6月9日(日)

 昼間は死んでました。

 夕方、スカパー録画でスペイン×パラグアイ。前半、少ないチャンスをものにしたパラグアイが1点リード。しかし後半に入ったところでスペインの選手交代がズバリ当たって途中出場のモリエンテス2ゴール、とどめにラウールが取ったPKをイエロが決めてスペインの逆転勝ち。攻撃陣の中でラウールの良さが際立っていたので、彼の良さを引き出すべくハーフタイム明けにモリエンテス・エルゲラというレアル・マドリー所属の2選手を入れた采配はとても理にかなっていた。今のところカマーチョ監督は豊富な持ち駒をうまく生かしている印象だ。ただ、DFラインのスピード不足がやや心配だけに「いかにしてより多くの点を奪うか」というのが今後も注目される。パラグアイの方も悪くはなかったが、2点目はクロスに対しGKチラベルトがかぶってしまったもの。チラベルトは体も動きもとてもオッサンくさくなっており、フランス大会ほどのカリスマ性も発揮できていないように見えた。まあ、相手選手と会話している様子なんかは未だに貫禄充分ではあるのだが(早く政治家になった方がいかもね)。

 

 で、夜はスカパーで日本の第2戦。日本 1−0 ロシア。………………うおおおおおお!!

 キックオフ直前まで「SOCCER UNDERGROUND FILES」の「皇国の興廃この一戦にあり。突撃〜!!」(笑)って動画を見ていたので、笛が鳴った瞬間日本のアタッカー達が本当に突撃していったのには笑った。立ち上がりのテンションがあまりに高かったのでいつまで持つやらと思って見ているうち、ロシアが日本の前へ出る守備の裏を突き始め、さらに宮本が早くも15分に警告を受けて非常にハラハラ。ロシアは何度かいい形を作り、あの辺で1点でも取られていたらその後の展開は全く違っていただろう。前半唯一の決定機は中田がふかしちゃったし。が、幸いにも日本の守備陣がバランスを意識して互いを補ったのと、審判の判定に助けられたこともあり、何とかハーフタイムまで0−0を保つ。

 後半最初にペナルティエリア内で楢崎までかわされる大ピンチがあったが、これもシュートはサイドネットで命拾い。そして「今日は引き分けでも御の字かも」と思い始めた5分、中田浩二がグラウンダーで前線に送った球を柳沢がダイレクトではたき、DFラインの裏に出た稲本が冷静にゲット。「FWの仕事は点を取ることだけではない」という言葉がだてではない(もちろん点を取ることが一番大事な仕事であることを忘れてもらっちゃ困るのだが)ことを証明する柳沢の見事なアシスト、そしていかにも稲本らしい大胆な飛び出し。あまりに鮮やかなコンビネーションに、ロシアのDFは一歩も動けなかった。気持ちいいー

 後半半ばになると両チームに疲れが見え始め、テレビで見ていてもわかるほど中盤はルーズに。ここで活躍したのが柳沢。前半はどちらかと言えばヤナギがポストに入って鈴木がその後ろを動くようなプレーが多かったのだが、後半になると前を向きながらパスを受けるプレーが増え、屈強なロシアDFにスピードでタイマン勝負を挑む。結局ゴールは奪えなかったのだが(枠に飛ばしてくれ、枠に)、今日の「通用したプレー」を受けて彼がもっともっと自分の強みを生かして勝負してくれる選手になってくれることを祈る。そしてもう一人中田英も、中盤で効果的なプレスから相手ボールをかっさらい、DFに息をつかせる役目を果たしていた。70分過ぎにはロングシュートがバーを叩く。やはり、皆が苦しい時に頼りになるのはヒデなのであった。

 終盤にはさすがに日本選手の疲れもピークに達し、ボールへの寄せが遅くなって一方的に攻めたてられる。苦しい苦しい時間が続いた。前線では中山隊長が奮闘、後方では戸田が宮本が松田が明神が服部が、ボールを追いかけ回しはね返す。泥臭いが正しく共感を呼ぶ、日本代表の「部活サッカー」。開始92分になるかならないかというところで主審の笛が鳴り、日本サッカー史上に残るW杯初勝利が強豪相手の堂々たる試合として達成された。

