●『ソナチネ』

先週の土曜日、早稲田松竹の特集上映で北野武監督『ソナチネ』。羽振りはいいがヤクザ稼業に嫌気がさした主人公・村川(ビートたけし)。組織の中で疎まれた彼は親分の命令で沖縄へ抗争の助っ人に赴くが、それは彼をはめるための罠だった。次々殺される手下たち。子分の片桐(大杉漣)やケン(寺島進)と僻地の海岸へ逃げ込んだ村川は、そこで不思議な女(国舞亜矢)と出会い、刹那的な遊びに没頭していく。恐るべき追っ手が迫りつつあるとも知らず……。
確か、映画館で観るのはこれで3度目になるのかな。何度観ても素晴らしい。
これまで観てきて暴力シーンとヤクザたちの遊びの場面ばかりが印象に残っていたのだが、改めて今見直してみると、村川の空虚な生き様が描かれる序盤もまた物語的によく効いているのに気付く。退屈しのぎにシマ破りの麻雀屋を海に沈めたり、対立する幹部をトイレで不意打ちして殴ったり……このあたりはたけしもいかにも「生きるってのはつまらないな」という顔をしていて、その都会における重苦しさが、物語後半、自然の中での解放感をより際立たせるという。
