアジアレベルは完全に超越してるんだろうな、と思える身体能力。相手DFも真面目にマークするのが馬鹿馬鹿しくなるのではないかしらん(笑)。ただ、こちらも、例えば韓国なりイランなりのDFにガチンコマンマークでやられた時にどうなるかを見てみたいよね。今の調子なら全然苦にせずクリアしてしまいそうだけど。

 で、前半の戦況を見てすっかり安心してしまい、ハーフタイムに爆睡。起きたら試合は終わってましたとさ(だから上の感想はあくまで前半のみに対してね)。ま、加地もあんまり活躍しなかったみたいだから、いっか。

 少し気になるのは、欧州遠征の内容の良さとこの大勝に乗っかる形で、煽り系のメディアを中心に「中田不要論」みたいなものが盛り上がる可能性がありそうなこと。えーっと、僕としては、中田に関してはいくらシビアな目で見たとしても、「不要などとは口が裂けても言えない」と思っている。それはもちろん「常に中田がメンバーに入るべきだ」という意味でもない。つまり、ここ数試合のようにシステムがうまく機能している時には中田がいなくても(他の選手でも)チームは回るのだけれど、そもそも中田が生きるのはそういう状況ではない。もっと厳しい、例えばW杯最終予選のヤマ場やW杯本戦のように、相手との力関係や環境によって日本の選手たちが本来の技術体力を発揮できず苦戦した時。そういう試合にこそ中田の強靱さ・クレバーさ・経験が必要となってくるのである。好き嫌いはあるのだろうけど、ちょっと今代表の調子がいいからって「もう要らない」なんて不用意にバッシングしたりすると、後でまた自分たちが恥をかくことになると思いますよ、マスコミの皆さん。

 

 アテネ五輪男子サッカーの組み合わせが決定。日本の同組はパラグアイ、ガーナ、イタリア……クジ運は予選の時に使い果たしていたらしい(笑)。


6月8日(火)

 夜にせっせと原稿書き。コラムといえども、つくづく複数名の共同作業なのだと痛感する今日この頃である。


6月7日(月)

 昨日、書き忘れたこと(東狂サポさんの書き込みを見て思い出した)。一昨日の試合で、キックオフ前の選手紹介の時、そして後半はじめの選手交代において、カズの名が呼ばれた時だけは東京側・神戸側を問わずスタンド全体から大きな拍手が起こったんだよね。あれは実にいい光景だった。カズくらいの選手になれば、どこそこのチームがどーのこーのいうレベルじゃなくて、まさに「日本サッカー界にとって大事な男」。自然と(と信じたいね)拍手も沸いてくるというものだ。賞賛に足る敵というのは、実際に存在する、もしくは絶対に存在するべきなのである。

 

 柳下毅一郎さんの5/30付の日記「小野は日本のベルカンプになれた才能だ」という部分にいたく共感。昔から日本のサッカーファン・メディアはMFにやたらファンタジーを求める一方で、FWには同じものを強く求めない傾向があるように思える。数年前に駒場で観た天皇杯浦和×柏戦、ペナルティボックス内で小野が出した三次元反重力パスは決して忘れられない。トルシエ時代の初期にも僕は「小野が前、中田が後ろだろ!」と思ってたんだけど、でも各々の所属チームの事情もあって、結局現実は逆になっちゃった。中田は剛健だけど、決してファンタジスタじゃない。生きるにはスペースも必要だ。小野はどこをどう切ってもファンタジスタで、スペースがあろうがなかろうが関係なくDFの裏をかける男。ゴール前での超絶技巧の連続、観たかったよなあ〜。ま、日本代表の戦績という意味では今の方がいいんだろうけど、伸二にはもっとずっと雲の上に行ってほしかった(今からでも行ってほしいと思う)。


6月6日(日)

 朝から大雨。あーあ。

 つーことで、昼前から某イベントの入口で傘をさして立ち番。正味2時間くらいしか働かなかったが、しかし足腰はガタガタである。蒸し暑い中で背広姿というのもシンドイし。てなわけで、若手の邪魔をしないように(←言い訳)とっとと後方へ退き、あとはビールと焼き鳥・たこ焼きで宴会。昼間のビールは効く。とにかくキク。超上機嫌なテンションでビール数杯、人にも散々振る舞って、気がつけばフクザワオーバーを散在しておりました。ビール1杯250円の場所なのに。ただのバカである。

 夕方、赤坂見附のエクセルシオールカフェでしばらく時間をつぶした後、「すっとこどっこい」で飲む。明るいうちから居酒屋に突入するのは実に気分がいい(同時に翌朝の気分悪さも約束されてしまうのだが)。さすがにきつかったので途中ウーロン茶も交えながらも、またビールをジョッキ数杯。これだけ飲んだにしては珍しく暴走しなかった(多分)のだけれど、それでも2度ほど居眠りしてしまった。誕生日まであとわずか、20代最後の宴会でありました。来週からはもっとオッサンくさく飲まないとな。


6月5日(土)