 ロシア代表はパス回しもしっかりしていたし、選手の能力もそれなりに高かった。ただ、シュートの精度の低さと意外性の欠落で、フィニッシュの部分で押し切ることができなかった。特に意外性という点では変幻自在にリズムを操れるモストボイの不在は非常に大きかったのだろう。判定に関しては……スマン、開催国だから目をつぶってくれい(笑)。後半、審判の判定を嘲笑するロマンチェフ監督の姿がテレビに映り、まあ気持ちはわかるがそれは見せちゃいかんだろうとは思った。ロシアは周知の通り「大国病」に毒された国であるが、まあ「偉大なるロシア」とか何とか言うのならそれなりの器量も見せてもらわなくちゃね。

 マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは稲本だったが、今日はそれよりも宮本だろう。今年になってからのテストマッチでは1対1の弱さをクローズアップされて批判を受け、ベルギー戦でも森岡退場の混乱の中失点してしまい、彼の先発には心配していた人も多かっただろう(僕もその1人だ)。しかしいざ始まってみるとそうした見方を吹き飛ばすような活躍ぶり。鋭い読みで相手のラストパスを度々カット、ドリブル勝負を挑まれても落ち着いて裏をとらせず、顔を骨折しているにも関わらずハイボールには勇気を持って飛び込んだ。痛みもあったのだろう、フェイスガードに手をやるシーンもしばしば見られたが、それでも顔をしかめたりすることなく90分間味方に檄を飛ばし続けた。文句なく、代表としてのベストパフォーマンスだったと思う。あまりジェンダー的な表現は使いたくないけれども、「男の闘い」という言葉が頭に浮かんだ。次出るのかどうかはまだ分からないが、同じようにやってくれるのであれば中央が簡単に破られることはなかろう。

 もちろん、稲本も良かった。早くも2点目。体調もすっかり回復したのだろう、自信にあふれたオーバーラップを見せ、ゴール前ではFW陣よりもよっぽど落ち着いている(笑)。中盤でガタイのでかい相手に全く当たり負けしないのも頼もしく、このまま先へ先へと突っ走ってほしいと思う。戸田はしつこいマークで守備に大きく貢献していたが、前半にペナルティエリア内で相手を引き倒したシーン、あれは完全にPKもののファウルだったと思う。今日は主審に助けられたが、決勝トーナメントに上がってからは(特にブラジルとかが相手だと)判定のホームアドバンテージもあまり期待できないので気をつけないといけないだろう。小野ははっきり悪い出来なのだが、中田英にマークが集中するとボールを落ち着かせてから攻撃を組み立てられるのが小野のところだけになってしまうので、これからも先発させ続けるべきだろう(そのうち調子も上がってくるはず)。守備陣は皆よく頑張っていたと思う。ただ、中田浩が相変わらず受けに回った時のもろさを見せていたのが不安材料か。攻撃陣では、鈴木はもはや欠かすことはできない存在になった。柳沢は上にも書いたとおり勝負意識が出てきたので、あともうちょっとか。中田の足の状態も気になるところではある。

 さて、次はチュニジア戦。ここまできたらグループ1位突破を目指すべきなのだが(2位だとR16がブラジルになってしまう)、ワールドカップに出てくるからには弱いチームなどありはしないのだから油断は禁物である。どうせ、明日のスポーツ新聞やニュースは「決勝トーナメント進出へ大きく前進!」とかいう見出しで埋め尽くされるのだろう。今この日記を書いていても窓の外遠くから歓喜の叫び声が聞こえてくる。でも喜びすぎて良かったためしはないので、ここは小さくガッツポーズぐらいにしておいて次勝ったところで万歳するべきだ(そして、準々決勝に進出したところで祝杯をあげよう。準決勝まで行ったら?もちろん馬鹿騒ぎだ)。

