5月31日(金)

 抱えている仕事のうちの一つが片付いたので、夜に新宿南口の「みこれ」で打ち上げ。飲み会の途中で1回寝てからもう一度元気に飲みまくる癖がついてしまったような。

 

 帰ってからビデオでW杯開幕戦フランス×セネガル。まあ、こんなこともあるよねっつーか。前半のトレセゲのポスト直撃シュートが決まっていれば何事もなく2−0くらいでフランスが勝ったと思うのだが…。初戦だけに慎重になりすぎた面もあるのだろう。後半にもセネガルの張る細かい守備網を巧みにかいくぐりながらビッグチャンスをいくつも作ったのだけれど、シュートが入らないのだけはいかんともし難いわな。ジダンの不在で中央の組立てに余裕がなかったのも事実だろうし。セネガルの方は先制してからは自陣でコンパクトなディフェンスを敷く一方、切れ味鋭いカウンターも見せて最後まで世界王者と互角の戦い。快勝と言えるだろう。

しかし、これでフランスは相当ヤバい状況に追い込まれた。あと2つ、ウルグアイとデンマークか。普通の精神状態で臨めればまず負けることはないだろうが、しかし引き分けも許されないかもしれないのだからちょっと苦しいかもしれん。得失点差の勝負になってガチガチに守るデンマークとの試合なんてことになったら…。うーん。

 

 ムーディーズ、日本国債を2段階引き下げ。政治家や官僚や財界の連中が感情的に何を叫ぼうが、今の日本国政府の財務状態をきちんと見るならばこうなることも至極当然と言えるだろう。対外債権がどうの国債の国内消化率がどうのと言っても、現実に借金を返す意志も能力もないのだから仕方がない。どう考えても増税しなきゃならんはずなのに、未だに「景気刺激のために減税を」なんておたんこなすなことを言う馬鹿が大手を振って歩いている国だから(ここ10年さんざっぱら減税して、はたして効果があったか?)。

 6月に入ると仕事の方が一気に多忙になるはず(もうなり始めてるし)。4年に1度(アジア開催という意味ではおそらく20年に1度)のW杯なのにね。運が悪いというか。


5月30日(木)

 おお、来るぞ来るぞ、仕事の波が!

 

 DVDでジャン=リュック・ゴダール監督『中国女』。赤・青・黄色の3原色を強調した画面構成は見事で、ストーリーもゴダールにしては非常にわかりやすい。が、物語が進むにつれて登場人物およびゴダール自身の「共産主義ごっご」が先鋭化して、それこそ「シャレにならな」くなってしまうのが興味深いといえば興味深いし、ついて行けない部分でもある。それでも実在の活動家に登場人物を論破させたり最後「革命ごっこ」がお粗末極まる終わり方をしたりと、まだこの段階ではゴダールも政治活動に対して相対的な視点と距離を保っているように思える。どうしてこれを作った後でアジテーション映画に走ってしまったのか。(本編よりずっと傑作の)予告編に現れているような、ポップな感覚こそが彼の素晴らしさだと思うのだが。


5月29日(水)

 夜、新宿の懐石居酒屋「無門」で前の仕事場の歓送迎会。刺身に海老の揚げ物に豚しゃぶ。さすがに高そうな店だけあってうまかった。最後は豚を一気に2〜3枚ほおばってましたな。

 二次会はおばちゃん2人で切り盛りしている何だか安っちい(失礼)カラオケのあるお店。客は我々しかいなかった。テキトーに歌ってすごす。この年で「あしたのジョー」の主題歌を熱唱するのがそんなにおかしいか、おお(笑)?


5月28日(火)

 夜、赤坂「三間堂」で飲む。ビールにさざえの刺身にホタルイカの沖漬けに仕上げのそば。全て冷たいものだったので、少し気持ち悪くなった。まあ、あんまり太りそうにないメニューでもあるけど。

 

  ビデオで佐々木浩久監督『血を吸う宇宙』。この手のデタラメ映画(←ホメ言葉)というのは、制作者の悪ノリについていけるかどうかが全てであろう。僕は「かろうじて」というレベルかな。2作目だけに『発狂した唇』に比べるとインパクトに欠けるような気がしてしまうのは仕方がないところか。黒沢清のカメオ出演には大笑い。日本屈指の大監督が、まさか物語のクライマックスであんなふざけた役柄で出てくるとは(笑)。あと終盤のカンフーシーンは思わず燃えてしまったな、やっぱり。


5月27日(月)

 昨日の反動で、1日中ゴロゴロしていた。

 

