昼飯は表参道の「クア・アイナ」で。ここのハンバーガー、前は焼き具合を選べたのだが、狂牛病騒動以降は自動的にミディアムにされてしまう。僕はもう少し生っぽいヤツの方が好みなのだが。
午後、渋東シネタワーでサム・メンデス監督『ロード・トゥ・パーディション』。安っぽいメロドラマにも馬鹿アクションにもならなかったのは、しっかりした構成の脚本と程良く抑えられた演出のおかげだろう。素直に楽しみ素直に感動できる良作だと思う。ラスト、家族の仇を討った親子が湖岸の家にたどり着いて「めでたしめでたし」となったら全てがおじゃんになるところだったけど、ちゃんと「死神」的役割のジュード・ロウが憎々しく現れて納得行く結末となった。つまり、復讐を果たして親子の絆をとりかえしたものの、主人公(トム・ハンクス)は殺し屋としての業を背負っているわけで、それを終わらせ、さらには息子を平凡な人生の路に復帰させることはああいう形でしか実現できなかっただろう。あの、ジュード・ロウを撃った弾丸こそが、「全てを終わらせる」まさに最後の一撃だったのだ。
帰り、ロビーですれ違った女の子が「あのままアイルランドへ逃げちゃえば良かったのにねー」とか話していて、思わずズッコケそうになった。そうじゃねえだろ(笑)。
夕飯はベルビー赤坂内の「揖保乃糸 庵」で。しめにそうめんってのもなかなかいいもんですな。
エリザベス女王杯(G1)は、ファインモーションが異次元の強さを見せてG1連勝。ハイペースでもスローペースでも好位から四角先頭で一気に押し切るんだから、牝馬相手ではちょっと負けようがないだろう。次走は有馬記念か。力の要る馬場で牡馬にもまれて、さてどうなるか。もし勝てば一気に「史上最強牝馬」に浮上だ。
馬券の方は、ファインモーション−ローズバドの1点買いでまたも爆死。ファインモーションが先行馬を全部潰してローズバドが後ろから飛んでくれば、という予想だったのだけれど、よく考えたらペリエは武の馬を後ろからマークするに決まってるし、だいたい京都のスローで追い込み馬が届くわけがない。ダメダメ、全然ダメだね、今の俺。夜、スカパーでセリエA。レッジーナ 0−1 モデナ。何か、今週は1−0ばっかだな(笑)。前半は両チームとも得点の匂いがしないくそつまらない展開、後半になってホームのレッジーナが攻勢に出るんだけど、その裏を突かれるようにしてあっさりと失点。なんつーか、試合下手の典型例みたいな感じですな、このチームは。俊輔は、やっぱりまだ前にアタッカーを複数置いてないと良さが出ないように見える。1トップの時なんかもっとポストプレーヤーを追い越す動きも必要なんだけど。
夜中、日本テレビでNNNドキュメント『消せない記憶』。数組の犯罪被害者の家族が苦しみ、悩んだ末に被害者互助組織への参加で癒される(もちろん完全に、ではないけど)までの様子を描いたドキュメンタリー。母親を殺された4歳の男の子が無邪気な表情で「お母ちゃんね、けんかして死んじゃったの」と口にする姿は非常に見るのがきつかった。理不尽な犯罪への怒りももちろん沸いてくるが、証拠がなくても自白させりゃそれで勝ち、押収物を返却もしなけりゃ遺族に捜査状況を知らせもしない警察(というかその制度)はどう考えても狂ってるわな。
11月9日(土)
でもやっぱり二日酔い。帰りの小田急線でよく眠れること。
東北沢駅で急行の待ち合わせのために長く停車したので、思い切って列車を降り、久しぶりに東北沢〜池ノ上〜駒場東大前〜渋谷と歩いてみる。東北沢〜池ノ上にしろ駒場東大前商店街にしろ、毎日歩いていたのはもう10年近く前のことになるんだけど、途中の街並みがほとんど変わっていないのには何だか安心させられた。
午後、スカパーで再開したJ1。名古屋グランパス 1−0 FC東京。………内容悪かったなあ。別に押されていたようにも見えなかったんだけど、でも試合中勝てる感じがあまりしなかった。
やはり加地の欠場は痛かったんだろう。サイド攻撃が死んでいた。クロスが上がる場面がとても少なく、中央で宮沢や浅利がボール持っても展開しようがなくてパスを出しあぐねる姿が目立った。後半由紀彦が出て一瞬右から崩せるのかな、と思ったのもつかの間、ケリーからのコースをおさえられ、さらには中央での押し上げもなくなるともうどうしようもなかった。あとはアマラオ目がけて放り込んではボールをとられる、お決まりの悪いパターン。それでも前半は名古屋DFラインのギャップに戸田らが飛び出していい形を何回か作っていたんだが…一対一を戸田が決めてれば……。