 今日のスカパーは実況・倉敷アナに解説・原博実だったのだが、稲本の得点時、あれだけあちこちのサイトで言われていた「いや〜、いい時間にとりましたね〜!!」を思わず言っていたのには大ウケした。さすが、僕たちのカントクである。


6月8日(土)

 夕方、テレ東でイタリア×クロアチアを観る。前半押しながらゴールできず苦労していたイタリアが、後半の早い時間帯に先制。クロアチアは反撃に転じるもなかなか崩しきれず、これは「イタリアの試合」だな…と思ってみていたら、後半25分を過ぎてからの10分間、クロアチアに突如神が降りてきたかのような2つのスーパープレー(1点目のクロスと2点目ラパイッチのボレー!)が出て驚愕の逆転劇。イタリアは判定にも恵まれず、そのまま2−1で試合終了。前半のアクシデントでネスタが退場したのが相当に効いた様子でもあった。イタリアは選手層にはやや問題があるのかもしれない。守備の堅さを考えればイタリアは今回も相当上位に行くだろうと踏んでいたのだが、次は大丈夫か?

 夜は赤坂の「大昌園」で焼肉を食べた後、「つぼ八」(結局この春何回行ったんだ(笑))で先週のイベントの打ち上げ、それから「サント・ロペ」でカラオケ。なんか、ようやく休みになったところでかえって疲れが増幅しているような気が。


6月7日(金)

 今日はさすがに、仕事を中断してアルゼンチン×イングランドを見てしまった。正直言って今のイングランドではアルゼンチン相手には苦しいと思っていたのだが……ところがどっこい、開始直後からイングランドが闘志むき出しに攻めたてる予想外の展開に。特にオーウェンは涼しい札幌でコンディションを上げたのか、見違えるように切れた動きでアルゼンチンDFを翻弄。惜しい「股抜き」ポスト直撃シュートに続いて44分にはDFの逆をつく動きからPKをゲット。これをベッカムが決め、なんとイングランドが先制した。

 後半になると心身ともに攻め疲れたか、イングランドプレーヤーの足が止まって今度はアルゼンチンの一方的な攻勢が続く。イングランドも前線のオーウェンやシェリンガムに送ろうとはするのだが、何しろアルゼンチンの中盤〜DFの押し上げは厚く強烈なもので、すぐボールをとられてしまう。30分を過ぎたあたりからはもうフィールドプレーヤー全員がイングランド陣に入るような状態で、クロスが入っては跳ね返しまた前線に上がった球をシーマンがキャッチして、といった繰り返し。残り10分を切ったところでエリクソンが腹をくくってオーウェンを下げ、完全専守防衛状態に。結局最後まで集中力を切らさなかったイングランドが守りきり、4年前の雪辱を「とりあえず」果たした。

 しかし、後半の攻防は見応えのあるものだった。得点できなかったとはいえ、右に左に素早くボールを回して穴があいたと見るやすかさず突いてくるアルゼンチンの攻撃はまことにいやらしく(いい意味で)、チームの完成度の高さをうかがわせた。好調スウェーデンとの次戦が見ものだろう。イングランドの方はさすがフットボールの母国というか、恨みも極まっていたというか(笑)、「意地と誇りと伝統にかけて1点も取らせん!」というような堅くて固い守備だった。DFファーディナンドとGKシーマンは完璧に仕事をこなしたと言っていいだろう。もちろん、他の選手もよく戦った。ただ、いくら因縁の相手とはいえ、終了後は予選リーグ2試合目にしてはちょっと度が過ぎる喜びようだったようにも見えた。次のナイジェリア戦でちゃんと力が出せるのかどうか、心配でもある。

 

 結局1時間半を無駄にしたのが響き、仕事場を出たのは午前3時半だった。始発まで新宿西口の「北の家族」で飲んで帰る。明け方のホームで居眠りしそうになった。人前で膝をがくっとするのは恥ずかしいっすね(笑)。


