10月10日(木)

 録画しておいたアンダルシア・ダービー。セヴィージャ 1−1 ベティス。これはスタンド・選手の試合に入れ込む熱さが、かえってマイナスに働いてしまった例になるだろうか。プレイヤーの気迫は空回り、観客から乱入者も出て、粗さと白けムードが目立つ試合になってしまった。まあ「負けられない試合」なんてのは案外そんなものだろう。東京ダービーだって、試合内容そのものはイマイチなことが多いもんね。


10月9日(水)

 1ヶ月前に場内の照明故障で中断していたベティス×レアル・マドリードの残り2分+45分を観る。ベティス1点リードでの再開直後から、恐ろしいほどのテンションでお互いが攻め合う展開に。半分の試合時間+翌週リーグ戦なしという好条件の下、おそらく世界でも屈指の攻撃力を持つ両チームがどれだけ凝縮されたアタックを見せられるか、という一種の実験のようでもあった。結果、ラウールの同点ゴールをきっかけに流れはレアル優位になるかと思いきや、しかしベティスも最後まで引かずにドローで終了。優れた個人技もさることながら、自らの武器を前面に出して堂々と立ち向かう互いの心意気も素晴らしく、やはりフットボールの魅力の大きな源泉はパッションなのだと再確認させてくれる試合だった。


10月8日(火)

 夜、ビデオでリーガ・エスパニョーラ。レアル・マドリー 5−2 アラベス。ロナウドは何年も怪我で苦労した分、今年は全ての流れがいい方に向かっている感じ。交代直後の、倉敷アナが思わず「うっそー!!」と叫んだ、幸運だらけのボレーシュート。最高のデビューだった。マクマナマンのアシストからきっちり2点目も決め、この日芸術的なシュートを決めたジダン・フィーゴにお休みのラウールを合わせ、これで超人カルテットの完成である。もうこんなドリームチームは二度とないのではないかとさえ思ってしまう。今年のマドリーは残り30数試合。ぜひ脳裏に焼きつけておきたいものだ。


10月7日(月)

 サッカー日本代表メンバー発表。ジーコらしいというか、ものすご〜くわかりやすいメンツだった。組合せをよく考えた4バックにテクニシャン揃いの「攻撃的な」中盤。服部が控えた左サイドでは前にアレックスが投入可能、MFにサイドアタッカーがいない右はサイドバックに突破力のある山田か奈良橋を入れる。できるだけ先発・控えで同タイプの選手を2人ずつ揃える(稲本と福西、宮本と田中、松田と秋田)方針も見えてきた。個人的には欧州組の4人だけで中盤を構成できるか疑問に思う(試合展開は様々だろうに、守備的MFはいらないのか?)のだが、一試合一試合の勝負を重視した、トルシエとは正反対のジーコ・ジャパンが今は楽しみで仕方がない。


10月6日(日)

 なかなか勝てないFC東京。サポーターの間では監督の進退が話題になりそうな気配である。期待はずれやストレスがたまるのはわかる。打開策として監督交代を言い出すのもいいだろう。だけど、監督に代わってもらうからには当然「次にどういう人を呼ぶか」という問題が持ち上がってくる。で、みんな、どういう人がいいの?言い換えれば、みんなFC東京にどういうことを期待しているのだろう?「こんなサッカーをしてほしい」とか、「これくらいの成績を残してほしい」とか。若いクラブだけに、伝統がなくてサポーターの嗜好も様々で、クラブとしても困ってしまうところはあるのではないかな。

 僕個人としては、一度カウンター一本やりを突き詰めたからには、今度は早いプレス守備と両翼からのスピーディーな攻撃を中心とするサッカーを突き詰めてほしいと思う(それは「部活サッカー」と両立するでしょう)。そうした試行錯誤を繰り返した上で、プロフットボールクラブFC東京の確固たるスタイルが築き上げられていくのではないかな。だから、少なくとも原さんの言っている「攻撃」コンセプトは支持する。ただ、「でも結果を見ると、実現できてないじゃないか」というのはその通り。よって、それを現実化する上で明らかに原さんよりいいという人がいたら交代もアリだと思う。でも僕の知識の上では具体的な候補が(今よその監督やっている人を除けば)見あたらないし、そもそも長い目でチーム強化をやる上で、明白な欠陥がない限り監督は少なくとも2〜3年は続けるべきだと思う。だから、別に原さんでいいんじゃないかな。今年は言い訳のタネはたくさんあるし、オモロイしね。

 ま、勝敗の結果だけをもって「勝ったからよい監督、負けたから悪い監督」というのもシンプルでわかりやすいっちゃーわかりやすけど、僕とは議論が噛み合わなそうだし、ちょっと受動的にすぎるんじゃないかとも思う。とにかく、人の意見は様々でいいし、どんどん思いと考えを出すべきだよね。

 