守備の方は、両サイドの弱さをセンターバックの強さと浅利の精力的な動きで補う形で、外国人FWを欠く名古屋の攻撃を何とか抑えていた。危ない場面で必ず飛んでくる茂庭のカバーリングは「オオッ!」という感じで、とても頼もしかったと思う(前半のパスミスは感心しないけど)。しかし、攻撃が完全に行き詰まって0−0の状態がいつまでも続くように思われた終盤のCK、ふっと集中力が途切れた感じで原のマークが外れ、あわてて飛び出した土肥ちゃんと原が交錯するような形でボールはゴール内へ。またしても「いい時間帯」にとられてしまった(笑)。いや、上位進出のかかった大事な試合、笑い事ではないのだが。
急造の両サイドは守備では健闘したけれど、攻撃に回るととたんに機能しなくなってしまった。あと最低1試合は加地が戻ってこれないわけで、いったいどうするのだろう。右に茂庭を回した方が良いかもしれない。戸田は相変わらず動きはいいけれど、シュート決めるのが最大の仕事なんだよなあ、本当は。ケリーはこういう展開になると過剰に自分でやりたがってしまう。アマラオは酷使されすぎ。宮沢はもう少しパスの種類を増やさないと。由紀彦のクロスはチームとして生かせれば、とてつもなく大きい武器なんだが…。あと、開幕前のハレルヤ戦以来、全くうまくなっているように見えない馬場のことが心配だ。
ハーフタイムにNHK−BSの方に回したら、「残留天王山」(変な言葉だ(笑))広島×神戸が同点のまま後半40分になっていた。ここで不思議だったのは、木村監督が前線の人数を増やして勝ちに行かなかったこと。勝点にして7もの差をつけられている広島にしてみれば、ここで勝点3をとらなければますます苦しくなるはず。解説の加茂さんは「負けてしまえば終わりですから。延長覚悟で」なんて言ってたけれども、果たしてそれが正しかったんだろうか。どうせ4試合で3勝以上という困難な条件が「最低限」になっているのだ。ならば、ジリ貧の衰弱死より前に勝負に出るべきではなかったか。結局試合は延長でも決着つかず、1−1でドロー。あーあ、という感じである。広島の降格はほぼ決定したのではないだろうか。
夜、NHKーBSでジェフ市原 1−0 浦和レッズ。後半のレッズの選手交代はどうだったんだろう。消えていた永井に変えて田中を入れたのは正しい判断だと思ったが、福田まで下げてしまったのでとったボールをアタッカー陣へ渡す「リンク役」のプレーヤーがいなくなってしまった。一生懸命上がって押し上げようとしていた山田は、もうその時点で疲れていたみたいだし。そういう状態で室井を投入してもパワープレイは成り立たないわな。オフトって、やっぱ臨機応変の判断には欠けるかもしれん。
さらに夜中、スカパーでプレミアシップ。アーセナル 1−0 ニューカッスル。アーセナルの鮮やかなパスワークは健在、しかしアンリの不調がチーム全体を苦しめている印象。ストライカーは水もの、ってやつですか(笑)。そこだけ入りだせば、まだリーグでは無敵でしょ。
11月8日(金)
仕事終了後、町田に出て佐々木尊雪邸で飲み会。今回のメニューでヒットだったのは、明太子と塩ウニのスパゲッティー。まずい明太子スパだと単に塩っ辛い味付けになりがちだが、ウニを加えることで味に深みが出ていて非常においしかった。瓶詰めのウニを使うところがポイントで、なまじっか高価な生のものを使うと麺への絡まりも悪く、味も気持ち悪いものになってしまうそうだ。他にキノコスパ・海老スパも作ってもらい、シャンパンやワインで流し込む。今回は珍しく最後まで記憶があった(笑)。
一番最初に到着して皆を待つ間、尊雪先生がNYの「グランド・ゼロ」(世界貿易センタービルの跡ね)で買ってきた写真集を眺める。テロ直後の様子ももちろんすごいんだけど、テロ前の「何事もない」2つのタワーの写真もまた冷静に見られず、色々な思いを込めてしまっている自分に気づいた。やはりあの事件を(メディアを通じてであれ)体験したものにとって、昨年の9月11日とそれ以前とでは「世界が違う」のである。