6月6日(木)

 仕事場で日付が変わるまで働く日が続いており、今日は帰宅してから即座に爆睡。結局W杯は1試合も見れず。

 フランス、今度は引き分けかあ。VTRで見たアンリの退場は、余りにも気の毒な判定だった。次に2点差以上で勝てば自力で決勝トーナメント進出を決めることも可能だが、しかしデンマーク相手だからなあ…。消える可能性の方が大きいね。


6月5日(水)

 深夜、スカパーの録画でドイツ×アイルランドを観る。本当はポルトガル×アメリカを観たかったのだが、録画時間を間違えた(笑)。ま、手に汗を握る非常にいい試合だったので、結果的にはむしろ良かったかもしれないが。全般的にはカメルーン戦後半の勢いをさらに加速させたようなアイルランドの攻勢が目立ったのだが、バラックのアーリークロス→クローゼのヘッドでドイツが先制して俄然面白くなった。後半になるとばてからか中盤がルーズになり、両チームが互いにゴール前まで攻め合うスリリングな展開に。ほぼ一貫してアイルランドがスピードで上回り優勢に攻めるのだが、その前にはオリバー・カーン様が好セーブ連発で立ちはだかる。そのまま試合終了か。しかしロスタイム、ロビー・キーンが稲妻のような速さでドイツセンターバックの間をきれいに割り、カーンの体に当たったシュートがポスト内側にはねてゴール内に飛び込んだ。アイルランドは最後の最後まで諦めずに闘い続け、とてもとても貴重な勝点1をゲット。「気持ち」の大切さよ。

 現在得点王のクローゼは初めて注目して見たが、長身に似合わずしなやかな動きを見せる、少しだけクリンスマンを思い出させるようなプレーヤーだった。ちょっと変わったタイプで、今後面白い存在になっていくかもしれない。


6月4日(火)

 夕方、W杯日本×ベルギーを仕事場の片隅のテレビで見る。いやー、面白い試合でしたな!先発メンバーにしても途中出場の選手にしても、トルシエが極めてまっとうな(あるいは無難な)采配をしていたのがまあ(事前のフェイク情報流しまくりも含めて)らしいというか。ベルギーはいかにも中欧・北欧っぽいソリッドなサッカースタイルで、事前に言われていた通り屈強な選手を並べたチームだった。それでもオーバーヘッドの先制点、オフサイドトラップの裏をかき楢崎の頭を軽く抜いた2点目は「見事」の一言。新世紀最初のワールドカップでは欧州の底力を見せられっぱなしである。日本も調子は上向きのようで、出来はまあまあ良かったのではないだろうか。鈴木の「魂のこもった」ゴールゲットも、稲本の日本人ばなれした豪快なシュートも、見ていてめちゃくちゃ燃えるシーンだった。勝点3こそ取れなかったが、初戦としてはそこそこの結果。前半も後半も互いの時間帯が交互に訪れる拮抗したゲームで、2−2というスコアは妥当と言ってよいだろう。

 2失点については、森岡の負傷による混乱もあったことだしある程度は仕方がないとも言えるだろう。高さを買われて起用された楢崎もよく頑張っていたと思う(事前のイメージとは違うラインの裏を突くプレーでやられたのは皮肉だったが)。問題は次の試合で、森岡が出られないとすれば宮本を起用する他になく、今年になってからの強引なラインコントロールがどうしても頭に浮かんでしまう。次は前に強い能活を起用してスペースを埋める手もあるとは思うが、さてフィリップはどう考えるか。あとポジティブな要素は、攻撃でいくつかいい形が見られたこと。稲本のど迫力復活のオーバーラップもそうだし、柳沢にゴールへダイレクトに向かっていく姿勢が見られたのはいいことだ(でも、パス出した後歩いて見てたりもしたから評価はプラマイゼロな)。いずれにしても2つ目のロシア戦が勝負というのは前からわかっていたことなのだから、良いイメージを大事にして次につなげてほしいものだと思う。