 ビデオでジャン=リュック・ゴダール監督『小さな兵隊』。一見難しそうな物事も、くよくようだうだしてないでとっととやってしまえば案外簡単に進んだりするものだが、その事に気づいたときには往々にして手遅れであるということか。無邪気で迷わないヒロイン(アンナ・カリーナ)があっさりと捕まって拷問で死に、うじうじ悩み続けつつも運良く拷問から逃れた主人公(ミシェル・シュボール)の方に「時間が残された」ラスト。シニカルな展開がなんとも言えない。あの男は、「残された」時間で何をするというのだろうか。


5月26日(日)

 朝から神戸へ出かける。

 東京駅から8時53分発の「のぞみ」に乗り、11時41分神戸着。帰省の際に5時間以上新幹線に乗る身からすれば、このくらい大して長い時間ではない。というより、大阪〜神戸間が10数分という速さに驚いてしまう。神戸なんて、充分日帰りできる距離だ(いや、実際したんだけど(笑))。到着後三宮に出て神戸牛の食べられる店を探すもなかなか見つからず(唯一見かけたところは行列していた)、1時間近く「にく〜、にく〜、にくくいて〜」と生者の肉を求めるゾンビのように歩き回った挙句、「風祭」なる店でやはり神戸名物のそばめしを食う。この「風祭」、入口は小さく小汚め(失礼!)で入る時は緊張したのだが、愛想の良いおばちゃんが切り盛りするアットホームな雰囲気の店だった。僕は「すじそばめし」を、同行の後輩イーグサは「ちゃんぽんそばめし」を食す。東京の居酒屋で食うのとは全然違い(当たり前か)うまい。ボリュームもたっぷりで、普通盛でも腹いっぱいだ。つーか、大盛にしなくてよかった。次行った時はちゃんぽんの方にしよう。

 その後地下鉄で総合運動公園駅に出て、神戸ユニバシアード競技場へ。W杯の予行演習でもあるのだろう、入口でチケットの名前と身分証明書の照合・荷物チェック・金属探知機による検査を受ける。手際は悪くなかった(超かわいいボランティアの女性とかいたし(笑))。僕はイーグサにメインスタンドの席をとってもらっていたので列も短くさほど待たずに入場できたのだが、ゴール裏やバックスタンドの方には駅の前から延々続くなが〜い列が。スタジアムが違うにせよ、本番では2時間以上前に出かけた方がいいように思う。

 

 で、はるばる遠出した目的のイングランド×カメルーン。メインの前の方に座ってきたもんだから、周りにカメラ持った連中が押し寄せてきて邪魔なこと邪魔なこと(笑)。ベッカムやオーウェンが出てくるたびに金切り声を上げる女とかいるし。一部分を除いてほとんどがイングランド目当てだったようだが(スタンドには白人男性がとても多かった)、目玉となるべきベッカムは練習も別メニューで途中で切り上げ、ベンチ入りすらせず。ゴール裏に一部いたカメルーン国旗を持った人たちの中には中津江村の人々もいたのだろうか(笑)。

 試合が始まってみると、両チームはまことに対照的なサッカーだった。ベッカム・ジェラード不在に対応すべく4−3−3の布陣を引いたイングランドは細かく速いパスを連続させてDFラインの裏を狙う。対するカメルーンは、グラウンドを広く使うダイナミックなサッカーなのだが、まあ何というか、「地球の裏側に違うフットボールがあった」とでもいうか。来日時のアクシデントもハードな日程もなんのその、足が速くてボール捌きが柔らかくて抜群のバネで飛んでって、まともに相手するのが馬鹿らしくなるんじゃないかと思うくらいに異次元的な身体能力を見せつけた。特に度肝を抜かれたのがグラウンドの幅の使い方で、普通サイドチェンジというのは大きなスペースがある時にするもんだと思うのだが、このチームはそんなものおかまいなし。逆サイドのライン際にいる味方にとんでもないキック力で「ほらよ」と簡単に渡してしまう。多少パスがずれて顔あたりにボールが来ても、柔らかく足を上げてつま先で引っ掛けて確保。あまりの凄さに、スタンドからはため息やどよめきではなく笑いが起こっていた。最初イングランド一色だったスタンドで、特にサッカー観戦初心者を中心にカメルーンびいきも増えていくのがはっきり感じられた。わかりやすい魅力、というやつか。

 いきなり5分にカメルーンの20番が左サイドから弾丸クロスを入れ、ポストで跳ね返ったボールをエトーが押し込んで先制。すぐ後にイングランドもスコールズのスルーに反応したバッセルがきっちり決めて1−1。前半はその後スコア動かず。イングランドは主力MFが2人も抜けるとさすがに支障が出る様子で、オーウェンにもなかなかいい球が入らない。システム的にも、スコールズ1人にやたら負担がかかりそうだ。DFファーディナンドがカメルーンアタッカーに引けをとらない強さを見せていなかったら、スコア的にも差がついていたように思える。