あの壮絶なテロを見て感情を高ぶらせるのは、人間として至極当然のことのように僕にも思える。問題はその感情をどういった方向への駆動力にするかであって、ブッシュ政権は一国覇権主義・軍需産業にとって都合のよい方向に世論をミスリードしようと、様々な情報操作・シンボル操作を行っている。これは許してはならないことだ。近代化したイスラムであるイラクとムスリム復興運動の急先鋒たるアル・カイーダ(あるいはイラン)を「同じ穴のムジナ」として同一視するのは、無茶にもほどがあるだろう。ショッカーじゃないんだからさ(笑)。
それと、やはり9・11関係のテレビ番組の録画を1本(『奇跡体験!アンビリーバブル』だったかな)見た。あのテロで2千人以上の人が亡くなっているのだが、その遺族の支援基金の運営とかが大規模・迅速かつ自発的に行われている事実にアメリカ社会の底力を見たような気がする。こういうケースで日本だったならば、いわゆる「お上」頼みになって、しかもその「お上」の動きが鈍くて、でもみんな自分では動かなくて、というズルズルの状態になりそうだ。
今日は仕事を休み、代々木〜千駄ヶ谷〜四谷〜新宿と歩いた。行き慣れた場所でも、いつもと違う道を選んで進めば案外飽きないで散歩できるもんだ。
途中、東京体育館で1kmほど泳ぐ。目標は腹を6つに割ることだが、まあ無理でしょう(笑)。
帰ってからビデオで、村川透監督『処刑遊戯』。3作目は前2作に比べて陰気な展開ながら、悲哀漂う初老の殺し屋が登場したりしてシリーズの世界観がより深みを増し、さらに最終作ゆえの「もしかしたら主人公(鳴海)が死んでしまうかもしれない」という緊迫感もあって、最後まで飽きずに楽しめる作品になっていた。恒例の長回し銃撃戦はクライマックス、延々と建物内を移動しなから20人以上を射殺し続けるギネスブックもののシーンに。ラストでハードボイルドを決める優作アニキは、震えが来るほどに格好いい。
相変わらずテレビの拉致問題報道にはイライラさせられている(なら見るなよ、ってか)。この件について僕がこれほど嫌悪感を刺激されるのは、拉致被害者の家族や彼らをバックアップするマスコミ・政治家に、「自分たちもある面では抑圧的であり、権力を行使しているのだ」という自覚がほとんど見られないからだろう。子供を向こうに残してきた人が「(私たちが子供たちに会いたいなんていうのは)ちっぽけなことです」とか発言している(させられてる?)のを聞くと、思わず耳を塞ぎたくなるね。
「家族」って何様?それと、人の「意志」って、いったい何でしょう?
11月6日(水)
夜、西新宿の「鳥衛門」で飲む。鳥の鍋だと、雑炊を作ってもイマイチおいしくないなあ。
帰ってから、ビデオでスペインリーグ。ベティス 3−0 マラガ。開幕時の勢いはどこへやら、ここ数戦もがいていたベティスがおまっとさんの快勝。しっかしレアル・マドリーにしろここにしろ、調子の波の激しいこと激しいこと。これはおそらく、この2チームが個人技を前面に出したサッカーを志向していることと関係しているのだろう。確かに調子の良いときには意思統一された速く厚い攻撃を見せるのだが、それはあくまで「個々の良さを出す」方向に向けられているのであって、「個人」と「組織」のバランスの面ではやや偏りが見られる。よって両チームが下り坂に入ると、よりバランス良く安定したソシエダやバレンシアが上位を占める、と。今のままのバランスでベティスがトップを目指すとしたら、「いい選手をいい時に出す」ことが可能になるだけの層の厚さを必要とするが、マドリーやバルサと違ってこのチームにはそこまで望めまい。はっきり言って、ベティスの優勝は難しい。ただ、フェルナンデス監督はあくまで「それでよし」としている風であるし、ファン・サポーターもそういったスタイルを支持するのであれば何の問題もなく、むしろ望ましいとさえ言えるだろう。
夜、ようやく、いつ買ったのかも忘れたくらい前に購入したプラモを完成させる。「RX−78 GUNDAM」。写真だと色の深みやフォルムの格好良さがうまく出ないのが残念なのだが、とにかく素晴らしい出来のキットである。たったの3千円(定価)ですぜ、ダンナ。