 それと、今日のコスタリカの審判はひどかった。ファウルの基準(特にショルダーチャージ)が不安定だし、柳沢はペナルティエリア付近で後ろからつかまれ倒されても(どう見てもイエローだった)笛を吹かないし、稲本の「3点目」はありもしないファウルで取り消すし…。いくら中田浩・楢崎のペナルティを見逃してもらったとはいえ、割に合わなかったような。

 

 今日は韓国も初戦のポーランド戦を戦い、2−0で快勝。この結果については素直に「おめでとう」と言いたい。それより、なんでも韓国の会場では歌手のコーラスに導かれた国歌の大合唱があったのに対し、日本では国歌はテープで流しただけだったとか。JAWOCが「統一性に欠ける」とかいう理由で各会場での生演奏にストップをかけたという話が本当だとすれば、JAWOCなる組織はスタジアムの盛り上がり・サッカーファンの楽しみなど全く無視した、あるいはW杯開催の意義などまるでわかっていない(わかろうともしない)連中の集まりだと言えるだろう。だいたい、おとついW杯の公式パンフを見て愕然としたのは、次のドイツ大会の組織委員長がベッケンバウアーだということだった。フランス大会では「将軍」プラティニ、次の大会では「皇帝」。では、日本大会の組織委員長は?僕も名前を知らないし、実際チケット問題やら何やらでその人がちゃんとした動き・コメントをしている様子もない。JAWOCの構成員は出向の役人やサラリーマンが多いようでそいつらは大会さえ終わってしまえば「逃げられる」と思っているのかもしれないが、少なくともサッカーファンにとってもはやJAWOC在籍の履歴というのは「汚点」としか思えないので、そこのところをよく覚えてほしいものだ。


6月3日(月)

 朝ワイドショーで六本木に集まった外国人サポーターの模様を映していたが、あんなもんフーリガンと何の関係もないし、普段六本木にたむろしている連中の方が危ないくらいだって(笑)。マスコミの連中は昨日イングランド人にもっと暴れてほしかったんだろうな、本音は。散発的・偶発的な酔っ払いのいざこざと組織的暴力的集団としてのフーリガンの区別もつかない(つけない)警察・マスコミには吐き気さえ覚える。というか、警察の不祥事隠し・存在意義誇示のキャンペーンだと思うんですが、モロに。

 夜中、帰ってからスカパーの録画。イタリア 2−0 エクアドル。スコア以上の内容差、格の違いとしか言いようがない。しっかり陣形を固めて少数のタレントで得点するイタリアの良さがはっきり出た試合だった。前回の日本もそうだったが、エクアドルも初出場で初戦がイタリアというのは(もっと脇の甘いイングランドとかならともかく)ちょっと気の毒だったか。


6月2日(日)  

 昼間は炎天下、某高校の校庭で世界9カ国のビールを飲みまくり。「シメイ」に「ホルステン」に「ツナミ」に「グロールシュ」に、その他諸々。しかし僕もやっぱり日本人。一番口に合うのはやっぱりサッポロ黒ラベルなのであった(笑)。

 

 3時を過ぎた頃、埼玉へ向かう。今回のW杯、最初で最後の生観戦イングランド×スウェーデンである。溜池山王から南北線→埼玉高速鉄道直通に乗り、浦和美園へ。改札周辺では「I NEED TICKET」の紙を掲げた人の姿が目立つ。券は余りまくってるはずなのに(実際スタンドには空席も目立った)、くそバイロム社のせいでこんなことになって気の毒でならない。大勢の人々と一緒に歩いて30分強、駅から既に姿は見えていても巨大すぎてなかなか近づかなかった埼玉スタジアム2002にようやく到着。でかい。ゲートでは名義確認もなく(いったい何だったんだ、あの騒ぎは)、金属探知機でちょっと詰まったくらいであっさり入場。