 後半になるとイングランドは最初から、カメルーンは徐々に主力選手の温存&控え選手のテストを行っていく。58分にジェレミ(「あの」レアル・マドリーのジェレミだってことに試合後気づいた!)が閃光のようなFKを決めて2−1。その後もエムボマが背中方向に弾丸シュート(しかも枠に飛ぶ!)を放ったりして大ウケしていたカメルーンだが、さすがに終盤になるとスローダウン。対するイングランドはファウラー投入をきっかけに反撃に転じる。それでもゴールをなかなか割れずにこのまま試合終了かと思われたロスタイム、イングランドがゴール前ヘディングでつないで最後はファウラーが狙い済ました山なりヘッドで押し込んで同点。そのまま試合終了。「テストマッチ」らしく、恨みっこなしのドローになった。

 練習試合とはいえ、面白い展開、魅力的なプレーに充分満足。内容的にはどちらかと言えばカメルーンの方が満足がいったのではないかと思う(勝ちきれないところが「やっぱりアフリカは…」だけど)。イングランドはナイジェリア戦の予行ができてよかったと言うべきか、ジェラード・ベッカムの穴は痛すぎると言うべきか。とにかく来週が楽しみだ。

 

 帰り、市営地下鉄の改札整理もなかなかお見事で、スムーズに電車に乗ってすぐに三宮まで戻ってきた。ちょっとだけ買い物(紀伊国屋で本とか(笑))した後新神戸へ。まだ7時半というのに弁当屋が完全に売り切れとはどういうことか。「のぞみ」の中でビールに魚肉ソーセージ。トホホな旅の終わりだった。

 

 帰宅してから、Jスカイスポーツでラグビーテストマッチ日本×トンガ。日本はSH村田が絶不調な上に主力が数人抜けたFWの動きが鈍重で、おまけにセットプレーでミス連発というありさま。それでも終盤には相手のシンビンにも助けられ、SO岩淵が奮闘の2トライ。しかし追いすがるたびにミスが出て…。最初の5点差に追いすがったところのキックオフでミスした人(未確認)、坊主にしなさい、坊主に。それからロスタイムに無理な持込から密集でハンドした吉田君、君明日グラウンド30週な。全く、もう。

 続いてビデオで第69回日本ダービー。武豊、3回目のダービー勝利。過去2回と同様のコース取り、外からの差しきり勝ちだった。おそらくタニノギムレットは「長くいい脚」を使える馬なのだろう。それを前回のNHKマイルC(直線不利を受けて3着)で感じたこともあって、外に出して早めに追い出したのではないだろうか。2着のシンボリクリスエス(こっちは岡部らしくじっと我慢してから仕掛けた)とは対照的な戦い方だった。今年は大怪我をして期するところもあったのだろう、インタビューで武がかつてない晴れやかな笑顔を見せたのが印象的だった。 


5月25日(土)

 昼、ビデオで北野武監督『菊次郎の夏』。遊び人の菊次郎(たけし)と正男少年が正男の母親を訪ねて帰るまでの旅の物語だが、北野武というよりビートたけし好きにこたえられない映画になっている。もしかすると「北野監督の映像は好きだけど、テレビのたけしはちょっとね」とかいう人にとっては、映画の後半部分、海岸で菊次郎と正男が手をつないで歩き出すシーン以後は全て不要かもしれない。しかし、たけしがこの作品で本当に撮りたかったのはまさにその部分、井出らっきょらと無邪気に遊ぶ「夏休み」ではなかったろうか。あの雰囲気が僕はたまらなく好きだ。菊次郎が自らの母親の姿を見に行くシーン(グレート義太夫好演!)も切なく、東京に再び帰ってきた場面も子供の頃の8月末の「あの感じ」を思い出させてくれる。他の「暴力」を前面に打ち出した作品群とはまた一味違う、たけしの感受性が見事に花開いた傑作。
 しかしこの映画、「カンヌ映画祭正式出品作品」だそうだが、ヨーロッパの人々はらっきょの「う、ちゅ〜〜〜じんだ!」をどう思ったのだろう(笑)。

 

 夜、TBSでW杯前最後のテストマッチ日本×スウェーデン。極楽とんぼの加藤やTOKIOの国分が熱く日本代表を語る!!、って、そんなものを見たい人間がいったい世の中にどれだけいるというのだろう。腐りきったテレビ局だな、ホント。これほど評判の悪い中継を連発しても代表の中継をとったりJ中継の一部独占権をとったりできるのだがら、まこと金の力は偉大である。