ビデオで、村川透監督『殺人遊戯』。2作目ということで、優作アニキのガン・アクションもとぼけた口調(笑)もよりグレード・アップ。グラサン上げる姿が格好良すぎである。クライマックスの銃撃戦は、後で考えたら1階から2階まで10人ほど射殺する間ずっとノーカットの長回しだったような気もするが、もしかしてそれってすごいことなんじゃないだろうか。カットカットでつなげて見せるのではなく、「生の」演出とアクションで勝負。えらい。
午前中から、テレビのワイドショーのひどさに頭がくらくらする。いつまでやってんのかね、拉致被害者とその家族のお涙ちょーだい話。
午後、フジテレビでナビスコカップ決勝。鹿島アントラーズ 1−0 浦和レッズ。さすがに赤い服を着た人間が5万6千も揃うと、テレビ画面を通して見ても壮観だ(現地で見たらなおさらだろう)。試合の方は一進一退の好ゲームとなったが、小笠原のシュートが井原に当たって(当たらなければ明らかに枠外だった)入る幸運なゴールを鹿島が守りきり、見慣れた優勝の光景に。相変わらず、勝負強さは天下一品である。逆に浦和は千載一遇のチャンスを逃した感じ。点が入るまではむしろ浦和ペースのように見えたのだが…。しかし、超絶2トップに永井を加えて厚みを増した攻撃、各人が役割をしっかり果たす堅い守備、山岸・坪井ら有望な若手の台頭といった今季の進歩の跡は確かに見えた戦いぶりであった。両チームの差は「勝ち慣れ」の差だけだったと思う。
ビデオで、デイビッド・クローネンバーグ監督『ビデオドローム』。20年ほど前池袋サンシャインシティで「SFX展」なんてのがあって、この映画の頭ぱっくりビデオぐにょにょ〜んのマネキンなんかも出展されていた。その頃は子供心に「すげーこえー!」と思っていたんだけど、今観てみると「こわい」っつーより「気持ち悪い」とか「エロい」だね、こりゃ。最後の最後まで、起こっている出来事が現実なのか主人公の妄想なのかわからないところがよい。
夜、Jスカイスポーツでスペインリーグ、ラシン 1−1 バルセロナ。ルイス・エンリケがいないと別人のようにへたれたチームになってしまう今のバルサだが、マドリー・デポルを破って怖いものなしのラシン相手にリードされる苦しい展開で、終盤セットプレーから追いついて引き分け。混戦になりつつある今年のリーガで、この1点は後々非常に大きな意味を持ってくることになるかもしれない(と、金子達っつぁんが言っていたのでならないかもしれない(笑))。
11月3日(日)
今日は、サッカーがないのでラグビーデイ(笑)。
秩父宮ラグビー場で関東大学対抗戦2試合。まずは慶明戦、慶応 34−21 明治。慶応は、おそらく戦力的に劣勢だという意識が強いのだろう。サッカーでいうところの「リアクション・サッカー」みたいな戦い方だった。自陣でボールをとれば例外なくキックで押し戻し、そこから攻め寄せる相手を強いタックルで止め、ターンオーバーからのカウンターで得点を狙う。攻撃時、ボール出しとそこからの細かなつなぎのスピード感は見事だった。ただ、実際に目にした力量から考えると、いささか消極的に過ぎるような気もしないではない。明治の方は大きく球を動かそうという意図はわかるのだが、いかにも訓練が足りない感じ。もはや個人の突進力で勝てる時代ではない。
続いて、早稲田 64−10 帝京。早稲田のエンジンが掛かる前に帝京が先制パンチの2トライ。面白い試合になるかと思いきや、後半になると既に帝京に余力はなく、早稲田ばかりがボールを動かす一方的な展開になってしまった。前半帝京の乱暴なプレーに対して(おそらく大学レベルであることを考慮した)相田主審がシンビンを出さず、口頭の注意でコントロールした(実際、後半には問題なくなった)場面で早稲田ファンから罵声が飛ぶなど、スタンドの雰囲気もあまりいい感じではなかった。早稲田ファンもあんまり相手をなめて「今日も100点ゲーム(笑)」気分でいると、今に痛い目に遭うぞ。
帰り道、外苑前のリブロブックスに寄ったら、ちょうど日本ラグビー協会宿沢強化委員長の著書サイン会をやっていた。もちろん、即買いでサインをもらう。ついでに「期待して応援してます」っつって握手も。伝説の名スクラムハーフ、日本にW杯唯一の白星をもたらした知将の手のひらは、大きくはないけれども分厚くて温かかった。