 カテゴリー2の席だったのだが、コーナー付近の2階上段で、スタンドが急傾斜なおかげで見やすいといえば見やすいけれども選手は豆粒のよう。まあオーウェンやシェリンガムは先週の神戸で間近に見ているからいいか、みたいな。夕方になっても気温は結構高かったので売店で飲み物を買おうとしたのだが、これが最悪。オフィシャルサプライヤーのコカコーラが場内持込禁止なペットボトルでしかドリンクを用意しておらず、買った後にまた自分で移し替えなければならない。その程度ならまだいいが、列も整理されず売り子の手際もイマイチで通路はおしくら饅頭状態。身の危険さえ感じてしまった。これから見に行く人も、場内での飲食物等については全く期待しない方がいいと思う。

 練習・選手紹介と続いて場内が盛り上がり始めると、やたらイングランド人の声がでかいことに気づく。腹の底からズシンと響かせているというか、男性比率が高いことも影響はしているのだろうが、とにかく迫力はあった。サポーター(非日本人)の数の比較ではイングランド6対スウェーデン4くらいだったかな。僕らが座ったのはスウェーデン側だった。

 前半有利に試合を進めたのはイングランド。ベッカムの復帰はもちろん大きく、さらに彼が入って本来の4−4−2に戻すことができ、センターハーフが2枚になったことで中盤に余裕が生まれ、先週に比べてもずっとワイドな展開ができるようになった。スコールズがバランスを保ちながらハーグリーヴスがこぼれ球を支配。右SBのミルズが運動量でベッカムを支え、左サイドのへスキーが強さでDFラインを脅かす。24分にはベッカムの鋭いCKにバッセルが飛び込んでイングランド先制。その後もオーウェンがあと一歩抜けないもののほとんど一方的に押し込んでいく。対するスウェーデンは縦のロングボール1本やりで、リュングベリも孤立する場面が多かった。結局そのまま前半が終了。

 スタンドでは僕の周りにもイングランドのレプリカを着た日本人がやたら多く、歓声を上げまくり。ただ、いかに興奮しているとはいえ何でもないようなプレーにまで「すごーい!」「つよーい!」「うまーい!!」などと叫びやがるので、ちょっとイライラしてしまった。確かに個々の判断の早さ・アクションの速さは素晴らしかったが、普通の球捌きとかにまで感嘆するのはアホ、というか単なるブランド好きではないのか。だんだんとスウェーデン寄りに傾いた僕の心情(笑)。

 後半、僕の気持ち(および多くのスウェーデン人サポーターの心)が通じたのか(笑)、スウェーデンが一気に反撃開始。両サイドのアタッカーをきちんと味方がフォローするようになり、特に左サイドではコンビネーションでイングランドDFを翻弄、前半とはうってかわって完全なスウェーデンペースになった。15分にミルズの慌てたクリアをアレクサンデションが拾ってミドルシュートを突き刺し、同点。みたか、北欧の底力を(って、別に僕は中立な日本人ですが(笑))。スタンドも前半とはうってかわってイングランド側の歓声はしぼんでしまい、黄色い服の軍団の大合唱が続く。その後25分頃だったか、中盤からのドンピシャのスルーパスでサイドアタッカーが抜けてGKと1対1という場面も生まれたが、これはシーマンが完璧なポジショニングで防ぐ。30分を過ぎるとスウェーデンはややパス回しが冗長になり、イングランドも攻撃よりもバランス重視の交代を行って引き分けムード。リュングベリがCKでスタンドに「もっと盛り上げろ!」と要求したり(思わず拍手)、オーウェンのシュートがサイドネットをかすめたりという場面はあったものの、そのまま同点で試合が終了した。

 この結果については、ベンチにしても選手にしてもサポーターにしても、イングランドは「しまった」スウェーデンは「よしよし」という感じだったようだ。まあ確かにイングランドの方が「決勝トーナメントに進まねば」というプレッシャーは大きく、つい星勘定に走ってしまうだろうから引き分けは不満だろう。それにしても昨日のアイルランドといい、欧州サッカーは奥が深い。