 夜、スカパーでプレミアリーグ。アーセナル 3−1 サンダーランド。試合自体はアーセナルの楽勝だったが、内容よりも印象に残ったのは前半早々サンダーランドGKの退場の場面。勝っている余裕もあるのだろうが、勇気をもって飛び出してアンリとの接触で負傷したソーレンセンを、ホーム側の観客は惜しみのない拍手で送り出していた。さすがは紳士の国、フットボールの母国。確かに中にはフーリガンもいるのだろうが、あのスタンドとピッチを隔てるフェンスの低さを見れば、かの国の蹴球歴史の奥行きが知れようというものである。


10月5日(土)

 夕方、東京スタジアムでホームゲーム。FC東京 0−1 柏レイソル。いよいよケツに火が着いてきた、そんな今日この頃。試合についてはスコアの通り前半は互いに決め手を欠いてスコアレス、後半小峯が退場になって形勢は柏に傾き、東京もよく耐えていたが(先週もこんなこと書いたような気がするな)、後半39分完全に押し込まれた末に加藤望に決められてゲームオーバー。色々な意味で力不足を思い知らされた試合でしたな。今回は長い観戦記を書く時間もないので、感想をいくつか。

 思ったことその1。梅本主審って、そんなに悪かった?確かにうまいとは思わない。ゲームの切れ目での「仕切り」はぎこちなくブーイングものであったし、GKへのチャージを過敏に取ったところなど「あなた何年前のルールでやってんのよ」と言いたくなったが、ポジショニングはあまり悪くなかった。もっとひどいのはいくらでもいる。そして、小峯の退場やジャーンの当たりをファウルにとったことは別に間違いじゃない。要するに「後ろからと足へのチャージは非常に厳しく取る」という基準であって、それをいきなり適用したのならともかく、小峯に対しては再三注意を与えていた(イエロー出る前に「次やったら警告だ」と言ったように見えた)。あのコンタクトへの過敏さは個人的に好みじゃないけれども、でもおかしいとまでは言えないし、ある程度一貫しているのなら選手の方がそれに合わせなくてはならないだろう。「くそレフェリー」コールなどして主審のせいにするのは各々のストレス発散としては大いに結構だが、しょっちゅうやりすぎると東京というチーム自体が目をつけられ(もうつけられている気がしないでもない)、審判がムキになって損するぞ。

 思ったことその2。バックスタンド側にいた線審は、プロの試合を吹くレベルじゃなかった。CKとゴールキック間違えて、頭かいてどうする。もう少しトレーニングしてから来てね。

 思ったこと3。退場云々も含めて、この日選手たちの戦いぶりには大いに不満が募った。小峯はペナルティエリア内で無類の強さを発揮、スタメン起用の価値が大いにあることをアピールした(加地、茂庭、あの足腰の粘り方を見習ってくれ!)。でも、既に書いたようにあのファウル連発はいただけなかった。同じようなファウルをとられ続けて、それでもまだやって、でイエロー2枚。「アホか」である。「もったいなさすぎ」である。あと、暑かったせいなのか、前半のあの攻守の切りかえの遅さは何なんだ。前にボール預けても、誰も追い越して行かないんじゃ攻撃になるわけないじゃん。喜名なんて、前へ出る速度は後半30分の宮沢レベルだった。結局また蹴鞠みたいな放り込みになって、トップのじーさん死んでまうぞ。なのに先週以来の審判不信のせいか、レフェリーへは大ブーイングで選手へは大拍手でしょ。それは違うと思うんだけど。

 思ったこと4。選手交代もいけなかった。小峯が退場になって、浅利を入れて守備の安定を図ったのはまあいいでしょう。だけど、その次の交代が終わり近くに失点してからってのは、消極的にすぎたのではないか。先週と違ってホームゲームである。後半半ばからは加地は足がもつれるほど疲労していたし、戸田は守備は頑張っていたけど攻撃には貢献できていなかった。小林稔や鈴木はいったい何のためにベンチに入っているのか?「攻撃サッカー」を掲げていたはずの原監督に迷いが見えるのが気になる。ま、でも、守りを固めず突撃したら、それはそれで「修正できない」とか批判を浴びそうな気もするな。当たり前だが、結果が伴わないと立場は弱い。

 思ったこと5。後半の終わり頃だったかな。東京がボールを持っていた時に選手が倒れていて、ボールを外へ出した。で、スローインを受けた柏が東京側へボールを蹴り返したのを見て僕も拍手した瞬間、なんとボールはペナルティエリア脇のタッチラインを割り、東京のスローインに対して柏のアタッカーがどどーっとプレッシャーをかけてきた。何が言いたいかおわかりだろうか。ノープレッシャーで(しかも自陣でなく)ボールを保持している側がボールを出したということは、有利な立場をあえて(選手の安全のために)放棄したということであって、フェアプレーの精神からしたら一旦同じように楽にボールを持てる状況を作らなくてはならない。つまり、DFラインかGKへボールを渡すのが普通である。意図的かキックミスなのかは知らないが、柏のボールの返し方は非常に汚く、恥ずべき行為であったと思う。あれは反面教師にすべきで、決して「マリッシア」などと強弁してはいけない。