夜、スカパーでプレミアリーグ。フルハム 0−1 アーセナル。30戦連続無敗記録の後4連敗していたアーセナルがようやく1勝。フルアムも健闘していたんだけれど、マルレのとんでもないクリアミスがオウンゴールになってリズムを失い、後半稲本らを投入するもセットプレーでしかチャンスを作れなかった。稲本は入ってから10分くらい中央をフラフラするばかりで全く仕事できなかった様子だが、あれウォームアップが足りないんじゃないの。CKなんかはいいボールを蹴っていたけれど、もうちょっと動いて頑張ってほしかった。
夜中、日刊スポーツのサイトの片隅で原田哲也の引退を知った。様々な不運や巡り合わせのせいで才能に見合った成績は収められなかった彼だが、93年最終戦の大逆転劇(終盤に数台をごぼう抜きにして年間王座獲得!)の衝撃は決して忘れられない。モータースポーツの世界から、「日本」が生んだ才能が次々と消えていくのは寂しい限りだ。
11月2日(土)
ふと思い立ち、埼京線に乗って大宮運動公園サッカー場へ。大宮アルディージャ 0−1 大分トリニータ。大分は今季非常に「1−0」の試合が多かった印象があるのだが、J1昇格を決めたこの試合もまた最小得失点差の勝利。4−1−3−2の布陣で時には8人のフィールドプレーヤーが守りに徹し、数少ないチャンスに少人数の速攻で得点をもぎ取ってそのまま逃げ切るサッカー。スタンドで観ているこちらにも「俺たちはこういう戦い方をするのだ」という意志がしっかり感じられ、数年間に渡る「あと一歩」を経てJ2の荒波を乗り越えてきた末に作り上げた、チームの太い骨格を確認することができた。とにかく、今日ばかりは心から「おめでとう」と言っておきたい。僕にとっては、東ガスから数チームを渡り歩いた浮氣の、チームの中心としての頼もしい姿を見れたのがとてもうれしかった。
で、めでたく九州の地に新たにJ1チームが誕生したわけだが、今後大分がどういう道を歩むのかについては興味をかきたてられるところだ。短期的には、このままのサッカーでは1部で健闘はしても勝ちきることは難しかろう。当然補強は必要だが、その財源はあるのか。また、トリニータ自体が平松知事の強力なプッシュの下で2002年W杯をにらんで作られた性格が強いだけに、長期的なビジョンはいかなるものを描いているのか。今日も大分から数百人規模で駆けつけてきた、ファン・サポーターの力を推進力にできるか。
夜、赤坂の「鳥勝」で飲み会。日本シリーズについては、松坂起用よりも、むしろ西口を4戦目まで温存したことに違和感を感じる人が多い様子。なるほど。
夜中、スカパーでプレミアリーグ。リヴァプール 2−0 ウエスト・ハム。リヴァプールというチームは、全体の攻撃性という点ではアーセナルやマンチェスター・Uに比べていささかスペクタクルに欠け(以前に比べれば「つなぎ」に力を入れているけれども)、ましてやスペインリーグなどとは比べものにはならないほどソリッドな印象。おそらく、あくびが出るほど退屈な試合を見せられることになるのだろう、もしも「ワンダーボーイ」がいなければ。色は地味だが堅く太い幹と、その先に咲く世にも美しい大輪のコントラスト。このチームはこれでいい。
11月1日(金)
アジアユース、U20日本代表はあと一歩というところで準優勝。中盤の構成力では完全に韓国を上回っていたが、とにかく堅いDFラインにやられた感じ。最後はびっくりするような反転ミドルシュートがゴールの隅に突き刺さり、Vゴール負け。FWの決定力が上がればワールドユースでも面白いと思うんだけどねえ。熊さんはめでたく留任となるらしく、ついに世界大会デビューですかあ。好成績収めちゃったらどうしよう(笑)。
で、ついでに、アマラオ御大も現役続行を表明とか。来年の夏をのりきるためにFWを補強しないといけないね。
夜、また「三国一」で飲み。妄想ストーリー作り(笑)においては、僕もまだまだ甘いと思い知らされた。
録画でスペインリーグ、バルセロナ 6−1 アラベス。あ、サッカーって、こんなにも簡単に点が入るもんなんスね(笑)。バックの数目がどうのとか攻撃の約束事がどうのとかいう以前に、DFとアタッカーの力量が違いすぎるとこんなになっちゃいますよ、という見本のような試合。クライフェルトって大舞台に縁が薄い印象があるんだけど、このまま終わらすには惜しすぎるよなあ。ポスト・プレーヤーとしては世界一だと思うんだけど。