 昼間は、中野新橋で部屋の寸法を測ったりとか。ひっじょーに暑かったので道を歩いているだけでもうバテバテ。

 

 夕方、国立競技場でナビスコ杯第4節。FC東京 2−1 ヴィッセル神戸。もう怒りとか呆れを通り越して笑っちゃいましたな、穴沢主審には。試合のコントロールも何もなく(本人は「コントロールしてるぜ!」っつー意識だったのかもしれんけど)、完全に状況を把握できない視野狭窄ぶり。近藤祐介のドブレ・アマリージャもかわいそうだったけど、それと無理矢理釣り合わせたとしか思えぬヘンテコ退場をくらった播戸は全くお気の毒としか言いようがなく…。セットプレーをすぐ始めないとピーピーピーピーヒステリックに笛ならすし、そのくせポイントと壁との距離がデタラメだし、副審のオフサイド判定も極めて怪しかったし。なんかもう、最後は選手やファンの側が気を遣って、やっとこさ試合を無事終わらせた感じであった。やれやれ。

 内容的には、立ち上がりから両チームともあまりいい出来ではなかったように見えた。東京は1トップ近藤のポストプレーが不安定で、MFも右に規郎という無理な並びであったためになかなかサイド攻撃が機能しなかった。それでも戸田や今野の早いプレッシャーから試合を優位に運び、早めの時間帯にセットプレーで2得点。30m近いFKを直接決めた規郎の得点は、月並みな表現ではあるが、さながら「ロベカルみたい!」な豪快さであった。対する神戸は2トップ+藤本へ良いボールが供給できず、いい形になるのは右SBの朴がオーバーラップした時のみ。2−0で前半が終わった時は何の心配もないように思えたのだが…。

 後半、開始早々に馬場が負傷交代してしまい、東京はボールの収まりどころを失う。一方神戸はカズを投入してFW小島の位置を中盤まで下げ、前がかりに。一気に形勢は逆転。神戸は藤本が右に左によく動いて攻撃に活力をもたらし、後方からボールホルダーを追い越すプレーも増える。何度か決定的なシーンが生まれたが、そこはGK塩田が好セーブでしのいだ。後半5〜15分くらいの時間帯に1点でも入っていれば勝敗は全くわからなくなっていたと思う。で、そのうち東京は10人になって全く攻撃が組み立てられなくなり(あの布陣で吉朗にどうしろというのだ)、しかし東京が自陣に引きこもったことで神戸の攻撃もなかなか実を結ばない。残り15分、播戸のゴールが決まった時は一瞬イヤな雰囲気になりかけたものの、すぐにその播戸がアナザーワールドにはまってしまい(笑)、結局2−1のまま試合終了。

 石川も加地もケリーも梶山もおらず攻撃に決め手のない中、セットプレーの点を守りきるというのはある意味理想的な試合展開であって、きっちり勝点3をとったのだから全くもって満足すべき結果だと思う。ただ、個々の労を惜しまぬ頑張りから偶発的につかんだチャンスを生かすシーンに「部活サッカー」の香りは感じられても、その後の展開が「セクシーフットボール」からどんどん離れていっているのはちょっと残念だ(というような書き方は、いかにも「コトバに踊らされている」感じですね。失礼)。あと、好調ぶりを買われた近藤の抜擢も、東京の「1トップ問題」に解決の糸口をもたらすには至らなかったようである。個人的には、今日は吉朗の先発でも良かったのではないかと思うし、祐介君はサイドアタッカーとして使ってみてはと思うのだけれど、どうよ?

 

 夜、明日のイベントの準備をちょこっと手伝いに行く。晴れか雨かで準備することも全く変わってしまうので、固唾を飲んで天気予報を見守る……「雨の確率 70%」。駄目だ、こりゃ(笑)。

 しかし、若い連中はとにかく頑張っているんだけど、しかしその頑張りの方向がズレ気味だったりするのでハラハラさせられる。一言二言口を出したくなることしきり。ま、自分が若い時には同じ事を思われていたんだろうけど、ね。


6月4日(金)

 とんでもないっすね。コイツは男が人殺しをしたら(日夜しているが)「男も元気だ」、日本人が殺人したら(日夜しているが)「最近元気な日本国民が多くなってきた」、政治家が誰かの命を奪ったら(日夜奪っているが)「政治家は元気な人が多いですな」とかほざくのだろうか?