 思ったこと6。柏は攻撃はエジウソンの突破力を生かすことを中心に据え、あとは陣形のバランスを崩さず、という感じであった。最も怖い由紀彦のスペースもおおむね消していたし。ああいうしっかりした戦い方をしていれば、もう降格の心配は少ない(全くない、とは言わない(笑))だろう。でも、両サイドの迫力がいささか減退した様子なのは、ちと残念。

 思ったこと7。やはり右からだけではもう駄目だ。両翼が必要だ。

 思ったこと8。アマラオを途中で代えることは難しい。でも、90分はもう苦しい。だから、初めはベンチに置いておくのが良いのではないだろうか。

 思ったこと9。帰りに新宿のおいしい和食居酒屋「ふるさとの藏」で夕食をとったのだが、試合に負けるとビールは3倍苦く、うまみは半減である。

 思ったこと10。次はちゃんと勝ってね

 

 夜、スカパーでセリエA。レッジーナ 2−2 ブレッシア。俊輔FK砲、ついに炸裂。3試合連続ゴール。まったくもって素晴らしい。ただし、チームが……なのは相変わらず。これまでで一番いい攻撃をしていたが、せっかく追いついてもその後すぐ気を抜いて失点してしまうパターンの繰り返し。あまりにも力が足りない。残留のためには、俊輔の15ゴール以上が必要になるかも。


10月4日(金)

 ビデオで、アーサー・ペン監督『俺たちに明日はない』。実在の強盗カップル、ボニーとクライドの出会いから死までを映画化……って、そんなこと書かずとも知ってる人が多いかな。主人公2人の暴力と逃避行とセクシャルな悩みを軽妙な音楽に載せて描いているのだが、過剰に誰かの視点に入れ込むわけでもなく、淡々と描いてあってしかしさりげないシーンにはっとさせられて、最後突如終わってしまうあたりがアメリカン・ニュー・シネマってやつですか。有名なラストは、マシンガンの銃撃そのもの(や主人公たちの死に方)よりも、射撃が終わって一転静けさの中、憎むべき強盗を撃ち殺したはずの警官たちが妙に神妙な顔をしているのが印象的。で、ブツッと切れて「The End」の文字。あの余韻は忘れがたい。


10月3日(木)

 夜、新宿西口で焼肉。うまいことはうまかったのだが、案の定というか、帰ってうとうとしてさて風呂でも入るかと起きあがろうとしたところで……死ぬほど体が重い。今僕の血をなめたとしたら、さぞかし酸っぱい味がするのだろう。この酸性を中和するにはどうしたらいいのか?

 録画しておいたスペインリーグを観る。ベティス 3−0 FCバルセロナベティス激強。ホームとはいえ好調のバルサを全く問題にせず。何度も言うが、今年FC東京がやりたかった「攻撃サッカー」は今のベティスが実践しているものに他ならないだろう。高い位置からのプレスからボールを奪うや両サイドの個人技で突破し、チャンスには逆サイドのアタッカーがFWと化してゴール前へ入る。開幕の鹿島戦ではまがりなりにもそういった形ができていたし、あの4−2はやはり順当な結果だったのだろう。では、ベティス、あるいは開幕時の東京に比べて今の東京に欠けているのは?答えは簡単、サイドを使った攻撃と中盤のキープレイヤーだ。ゲストの金子達仁が「扇」と例えていたが、右のホアキン(由紀彦)、前のアルフォンソ(アマラオ)、左のデニウソン(小林)、そして中盤のアスンソン(三浦文丈)。左は石川が入れば遜色ないとして、文丈の代役がいないのがつらいところだ、といつまでも言っていられないとも思うのだが、事実なのだから仕方がない。


10月2日(水)

 水口幸広著『カオスだもんね! 8』(アスキー)読了。この単行本が出るたびにガンプラが作りたくなって、しかし作る時間がなくて、ということを繰り返しているような気がする。今回も作り始めましたよ、「RX−78 ガンダム」を。完成は年内には、なんとか(笑)。あとは、ビールの手作り(ハンズとかでキットで売っているらしい)の話が大変面白かった。


10月1日(火)

 夜中、Jスカイスポーツでプレミアリーグ。リーズ・ユナイテッド 1−4 アーセナル。世界最高レベルの個人能力と訓練による組織力が完璧に融合したアーセナル、強豪リーズをまさに「一蹴」。ゴール前でも中盤と全く同じような落ち着きぶり・パスワークで次々とシュートコースを空ける攻撃は、相手のDFとしてはたまったものではない。ただ、一方でこのチームの強さはプレミアの箱庭的環境でこそ、という印象が残るのも確か。チャンピオンズリーグでは、さてどうだろう。


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