 試合内容の方は、いつも通りのトルシエ・ジャパン。選手たちはそれなりに健闘しているとは思うのだが……。小野か中田をボランチに回した方がいいんじゃないんですかね?あの中盤→前線のパス成功率の悪さでは、お話にならない。あと、2ndGKは楢崎より曽ヶ端の方が良いだろう。楢崎、いかにも自信なさそうで小さく見えるもんね。服部は左のあんな前目に張っちゃ持ち味が出ないだろうに。サイドは、左小野右市川で行くのが一番良いように思える。FWは西澤が間に合うか、それとも柳沢が覚醒するかどちらかに期待するしかない(鈴木はあれでよい)。

 などと言ってるうちに、もう次は本番である。トルシエはやたらご機嫌な様子だったが、彼には何か良いものが見つかったのだろうか。

 

 その後、何週連続になるのかもう分からない(笑)が、赤坂見附の「つぼ八」で飲み会。とても気にかかっている人が久しぶりに来てくれて、丁寧にあいさつまでしてくれたのでとっても嬉しかった。ちゃんとした言葉で返せない自分が情けないね。

 どういう話の流れだったかサッカー日本代表の話題になり、こ〜んぷろすてぃさんが「集団戦術に縛られすぎずもっとドリブルで個人勝負してもいいのではないか」みたいなことをおっしゃるので僕の考えを述べようとしたら、100分の1も話さないうちに注文やなんやでさえぎられ、別の話題に切り替わってしまった。口は封じられても(笑)一度スタートした思索モードは止まらず、そのまま押し黙ってしまったので周りの人たちには気をつかわせてしまったかもしれない。

 

 で、僕が今日の試合を見て考えたこと。

 今の日本代表に欠けているのは個人の能力でも11人全員で戦うという集団意識でもなく、2〜3人のコンビネーションで勝負(守備も戦術も)しようという能力・姿勢、いうなれば「グループ戦術」というやつだろう。あのパス成功率の低さを見ていると、どうもそのようにしか思えない。トルシエは防御に関しては非常にオートマティズムにこだわるようだが、攻撃は割と選手の能力頼みの部分が大きいと思う。僕はトルシエに対しては批判的でありつつも、以前「今の日本の若手がトルシエ流サッカーの下でその才能を全開させたならば、世界にも類を見ない美しいサッカーが見られる可能性もある」みたいなことを書いたことがあるのは、そういう所を見てのものだ。で、現実に本番前になってどういう状況かと言えば、「ラボ」という言葉の下に3年あまりの間膨大な数の選手をとっかえひっかえめまぐるしく起用、今になってもベストメンバーは見えてこず、一緒にプレーをした時間の短い選手同士が呼吸・意志の合わなさに四苦八苦しているというところか。今になってこんなことを言っても仕方がないのだが、やはりもう少し同じメンツでテストマッチを重ねるべきだった。同じクラブ所属にも関わらず、左サイドたった一人突破しようと苦闘するアレックスが逆サイドのスペースでポツンとフリーになっている市川の姿を全く見ていないのは哀しい光景だった。

 とはいえ、じゃあ僕がW杯での日本の成績について完全に悲観的になっているかと言えば、必ずしもそうではない。希望はある。というのも、これも以前コラムに書いたことだが、トルシエはこれまで何度もクビになりかけながらその都度「本番」的な大きな大会で結果を出してきているのだ。アジアカップしかり、コンフェデレーションズカップしかりである。帳尻を合わせること(よく言えばピーキング)はそれなりにうまそうなのだ。だいたい、チームというのは長い準備の上に突如強くなったりするものである。今回も本番になってみれば過去2回のようにいきなりコンビネーションが噛み合い、「えええええっ!?」と嬉しい悲鳴を上げることになるかもしれない。つーか、ぜひそうなってほしいものである。

 ま、それにしてもベルギー戦まではあと10日もない。いくら今から調子を上げていくといっても、初戦はある程度の苦戦を免れまい。しかし聞くところによると、ベルギーやロシアは日本のことを(ホスト国ということもあるだろう)やたら評価しているらしい。願わくば、彼らが警戒しすぎて消極的なサッカーをし、あまり攻勢に出てこないことを。1勝1敗、あるいは2分けでもいい。3戦目のチュニジア戦に勝負をかけるような状況にまで持ち込めれば、その時はさすがに日本のサッカーも再び機能し始めるのではないだろうか。

 以上、希望的観測を多分に込めて(笑)。


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