 で、元々同じ小学校にいた女の子の人間関係のこじれなのに、HPやらチャットやらを取り上げて「やっぱり危ない」「異常だ」とか騒ぐ人間が出てきそうな雰囲気なのもイヤだね。交換ノートがきっかけになったなんて話もあるけど、ならば「ノートは危険だ」とか言い出す識者(笑)が出てこないものか。

 あと、ついでに言うと、何万分の一かの確率で不幸な事件、あるいは異常者が出現したからっつって、こういうことをする人間って最低だと思う。でも、きっと多いんだよね、こうやってストレス解消している人。イケてない自分を(他者からも自己からも)隠そうとして人を罵る、という。我々もそれに近いものはあるのかもしれんが。

 要は、上の3つに共通していることだけど、世間の注目を集めるような異常事件をことさらクローズアップして、それを(なぜか)一般論化して誰か(あるいは何か)を貶めたり中傷したりする行為があまりにも平然と行われすぎているということかな。マスコミお得意の「特殊な部分の一般化」にこそ、みんなアブナさを感じて注意するべきだと思うのだが、逆にそれに乗っかっちゃう人が多すぎるのではないかと。


6月3日(木)

 夜中まで仕事。黙々と「頑張る」ことでこなせる仕事なら何時間かかろうと大したことはないのだが、頭使ってウンウン唸りながらアイデアを絞り出す作業を朝からこの時間まで続けたりすると、さすがにもう限界。甘いモノ、もしくは炭水化物(煎餅とか、パスタとか)がやたらうまく感じられるのは脳味噌がガス欠になっている証拠か?ちなみに、最近は丸彦製菓の「うに好き」にはまってます。小さい袋に分かれているので、食べ過ぎにならないのがグー。

 帰り、渋谷に着いた時には既に日付が変わっていたが、つい「じゃあ1杯やって帰るか」と言ってしまい(笑)駅前の魚民で1時半頃まで飲む。


6月2日(水)

 録画で、日本代表テストマッチ。イングランド代表 1−1 日本代表。後半イングランドが失速する一方で日本選手の体のキレが目立つようになったのは、おそらく向こうは長いシーズンが終わったばかりで欧州選手権に向けて体を作り直している段階、対してリーグ開幕後2ヶ月半の日本は色々な意味で選手の力がピークに近づいている、という違いが大きかったのだろう。ただ、前半の守備の粘りといい、後半途中までの「取り返してやるぞ」という気合の入り方といい、日本選手が着々とたくましくなっているのも確かだ。前半はボコボコに押されていたが、それにしてもアウェイでフルメンバーのイングランドとタイスコアに持ち込めるとは。つくづく時代も変わったものだと思う。

 ここ2試合でますますハッキリしたのは、「少なくとも今の日本には、3バックの方が向いている」ということではないだろうか。両サイドの加地・アレックス(アシストとなったクロスは良かった!)は元々3−5−2に適したタイプだし、後ろで常に3人+稲本(は骨折したが)が控えていれば「司令塔」小野も攻撃に参加しやすい。いきなり一光年先まで飛躍して「流動性重視」の4バックに拘っていたジーコが、日本選手の現状に見合ったシステムへ重心を移しているのは素直に喜ばしいことだと思う。ま、これでさすがに次のインド戦でいきなり4バックに戻したり、いきなり久保・玉田の2トップを変更したりということはないだろうな、きっと…。いや、多分…。いや、おそらく……。

 イングランドは、多くのプレミアシップのチームと同様、相変わらず懐が浅いねえ。中盤がスコールズ・ランパード・ジェラードだからそれも致し方ないところか?前半みたいにスコンスコンとパスがつながっているうちは攻めに迫力があるんだけど、でも後半みたいに脚が止まってくるとキープもできず守備に奥行きもなく、形勢挽回は困難だ。岡部幸雄風に言うと「ワンペース」って感じか。はっきり言って2002年からさほどチームとして進歩しているとは思えず(それなりに層は厚くなっているようだが)、リオを欠く今回のEUROは優勝までは届かないのではないのだろうか。


6月1日(火)

 夜、テレビ朝日で五輪代表強化試合。日本五輪代表 1−1 マリ五輪代表。マリの事情はよく知らないが、日本の方は「15人枠」への生き残りをかけたテストマッチということで、個々の選手が個別に頑張ろうとしている姿がかなり目立ち、むしろマリの方が組織的に戦おうという意志が強いように見えた。ああいう柔らかく幅広い体の使い方をする連中相手に本番編成の日本がどこまでシステマティックに対抗できるか見たかったような気もするが、それでも個々の経験は積めるし、本番で当たる可能性のある相手に手の内さらすこともないから仕方ないか。

 この試合の結果として、ポジティブな評価を受けると思われるのは大久保、松井、駒野、鈴木啓、森崎、今野、茂庭あたりかな。逆に山瀬や前田、根本、黒河は苦しくなったか。どうもOAで小野が使えなさそうな雲行きなので、阿部にはもうちょっと配球の精度を高めたほしいと思う。さて、山本さんはどう考えるかな。

 テレビ朝日には、この試合に勝つことでどうして「メダルの確率が非常に高まる」のか説明してほしいと思う。マジで。あと、松木氏は相変わらず異常なまでのポジティブシンキングぶりで、全然「サッカーの解説」になっていないのが笑える、というかあの監督で優勝できたんだから昔のヴェルディは余程強かったというか、当時のJリーグのレベルは何だかなあというか。

 

 ところで、「FUJI ROCK FESTIVAL」って富士じゃない場所で開催されてるって、みんな知ってた? 


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