 帰り道、駅まではぎっしり人で埋まってなかなか進めなかったけれど、陽気なスウェーデン人サポーターたち(バイキング帽やカツラ着用)が素晴らしいタフぶりを発揮して1時間以上の道のり歌い続けていたので、全く退屈はしなかった。おなじみのサポーターズソング群にのせて自国のみならずイングランドや日本にもエールを送り、「サア、イ、ケ、ナーカタ!!」なんてのも飛び出したし。試合自体よりもこの1時間の方が意義が大きかったというべきかもしれない。だんだんと周りの日本人も(恐る恐るながら)歌いだし、ちょっとしたパレードみたいになってとても楽しかった。こういう肩肘張らない「国際交流」がいいのだよ。行って本当に良かった。

 ちなみに、楽しいスウェーデン人が知っていた日本人選手は「ナカータ、オノ、スズーキ」だった。カズは知らないようだった(笑)。

 そしてもちろん、「フーリガン」なんて全然いなかった。

 

 帰宅してから、ビデオでW杯スペイン×スロベニア。W杯ともなれば攻撃力自慢の国は数あれど、しかしアタッカーの持ち駒の多彩さで言えばスペインがナンバーワンではないだろうか。ラウール、ディエゴトリスタン、モリエンテス、エンリケ、バレロン、デ・ペドロ、メンディエタ…etc。カマーチョ監督(どうでもいいがこの人、汗でシャツの脇の下だけが濡れている姿は何とかしていただきたい)は組合せを考えるのに嬉しい悲鳴を上げていることだろう。決定力も、頼りになるラウールさえいれば問題なし。ただ、じゃあ優勝候補に挙げられるかというと、守備の方が少々弱すぎるような。スロベニア相手に残り15分で2点のマージンがあって冷や汗をかく(追いすがられ、レフェリーの「プレゼントPK」でようやく逃げ切った)のだから、強いとこ相手にはどうだろう。ラウールが得点王取るくらいじゃないと駄目だろうね。


6月1日(土)

 午後、スカパーでW杯アイルランド×カメルーン。序盤は柄にもなく慎重なカメルーンと生真面目、いやくそ真面目なプレーぶりが特徴のアイルランドが拮抗したせめぎあいを繰り返す。しかし次第にカメルーンアタッカーが持ち前の身体能力を発揮してアイルランドDFを圧倒し始め、前半終了間際ついにエトーの突破からエムボマが決めて先制。この時点ではカメルーン圧勝の雰囲気さえ漂っていたように思う。ところが後半になると雰囲気はガラリ一変、アイルランドは人が変ったようにアグレッシブに攻め始め、後半7分にホランドの狙い済ましたグラウンダーがゴール隅に決まって同点。その後すっかり動きの鈍ったカメルーンは防戦一方、GKの本能的な(笑)セービングが決まり続けて失点こそ許さなかったものの、アフリカ王者らしからぬ脆さが見えた試合だった。

  この試合、ハーフタイムの15分間が両チームの変貌をもたらしたのは間違いない。前半40分を過ぎたあたりではアイルランドDFはもう完全にグロッキーで、いつ崩壊してもおかしくなかった。カメルーンにしてみれば前半はあと何分あってもよかっただろう。が、そこで「水入り」。アイルランドは闘志を取り戻し、そもそも「気分屋」のカメルーンは集中力を切らして再び戻ることがなかった。サッカーは90分のゲームではない。「45分+45分」だ。

 

 夜は遅くまで後輩のイベントのリハーサルにつきあう。空が白み始める頃帰るのも、そろそろ辛くなってきた。

 サウジ、ドイツ相手に8失点か…。王子の目の前で、ってな話は我々にとってはどうでもいいが、こりゃ東アジア勢が相当頑張んないと次回アジア枠が1つ減らされることにもなりかねんな。ラグビーの第3回W杯で、日本がNZに147点取られて負けたのを思い出した。まあ、94年大会のサレンコ(だっけ?)みたいに1試合5得点とかする奴が出なくてよかったよ。


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